【ゲーム感想】「ただそれだけで、俺の任務は完遂しているはずだった。それなのに……」――メビウスの心臓
はじめに
こんばんは。
かぐやです。
今回は、サウンドノベルゲーム『メビウスの心臓』を実際にプレイした感想を書いていきます。
どんなゲーム?
開発元:gunsturn Inc.
パブリッシャー:gunsturn Inc.
【背景】
110万ダウンロード達成の ILLUST CHAINER - みんなでつなげる絵しりとり - を開発した株式会社ガンズターンの新作アプリです。Unity1週間ゲームジャム(テーマ「さがす」)にて発表したフリーゲームを、スマートフォン向けにアレンジしました。
過去の自分を殺すためにタイムトラベルを果たした男を待ち受ける数奇な運命を、見届けてください。
彼が最後に「さがしあてた」ものとはいったい……?
【製品・サービスの概要】
メビウスの心臓 は、シンプルなテキストアドベンチャーゲームです。
<3つの特長>
1:完全無料。広告もいっさいありません。
2:1時間程度で誰でも全エンディングに到達できます。
3:コンパクトながら複雑なストーリーです。
1時間で遊び尽くせる!
「おてがるノベル」シリーズの記念すべき第一作目。
過去の自分を殺すためにタイムトラベルをした男を待ち受ける、数奇な運命とは……?
・テキストとBGMのみでお送りするシンプルなノベルゲーム
・どなたでも、1時間ほどですべてのエンディングに到達できます
眠れない夜や、ちょっとした空き時間などに、読書感覚で遊んでみてください。
メビウスの心臓 スマートフォン版 デモ動画
『メビウスの心臓』は2020年1月15日、株式会社ガンズターンより 、iOS、Android向けアプリとしてリリースされた無料ノベルゲーム(※1)。
前年10月に開催されたイベント「Unity1週間ゲームジャム お題『さがす』」にて発表したフリーゲームを、スマートフォン向けにアレンジし、リリースに至ったそうです。
また、2023年7月15日、Steam版がリリースされました。
現在、日本語と英語の2言語でプレイ可能です。

読み進めていくと選択肢が増えていき、新たな行動を選択することでストーリが分岐。
それを繰り返すことで、徐々に物語の真相へと迫っていきます。

※1……現在、Google Playのリンクにアクセスすることができないため、Android版がプレイできるかどうかは不明。現在問い合わせ中。
プレイしてみて
※以下、『メビウスの心臓』の一部ネタバレを含みます。
また、本感想はSteam版に準拠しています。
実際にプレイして分かったことは、温かみのある、血の通った一つの物語であるということです。
ゲームの紹介を初めて見たとき、シリアスな作品なのかな、という印象を受けました。
というのも、Steamのストアページでは、作中でも残酷な表現がされている部分が切り取られています。
テキストベースで、UIもシンプル。
その中で、血液や暴力性を連想させる濃赤色と、力強さと寂しさが入り混じったピアノの音で構成された物語の一部分は、私に終始殺伐とした世界を想像させました。
しかし、読み進めていくと、そこには抱いていた印象とは全く異なる世界が広がっていました。
物語が進んでいくごとに明らかになる違和感の真実、人が人を想うことで生じてしまった世界線のずれ、そして、想いや愛をもってしても望んだ未来を掴むことのできない救いのなさ。
タイムトラベル、ループというSF要素を介し、壮大な時間の繰り返しを経て肥大化していく想いが、1時間に凝縮されています。
タイトルの「心臓」もこのテーマに結びつくものとなっています。

最後にはしっかりとした着地が用意されており、消化不良もさほど感じません。
大きな空白もないため、個々の考察や解釈を持たず、ただ話の流れに身を任せて楽しめる作品ですが、シンとミコト、ソウタの3人の登場人物の結末にはやるせなさを感じずにはいられませんでした。
シンとミコトの2人がループから抜け出すことはできても、ソウタの発言から、おそらく2人の望んだ「幸せ」は最良の形で叶えることはできなかったのでしょう。
それでも、ラストには微かに希望が残されていて、前向きになれる。
救いのなさと僅かな希望の塩梅が非常に良いと思いました。
そこに至るまでの過程と、絶妙な匙加減の結末は、実際に読んで確かめてほしいです。
「おてがるノベル」というキャッチコピーの通り、プレイ時間はおよそ45分。
単語や文法が正確でないという意見(※2)も見受けられましたが、少なくとも日本語版では引っ掛かりは感じませんでした。
ただし、作中の表現については、「お手軽」というコンセプトを重視して、敢えて分かりやすいものを取り入れているように感じたため、一冊の本を読む感覚で作品と向き合おうとすると、所々好みが分かれる点はあるかもしれません。
※2……
“A short game about time travel. It contains some spelling and grammar mistakes but nothing major.”
※ただし、このレビューが英語翻訳版に対する言及の可能性がある
音楽も場面ごとの主人公の心情に合わせて変化するため、キャラクターボイスやイラストがなくとも世界観に一層浸ることができました。
既読ストーリーはスキップすることができ、またセーブ機能も備わっているため、ストレスなく読み進めることができます。
「サウンドノベル」としては完成している、と言えるでしょう。
唯一残念なのは、Steamの「実績」システムやトレーディングカードなどに一切対応していない点です。
私の調べた限りでは、Steam版は良くも悪くもスマートフォン版を横画面の形に移植しただけです。
マルチエンディング形式ではないため実績解除をしても達成感を得ることはありませんが、個人的には「ゲームをプレイした証」として実績が増えていくのが好きなので、可能であれば次回作の「おてがるノベル」やアップデート等で導入してほしいなと思いました。
まとめ
『メビウスの心臓』をプレイして感じたことをまとめると……
・短い時間で気軽に楽しむことができる、人の温かみと想いが凝縮されたSF短編。
・UIはシンプルだが、ストーリーは盤石で、機能も十分備わっており、サウンドノベルゲームとして完成している。
・Steam版も魅力はそのままだが、単なる移植ではなく、媒体特有の要素を取り入れて欲しかった。
スマートフォン版は無料でプレイできますので、まずは手に取って、この輪廻に触れてみてはいかがでしょうか。
おわりに
株式会社ガンズターンの公式Xを拝見したところ、『メビウスの心臓』の系譜に連なる新作アドベンチャーゲームの制作を企画しているそうです。
「 メビウスの心臓 」の系譜に連なる全くの新作アドベンチャーゲームも企画してます。
— gunsturn Inc. (@gunsturn_tw) February 19, 2025
でもまだなんにも決まってないからみんなには内緒だよ。
「おてがるノベル」というコンセプト、「心地よさ」「ロジックのおもしろさ」を重視する理念は興味深いと感じました。
次回作にも触れたいですし、私も1つのゴールとしてこのような作品を創ってみたいな、と思っています。
最後まで記事を読んでくださった皆さん、ありがとうございます。
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『メビウスの心臓』のダウンロード、購入はこちらから
iOS/Android版
Steam版
投稿:2026.2.28(メインアカウント)
再投稿:2026.4.25(本アカウント)
最終更新:2026.4.30(一部表現の手直し等)


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