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キッチンじゃなくて、台所。

― 横山タカ子さんのさしす漬けと、暮らしのまなざし ―

先日、NHKの『心おどる あの人の台所』を見ました。
登場していたのは、郷土料理研究家・横山タカ子さん。
信州の山あいにあるご自宅の「台所」が舞台でした。

そう、「キッチン」ではなく、「台所」。
番組のタイトルからして、もう心が動いてしまうのです。


台所に宿る、手しごとのリズム

横山さんの台所には、目立った最新家電も、明るい照明もありません。
あるのは、味噌や醤油が静かに熟成されていく冷暗所、
干し野菜を受け止めるざる、
そしてガラス瓶に詰まった四季の保存食たち。

南部鉄器で煮物を煮るときのグツグツと美味しそうな音
丸太を切り出したまな板で切る自家製野菜
どの道具も食材も愛着のかたまりでした。


さしす漬け、はじめてみました

番組で紹介されていた「さしす漬け」が気になって、
レシピを調べて梅を漬けてみることにしました。
(図書館に本も予約しているのですが、まだ届いていません)

氷砂糖・塩・酢を順に重ねるだけの、シンプルな漬けもの。
手持ちの瓶は梅干し用に使ってしまったので、ジップロックを使用しました。
写真は2日目のもの。あっという間に氷砂糖も塩も溶けてなくなりました。

ジップロックで漬けたさしす漬け2日目の写真
さしす漬け2日目

暮らしの光を、少しだけ落としてみる

横山さんの台所は、こうこうと明るくありません。
手元は見えるけれど、全体はほの暗くて、窓からのやさしい光がまわっている。
その明るさを「必要最低限」とは感じませんでした。

むしろその暗さが、空間の「静けさ」や「ゆとり」を生んでいて、
暮らしの時間にゆるやかなリズムを与えてくれているように思えたのです。

番組の最後には、夫婦で食卓を囲むシーンがありました。
ダイニングもまた、静かに暗い。
でも、奥に活けられた赤い花がぼんやりと浮かび上がって、
光と影の中に、穏やかな生活の輪郭がにじんでいました。


季節と、台所と、わたし

インテリアコーディネーターという仕事をしていると、
つい「明るく・使いやすく・整ったキッチン」を考えがちです。

でもこの番組を見て、
少し暗い、でも丁寧な空間に触れたことで、
インテリアは「整える」だけでなく、「育てる」ものだと改めて感じました。

季節のものを受け入れる台所。
光と影がある食卓。
手仕事の音がひびく静けさ。

自分の家の台所も、そんなふうに育てていけたら。
梅の瓶をそっと並べながら、そう思いました。

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#季節の手しごと #暮らしの中のインテリア #NHK心おどるあの人の台所

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