モネの睡蓮 #54
『モネ 睡蓮のとき』
国立西洋美術館
2024年10月24日(金)
今日の一枚は、クロード・モネ 睡蓮。本美術展のメインビジュアルの睡蓮である。

睡蓮の緑に、ピンクの花。
水面の、空と雲。
太陽の清々しい光にあふれている。この明るくて生き生きとしたトーンが、この絵を際立たせている。
中央の水面を挟んで、さらに上にも睡蓮。
この上の睡蓮と、下の睡蓮は、同じ池に浮いているはずなのに、異なる平面に存在するように見えて、何だか変だ。
上の睡蓮は、池に浮かんでいるのでなく、雲に浮かんでいるかのようである。

モネの睡蓮は、少しずつ絵から離れていくと、見る距離によって、ものすごく三次元的になる瞬間がある。
水面に写り込む風景にピントがあった瞬間である。睡蓮と水面の風景が別々のレイヤーとなって、ギューっと奥行きが出てくる。

この点で、やっぱり、国立西洋美術館所蔵の睡蓮が、一番素晴らしい。この三次元感、なんて良い出来栄えであろうか。

この睡蓮は鮮やかな黄色。対角線に配置されていて、斜めの立体感が美しい。

この水面は、素直に、空と雲を写し出していて、分かりやすい。

夜の睡蓮であろう。夜なのに、赤い花が浮き上がっていて、吸い込まれるようだ。

壁全面を覆うほどの大装飾画を、睡蓮だけで描き切るというコンセプトは、モネが編み出した「新しい絵画」だったであろう。
大装飾画を連想させる展示が随所にあった。モネの「新しい絵画」は、これらの展示から連想するだけでありながら、現代を生きる我々にとっても、とても斬新で、他にない世界観を表しているように感じる。
国立西洋美術館は常設展も見逃せない。

いつもの睡蓮は特別展に行っているので、睡蓮の定位置はルノアールであった。

すばやい筆致でドガらしい。黒いシルクハットの男性も描かれている。やっぱりドガが好きである。

ブラックの静物画は、色の組み合わせもキレイで、キュビズム感も程よく、心地よい。初展示作品とのプレートが付いていた。今回の常設展で最も印象に残る一枚。

国立西洋美術館の庭のロダンが輝いている。夜のロダンも捨てがたい。
