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voice_watanabe
方翼
僕達は2人で1人だった。
2つで1つだった。
1人では不完全で、1には満たなくて、それを周りに馬鹿にもされた。
君は僕によく似ているし、僕は君によく似ている。
駄目なところも、いいところも。
僕達は2人でなきゃいけなかったから、ある日君が遠くに行ってしまうことを悟った時、僕は決めた。
君の明日がもうこないのなら、僕の明日も今日まででいい。
終わりを自分で決めるのは、そんなに悪いこと?
君に出会わなければ、きっと僕達は生きることすらできなかった。
それならば、こうして終わりを決めることは至極当たり前の流れのように思う。
生まれ変わったら、今度は1になりたいね。
そう話した。
2人が一緒になって、1人として生まれてくるのもいいね。
そう願った。
だけど、2人とも1になって、こうしてまた一緒にいられたら、2倍になるから、今度は1じゃなくて2になるよ。
それはとても素敵だね、と微笑んだ。
生まれ変わっても、君と一緒がいいな。
心から、そう祈った。
君と出会えたから、僕は僕で良かったなって、本当に思うんだ。
ちゃんと、世界がまるで美しいように見えた。
色があった。
光があった。
隣の君の涙を拭う。
君も僕の涙を拭う。
触れた手は暖かかった。
幸せ、だったな。
隣から小さな声が聞こえる。
ありがとう。
それが、最後だった。
願わくば、生まれ変わった先の君の人生が、僕達の人生が、また幸せであることを。
