5-8月に読んで面白かった本6冊
こんにちは、アイルランド在住会計士のつぐみです。
え、今11月?
でも「9-12月に読んで面白かった本5冊」をもうすぐ書きたいから、遅れて提出。
①今度生まれたら
「今度生まれたら」と考えるのは、今の自分を否定すること。歳を取っても、いや歳をとるからこそいろんなことが起きる。それでも今をどう生きるか問い続ける主人公が良かった。
内館牧子さんの高齢者小説でいつも思いますが、主人公の性格がきつすぎて最初好きになれないんですよね。でも主人公は歳をとっても柔軟で、自分の考えを更新し続け、気づきを得ることは幾つになってもできると思わせてくれる。それがいいです。
若い時に、シンデレラストーリーや実業家のサクセスストーリーにワクワクしたように、老人が生きがいを見つけるというのが歳をとってからのサクセスストーリーなのでしょうね。
②方舟
冒頭で何が起きるかは述べられるので↓この最初の部分だけ読んで興味があればぜひ読んでみてください。怖すぎるけど、面白い!最高の一冊でした。
ひょんなことから地下建築「方舟」で夜を過ごすことになった10人。翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれ、水が流入しはじめた。
いずれ「方舟」は水没する。そんな矢先に殺人が起こった。だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。タイムリミットまでおよそ1週間。
生贄には、その犯人がなるべきだ。犯人以外の全員が、そう思った…
思い返してもぞくぞくする傑作!
③暇と退屈の倫理学
やることがないのは不幸?退屈から逃れるため、うさぎ狩りにいく。そのうち人は、うさぎを得ることが目的と思い込む。本当に欲しいのは時間潰しなのに。
衣食住がどんどん便利になり、人は余暇を持ち出した。その余暇を「消費」させようと様々な誘惑がある。真に恐ろしいのは浪費ではなく消費であるというのが目から鱗ポイント。
余裕があるときに人は考えられる。夢中で思考が攫われる瞬間(動物になる瞬間)は、待ち構えて迎え入れるもの。人間として楽しむ時間が、インスピレーションを呼び込む。つまり余裕が人間をつくり、思考が攫われる瞬間が創造を生む。難しいけど面白い名作。但し自分の中で消化できていなくて、読書ログがかけない。
④ひとりでしにたい
ドラマ化されて話題のこの漫画。漫画だけど学びが多すぎて最新刊まで読んでしまった。いくつかの学びをシェア。
・新しいことは早めにやるべき
気力・体力があるうちに「重いこと」ほど片付けるのが正解。
・自分の終活より、まず親の終活が現実的に先に来る
介護に家族がお金を出しすぎると共倒れリスクあり。
・過去の知り合いに会いたくない=人間関係がどんどん狭くなる罠
落ちぶれた姿を見せたくない気持ちが孤立につながる。
・心の穴は自分で埋めるしかない
他人や物では埋まらない、という核心。
⑤思い出せない脳
記憶に関する興味深い本でお勧め。
スマホがあっても、人の判断や行動のベースは「脳内の記憶」なので記憶はやはり大事。
とっさの選択・好み・反応などは、無意識に蓄積された記憶に左右される。情動と記憶は強く結びついている。
感情が動くと覚えやすくなるため、本では章ごとに感情を誘う小話(記憶障害の人の話、答えが飛ぶ経験など)で導入している。睡眠は記憶定着の重要な土台。
浅い睡眠 → 手続き記憶(技能系)が定着
深い睡眠 → 意味記憶(知識系)が定着
歳をとるのは「思い出す能力」が低下するだけで、脳は実は全部覚えている。
→ つまり、記憶は“工夫すれば鍛えられる”スキル。脳に「リーダー」はいない。
よく使う部分が自然に主導権を握るようになる → 頼もしいが、使わないと衰えるという意味でも怖い。
⑥電子書籍出版奮闘記「絶望編」
Kindleが売れない悲哀を面白おかしく記録している本。
筆者も書かれているように、多くの人は失敗の体験談ではなく、成功のそれを書きたがるので、この失敗記録は貴重。しかし純粋に面白いです。
失敗本を書くためのハードルは高い、なぜなら恥ずかしいから。でもそれを乗り越えた筆者に拍手を送りたい。自身のことを劣等感ばかりでプライドが高すぎた、プライドが高すぎるやつはどの世界でも使えないとのセリフはそうだよね、と納得。
こんなことなら〜の自虐や、有名漫画のセリフパロディなど、ボケ上手で最後まで楽しめました。
結局この方は、何作めかのKindle出版でヒットして今ではKindleで6桁収入らしい。すごいですね
今年もあと一か月。あと何冊名著に出会えるか。
年間100冊以上読む、私のテーマ別おすすめ本はこちら。
