目先のトラブル対応だけで、今日も1日が終わっていませんか?
「お疲れ様でした!」 部下たちが次々と帰宅していく中、薄暗くなり始めたオフィスでパソコンの画面を見つめる。
ふと今日1日の自分のスケジュールを振り返ってみて、愕然とした経験はありませんか?
「朝からクレームの対応をして、部下のミスの尻拭いをして、急ぎの報告書を作って……あれ、今日自分が本当にやりたかった仕事、1ミリも進んでいないぞ」
毎日、目の前で燃え上がる火を消すだけで精一杯。
家に帰れば疲れ果てて、子どもと遊ぶ気力すら残っていない。
「自分のマネジメントの何が間違っているんだろう……」と、寝る前にスマホを見ながら一人でため息をつく。
大丈夫です。その悩み、あなただけではありません。
かつての私も、完全にこの「トラブル対応の無限ループ」に陥っていました。
なぜ、私たちはこんなにも「目先の対応」に追われてしまうのでしょうか?
そのヒントは、名著『7つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー著)の中にあります。
私たちを支配する「緊急度の呪縛」
『7つの習慣』の第3の習慣に、「重要事項を優先する」というものがあります。
ここで紹介されているのが有名な「時間管理のマトリックス」です。私たちの日常のタスクは、以下の4つに分けられます。

多くの中間管理職は、日々のほとんどを「第1領域(緊急かつ重要:トラブル対応、締め切り直前の仕事)」に費やしています。
目の前でトラブルが起きていれば、リーダーとして飛び込まざるを得ません。
だから、あなたが火消しに走ること自体は、決して間違っていないのです。責任感の強い証拠です。
しかし、問題はその先です。
第1領域ばかりに対応していると、心も体も疲弊し、「第4領域(緊急でも重要でもない:無意味なネットサーフィンや愚痴)」に逃げ込んでしまいます。
では、この無限ループから抜け出すにはどうすればいいのか?
答えは、「第2領域(緊急ではないが重要)」に時間を投資することです。
トラブルを未然に防ぐ「第2領域」への投資
第2領域とは、例えば
「業務の仕組み化」
「マニュアルの作成」
「部下との1on1での深い対話」
「あなた自身の学び」などです。
これらは今日やらなくても、明日すぐに会社が潰れるわけではありません。だからこそ、忙しいと真っ先に後回しにされてしまいます。
しかし、第2領域を放置するからこそ、部下は同じミスを繰り返し、新たなトラブル(第1領域)が生まれ続けるのです。

トラブル対応だけで1日を終わらせないために、明日からできる小さな一歩を提案します。
1. 「自分でやった方が早い」を手放す
トラブルが起きたとき、パッと自分で解決してしまうのが一番早いです。
でも、そこをグッと堪えてください。 「このトラブル、次回から起きないようにするにはどういう仕組みが必要だと思う?」と部下に問いかけてみましょう。
火消し(第1領域)をしながら、同時に部下育成と仕組み化(第2領域)を行うのです。

2. 1日15分だけ「空白の時間」をブロックする
スケジュール帳の空いているところに予定を入れるのではなく、一番最初に「第2領域のための時間」をブロックして死守してください。
朝の始業前、あるいは昼下がりの15分で構いません。
パソコンを閉じ、ノートを開いて「チームの課題を根本から解決するための仕組み」を考える時間を作ります。

完璧なリーダーにならなくていい
最初は、15分ブロックしたはずの時間に「課長、トラブルです!」と声がかかるかもしれません。 それでもいいんです。
最初は週に1回でも、第2領域の時間を持てたなら、それは大きな前進です。
あなたは、毎日チームのために必死に戦っています。
だからこそ、ほんの少しだけ「未来のあなたとチームを楽にするための時間」を作ってあげてください。
目先の火消しだけでなく、防火壁を作るリーダーへ。
少しずつ、シフトしていきましょう。
