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第4回「体」と「心」のあいだにある、治癒への見取り図

前回は、病気の背景にある3つの「見えないプロセス」と、それらが自律神経・免疫・ホルモンを介して影響し合っているというお話をしました。
私は、このプロセスに目を向ける医療を「見えないプロセスをみつめる医療」と呼んでいます。
今回は、なぜデータや症状だけを見る「狭いゴール」では不十分なのか、そして、なぜ巷にあふれる「健康法」だけでは救われない人がいるのかについて、少し踏み込んでお話しします。

「治療」と「治癒」は違う

現代医学には素晴らしい薬がたくさんあります。症状をピンポイントでブロックしたり、検査データを劇的に正常化させたりすることは、今の医学が得意とするところです。
しかし、ここで一つ考えてみてほしいことがあります。
「データが正常になること」と「治癒すること」は、同じでしょうか?
もちろん、苦痛が和らぐことは素晴らしいことです。ですが、薬で症状を抑え込んでいるだけの状態を、私は本当の意味での「治癒」とは呼びたくありません。それは、あくまで外側から働きかける「治療」です。
本当の治癒とは、自分自身の内側から調和がもたらされる状態を指すのです。

「良い食事」だけでも、「心のケア」だけでも足りない理由

一方で、病院の検査では異常がなく、自分なりに健康に気を配っているのに改善しないという方も多くいらっしゃいます。
たとえば、グルテンやカゼイン、砂糖、油などを控えるといった厳格な食事療法を取り入れている方。それでも良くならない背景を伺うと、仕事や家庭のストレス、過去の人間関係のトラウマを心に抱え続けていることがあります。
では、意識や心という「見えない部分」さえ癒やされれば、すべて解決するのでしょうか?
実は、そうとも言い切れません。
トラウマや潜在意識の問題だと思ってカウンセリングやヒーリングを受け続けていても、現実には重金属や化学物質が体に蓄積していたり、腸の環境が悪くて栄養を吸収できなかったりして、体のメカニズムが物理的に働かなくなっているケースもあるからです。

誰もが当てはまる「正解」はない

結局のところ、物理的な要因(体)と、非物理的な要因(心・意識)のどちらか一方だけの対応では、不十分なのです。
前回のシェーマでお示しした通り、私たちの健康はこれらが複雑に絡み合った「全体」の結果です。ですから、「これを食べれば全員治る」「この考え方をすれば幸せになれる」といった、誰にでも当てはまる魔法のような方法はありません。
「せっかく期待して読んだのに、身も蓋もない……」と感じられたでしょうか。
でも、これは決して突き放しているわけではありません。むしろ逆です。
誰かの決めた「正解」に自分を当てはめるのをやめること。そこから、あなただけの「健康=幸せ」への扉が開くのです。

「治る力」は、あなたの内側にある

病気や不調を治して健康になるというのは、外から与えられる「既製品」ではありません。外からの助け(治療)を借りつつも、最終的に調和を取り戻すのは、あなたの内側にある「治癒」のプロセスです。
これから私がここでお伝えしていくことも、万人に効く「有用な情報」というよりは、あなた自身の治癒のプロセスを動かすための「ヒント」として受け取っていただければ幸いです。
時には少し専門的な知識もお話ししますが、すべては皆さんが自分だけの「調和の見取り図」を描くための材料です。
では、具体的に「生活の物語」がどのように数値や症状に現れてくるのか。次回は、私の診察室での経験を交えながら、より具体的なエピソードをお話ししたいと思います。
次回のテーマ(予定)

  • 数値の裏側にある「生活の物語」〜具体例とともに〜

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