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囲碁の話題が広がりにくい理由

囲碁をやっていると、たまにこういう場面があります。

「趣味は何ですか?」と聞かれて、「囲碁です」と答える。
すると、「へぇ、すごいですね」と返ってくる。

ここまではいいのですが、そのあとが続きません。

会話が広がらず、なんとなく一区切りついてしまう。
そんな経験を、何度かしてきました。


囲碁に限らず、少し専門的な趣味にはよくあることだと思います。
ただ、囲碁の場合は特にその傾向が強いように感じています。

なぜなのか。
自分なりに考えてみると、いくつか理由がありそうです。


まず一つは、「共通の土台がない」ことです。

例えば野球やサッカーであれば、ルールを知らなくても、なんとなくイメージできます。
「点を取るゲーム」「ボールを使うスポーツ」くらいの認識は共有されています。

一方、囲碁はどうでしょうか。

白と黒の石を使うことは知っていても、
何を目指しているのか、どうやって勝敗が決まるのか。
そこまでイメージできる人は、そこまで多くありません。

土台がない状態だと、話を広げるのが難しくなります。


二つ目は、「説明が難しい」ことです。

囲碁のルール自体は、突き詰めればシンプルです。
ただ、それを短い言葉で伝えるのが意外と難しい。

「陣取りゲームです」と言っても、
それだけで理解してもらえることはほとんどありません。

かといって細かく説明しようとすると、
一気に情報量が増えてしまい、聞き手の負担が大きくなります。

結果として、「なんとなく難しそう」という印象だけが残る。
これも、会話が広がりにくい理由の一つだと思います。


三つ目は、「すぐに共有できる話題が少ない」ことです。

スポーツであれば、最近の試合や有名選手の話題があります。
テレビやニュースで触れる機会も多く、共通の話題にしやすい。

一方、囲碁は日常の中で触れる機会が少ない。
有名な棋士の名前を挙げても、ピンとこないことが多い。

共通の話題がないと、どうしても会話は続きにくくなります。


もう一つ感じているのは、「距離感の問題」です。

囲碁は「難しそう」「頭が良くないとできなさそう」と思われることが多いです。
そのイメージがあると、無意識のうちに少し距離を置かれてしまう。

「自分には関係のない世界」と感じられると、
そこから踏み込んだ質問は出てきにくいのかもしれません。


こうして並べてみると、囲碁の話題が広がりにくいのは、
単純に人気がないから、という話ではなさそうです。

共通の土台がない。
説明が難しい。
共有できる話題が少ない。
そして、少し距離を感じられている。

いくつかの要素が重なって、結果として「へぇ」で終わってしまう。
そんな構造なのだと思います。


では、どうすればいいのか。

正直なところ、無理に広げようとしなくてもいいのかなとも思っています。

囲碁の話題が広がらないのは、
必ずしも相手の関心が低いからとは限りません。
単に、入り口が見つからないだけということも多い。

だからこそ、こちらが少しだけハードルを下げる。
短い言葉で伝える、あるいは一つのエピソードに絞る。

それだけでも、会話の流れは変わる気がしています。


囲碁は、確かに少し特殊な趣味かもしれません。
でもだからといって、閉じた世界である必要はない。

話が広がらない理由を知っているだけでも、
その距離は少し縮まるのではないかと思います。

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