見つめられる喫茶店|#みんなのことば帖3 参加作品
窓のサッシが聞いたことのない悲鳴を上げる夜を越えて。
明くる朝。さぞ怖い思いをしたであろう小鳥たちの声で目を覚ます。
外の様子が気になり、カーテンを開けて見下ろす。
自宅マンション前の交差点。
その信号機。
どこ向いてんねん。
強風によって回転して向きが変わっていた。
一晩で世界の座標がズレた気がした。
普段は前を向いている信号機に突然振り向かれて、どこか気まずそうに見える喫茶店。
あの店に入ったお客さんは青信号の時しか店から出られないのだろうか。
大変だ。
信号機は二日後には直っていた。
行政ってすごい。
喜木凛さんのこちらの募集企画を拝見して書きました。
信号どこ向いてんねん事件は実際に数年前にあった出来事で
お題の「嵐のあとに」を見て久々に思い出しました。
災害は恐ろしいし、起きない方が絶対にいいのですけども
めったに見れない景色に遭遇できるのは
不謹慎ながら「ええもん見れた」と少しだけ思ってしまいます。
