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『THE UNIVERSE IN A BOX 箱の中の宇宙 あたらしい宇宙138億年の歴史』宇宙はマルチバース

 この本のタイトル『箱の中の宇宙』の「箱」とは、コンピュータを指す。つまり、人類がいままで獲得した物理学の法則をプログラム化し、観測データを入力することでミニ宇宙をコンピュータの中でシュミレーションするというものだ。また、コンピュータ上で宇宙全体をシミュレーションする仕事をコスモロジスト(宇宙論学者)といい、筆者はコスモロジストの1人である。

 宇宙のシミュレーションで注目すべきは、ダークマターとダークエネルギーの存在だ。この2つは宇宙における重力の働き方を変える。銀河に重さを与え回転の仕方を変え、ダークエネルギーは宇宙全体を押し広げる。私たちが直接観測できる物質では、宇宙の網の目の存在を説明できず、最近観測されたニュートリノは、重要な役割を果たすには軽すぎる。宇宙は膨張し加速しているに違いないことと、銀河の回転を説明する代替案では、ダークマター理論ほど多くのことを説明できない。ダークマターが25%、ダークエネルギーが70%という宇宙像は、1980年代から90年代の知見の積み重ねと観測、理論、シミュレーションにより、完全に確立されているという。

 つまり、シミュレーションにより浮かび上がったダークマターとダークエネルギーの存在が、観測と整合性のある新しい宇宙像という仮説を生み出したということだ。

 また、私たちが知っている物理学の範囲を超えたマルチバースが宇宙ではないかとシミュレーションはいう。筆者は、私たちの宇宙は大いなる現実の一端でしかないとし、ドロドロした量子の影のような存在と表現している。誰かが観測すると見えなくなる量子力学の世界なのだ。

 ダークマターの巨大な網の目から銀河が生まれ、私たちの惑星、地球が作られた。そして、ダークマター自体は、単なるミクロな量子の波紋からはじまり、重力によって作られているという。

 コンピュータによるシミュレーションにより明らかになる宇宙像は、アインシュタインの理論と量子力学が組み合わさったようなものであり、ダークマターやダークエネルギーがそれを説明可能としていると仮説をもつと、今後のマルチバースの理解が深まるのではないかと思う。

 

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【プロダクトイノベーション】 Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。