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カレーはえらい

好きな食べ物って聞かれたら、少し迷うけれど、カレーと答える。少々幼さが残る気がするけれど、カレーが好きなんだから、まあ仕方がない。本当はお寿司もステーキも、もんじゃ焼きも好きだけれど、やっぱり答えるのはカレーライスだ。

だってカレーはえらい。
数多の種類があるけれど、カレーと名のつくものなのであれば、だいたいどれも美味しい。これがステーキや、お寿司ならそうはいかないでしょう。お店によって、美味しい、美味しくないの差がありすぎて、回答するにはリスキがありすぎる。

お寿司が好きだと思って......と買ってきてくれたお寿司があまりにも美味しくないと、双方残念な気持ちになるだろうし、美味しいです!と演技するのもどうかなあと思う。

もちろん気持ちは嬉しいけれど、それなら、いかなる時もおいしさの保証されたカレーの方が、回答としては安全じゃないかと思ってしまうのだった。

スパイスカレーも好きだし、タイカレー、インドカレー、日本のルーを使った家庭的なカレーも好きだし、インスタントのカレーも好き。グリーンカレーもいい。朝でも昼でも夜でも!カレー食べに行こう!と言われたらわーいと嬉しくなって、ホイホイついて行ってしまう気がする。

大人になって気づいたことだけれど、特に家庭的なカレーは、にんじん、じゃがいも、お肉と玉ねぎ、カレーのルーがあればすぐに作れる。安くて簡単。食べると心も体も元気になる。さらにお財布にも優しい。たまに具材は玉ねぎとお肉だけで作るけれど、これも全然悪くない。

お肉だって、鶏肉でも牛肉でも、豚肉でもいいという懐の深さがある。

パンともうどんともご飯とも、仲良くできるカレーはやっぱりえらい。こんなにスペシャルなのに、好きにならない方が難しいぐらいだ。

学生時代のお弁当に、母がふりかけをよく付けてくれていた。おとなのふりかけとか、のりたまとか、いろいろ種類があったけれど、ごくごく稀にスティックタイプの一口カレーをつけてくれた。この時は大当たりの日だと思った。

周りのお弁当は、可愛らしいタコさんウインナーやら、ピックに刺さった枝豆やらを食べていて、可愛いなあとよく眺めていたけれど、私にとってはスティックカレーが入っているお弁当が1番嬉しいのだった。

好きなものは1番初めに食べる性分なので、見つけ次第、スティックカレーの封をプチプチと開ける。この辺りで友達から「え、カレー!?」という反応がちらほら飛んでくる。

冷めたご飯に、冷めたカレーをとろりとかける。ラップに包まれた、普段家で使っている銀色のスプーンを取り出して、一口すくい、口に運んだ。そうすれば午後の授業も頑張れた。

ああ、カレーが食べたい。
どんなカレーでもいいから。

中学校の林間学校で、カレーを作った事を、今も覚えている。班の誰かが、ジャガイモは溶けてなくなるから、大きく切ろう!と言い出した。確かにそうだね、ごろごろ入ってる方が美味しいよね、という話になり、我が班はとにかくなんでも大きく切った。ギリギリ口に入るサイズである。

そこでまた誰かが、カレーって炒めるっけ?と疑問をあげていた。カレーは煮込むんだよ!と自信満々に私がいい、我が班はごろごろと特大の具材を、炒める事なくじゃぱじゃぱ煮込み始めたのだ。

悲しいことに、林間学校のBBQ上のコンロは、笑えるほどのとろ火しか出ず、6人前の半なまカレーが完成したのだった。ジャガイモは溶けることなく、カチカチのままだった。咀嚼するたびにぼりぼりと音が鳴り響き、なんとも悲しい時間だったことを覚えている。

担任の先生は、各班が作ったカレーを食べ比べて感想を言うのだけれど、我が班の感想は「硬い」だった。先生、みんな、ごめんなさい。

まずいカレーを食べたのは、林間学校のカレーを含めて数回で、それなりに順風満帆なカレー生活を送れている。

今の所、実家で食べていた豚肉ブロックと玉ねぎをたっぷり入れた、バーモンドカレーの辛口が王座の椅子に座っている。

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