『“値下げ”ではなく“構造”で戦う。原価率を下げる具体的な方法と実践戦略』― 原価率30%未満を現実にする、プロの現場と数字の話
◆ この記事で分かること
• 飲食店が価格競争に巻き込まれる“構造的な理由”
• 原価率を下げるための5つの具体戦術
• 廃棄・歩留・発注精度と利益の関係
• ABC分析を活用した、戦略的値上げと商品設計
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◆ なぜ飲食店は“安売り合戦”に巻き込まれるのか?
答えは、「買い手の交渉力」にあります。
これはポーターの「5フォース分析」の1つで、
顧客が情報を多く持ち、比較が簡単な業界ほど、価格決定権が顧客側に移りやすくなる構造です。
飲食業界では:
•食べログ、Googleマップ、Instagramで“比較”が即時にできる
•メニューや価格は他店と似通いやすい
•替えが利く(競合が多い)
つまり、差別化が弱いと価格競争に巻き込まれやすくなるというわけです。
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◆ では、どう原価率を下げるか?
【1】発注ロスを減らす:「経済的発注数量」の考え方
必要以上に仕入れれば廃棄になり、
小ロットすぎれば仕入れ単価が上がる。
このバランスをとる概念がEOQ(Economic Order Quantity)=経済的発注量です。
発注頻度・単価・保存コストを数式で最適化することで、
ムダな在庫を減らし、原価を構造的に抑えることができます。
※別の投稿で説明します。※
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【2】廃棄を減らす:「棚卸と日計」を徹底する
•在庫チェックを「週1」ではなく「毎日」に
•廃棄が発生したら、理由を“記録”して仕入れと連動させる
•廃棄率が高い食材をメニューに組み込む“リメイク”を行う
「出なかった料理」より、「余った食材」に目を向けることが原価管理の本質です。
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【3】歩留率を上げる:「端材の有効活用」
•鶏ももの端材を細かくカットし、親子丼・炒め物・スープの具材として使用
•挽き肉化して、つくね・ミンチカツ・チキンボールなどに加工
•カット野菜の皮や芯を、出汁やまかない、煮物の素材に展開
歩留(ぶどまり)とは、仕入れた素材が最終的に売上になった割合のこと。端材を捨てるか、売上に変えるかで原価率は大きく変わります。
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【4】ABC分析で“戦略的に値上げできる商品”を見つける
• A群:売上構成比が高く、目玉商品。値上げにはリスクあり
• B群:平均的に出る商品。見直しは慎重に
• C群:出数が少ない商品。価格感が弱く、値上げハードルが低い
→ 実はこの“C商品こそ、利益改善のボトルネック”になっているケースが多いです。
原価率が高くても売れないC商品を、
• 値上げする
• 他商品とセット化する
• 廃止する
ことで、全体のPL(損益)を改善できます。
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【5】原価率“だけ”ではなく、粗利額と作業負荷で評価する
•低原価でも、単価が安すぎて利益が出ない
•高原価でも、提供単価が高く、粗利が大きいならOK
•調理工程が長すぎると、人件費を圧迫する
→ 原価率は“単体の数字”ではなく、“構造の一部”として見るべきです。
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◆ 成功事例:ある定食屋の改善
• 課題:原価率41%、粗利不足
• 対策:鶏もも端材を親子丼やつくねに展開(歩留UP)
• 廃棄の多かった小鉢をセットから外し、別売りに
• 売れてない煮物定食(Cランク商品)を廃止し、人気メニューに集中
• 結果:原価率34%に改善、月間粗利+6万円、廃棄3割減
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◆ 最後に|原価を“コスト”ではなく“戦略”で考える
飲食店の利益は、「売上を上げる」よりも、
「仕組みを見直して残す」方が手堅く、継続性があります。
原価は下げるものではなく、整えるもの。
仕入れ、廃棄、価格、オペレーション、価値伝達…
それらすべてを一つの戦略で結び直せば、利益は構造的に生まれます。
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食材を“使い切る”。数字を“読み切る”。それが、黒字の設計です。
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