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なぜ「ルール」に従うのは不安なのか?ヴィトゲンシュタインとハイデガーが教える、自分を取り戻すための哲学

 私たちは日々、無数の「ルール」に従って生きています。朝起きて時計の数字を確認し、仕事で計算を行い、言葉を選んで誰かと対話する。こうした行為を、私たちは当たり前の「正解」があるものとして疑いません。しかし、ふとした瞬間に「なぜ、これが正しいと言えるのか?」という、足元の地盤が崩れるような感覚に襲われることはないでしょうか。

 もし明日、あなたが「1000の次は1002だ」と言ったとき、隣の人が「いいえ、ルール通りなら次は1004ですよ」と真顔で主張し始めたら。そして、その人がこれまでの教育をすべて踏まえた上で、独自の「正しさ」を譲らなかったとしたら、あなたはどうやって自分の正しさを証明するでしょうか。

 こうした日常に潜む不確かさは、20世紀を代表する二人の哲学者、ルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタインとマルティン・ハイデガーが深く探求したテーマです。一見、論理学と実存主義という異なる道のりを歩んだ二人ですが、彼らの思想を重ね合わせると、私たちが抱く「不安」の正体と、そこから「自分らしさ(本来性)」を取り戻すための、驚くほど共通した道筋が見えてきます。
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1. ルールには「絶対的な根拠」が存在しないという衝撃

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