アメリカの学校の夏休みが長すぎる!問題
アメリカの学校の夏休みは長い。
地域によって多少違うけれど、うちの子たちが通っている学校は、だいたい5月下旬から8月中旬まで。
「なっっっが。」
壁掛けカレンダーに記入しながら心の低い声が出てしまった。
子どもたちは大喜びだけど、親は少し違う。
夏休みが近づくと、何か予定を入れなくていいのか、とそわそわし始める。でも今思えば、あれは結構無駄な抵抗だった気がする。
何しろ長い。
ちまちまと予定を立てても、まだまだ日数が残っている。
まず、多くの家庭は旅行に行く。
日本から来ている家族なら、日本に一時帰国する家庭も多い。
一時帰国の予定ならまだいい。
一回帰ると長い間滞在して、日本でしかできないことを出来たりする。
でも、家族全員分の飛行機代に宿泊費。
そう簡単に毎年帰れるものでもない。
今年のわが家は、今回来てまだ一年ということもあり、一時帰国はしなかった。イベントとして、代わりに別の国へ旅行に行った。
旅行はもちろん楽しい。
でも問題は、その後だ。
普通の旅行は、長い夏休みから見たら本当に一瞬で終わる。
残りの時間をどう過ごすのか。
これが、頭を悩ませる。
子どものいる家庭で定番なのが、サマーキャンプやサマースクール。
日本でいう短期講習や短期の習い事に近い。
スポーツなら、サッカー、テニス、水泳、アスレチックなど。
文化系なら、アート、チェス、プログラミング、楽器など。
学校が案内を出すこともあるし、親が民間のを探して申し込むこともある。とにかく種類が多い。ありすぎて困るくらい。
だから行動が早いお母さんたちは、春頃から情報収集を始める。
「あそこは安い」
「ここは高いわりに遊んでばかり」
そんな口コミを頼りにしながら。
そして何より。
高い。
本当に高い。
朝から夕方まであるクラスを見ていると、
「これ旅行できるんじゃない?」
と思うこともある。
うちは今年、末っ子がサッカーに興味を持っていたので、午前中だけの一週間コースに申し込んだ。
それでもまぁまぁなお値段なので、せっかくなら満足してほしくて、その前にいくつか体験にも行った。
学校の休み時間にも友達とサッカーばかりしている子なので、全くの初心者向けだと少し物足りない、などあるらしい。
本人の感想で、
「ここは違う」
「こっちの方が面白い」
というのを漏らさず聞き、これというクラスに決めた。
当然、送り迎えは必要だ。
朝送って、家に帰って、家事をしていたら、もう迎えの時間。
帰ってきたら昼ご飯。
用事が出来て有意義に過ごしている分、そういう時の親は意外と忙しい。
そして、キャンプはあっという間に終わる。
もう一つ。サマースクール。
学校から案内が来る夏休みの定番(渡米して間もない子だけ)がある。
ESLのサマースクールだ。
英語を第二言語としている子ども向けのクラスで、無料。
しかもバス送迎付き。
朝から2時くらいまで。
一か月以上。
親から見たら、
「なんてありがたいクラスなんだ!」
と息が荒くなる。
実際、周りにも、
「家にずっといるくらいなら行ってきなさい」
と半ば強制で通わせている家庭もあった。
うちの上の子は、中学生だった頃に一度自ら行きたいと言い、参加している。
ところが、一週間ほどで行かなくなってしまった。
何だか、思っていた環境と違ったらしい。
ここはテキサス。
英語の次に多く聞く言語はスペイン語だ。
実際、ESLクラスには、スペイン語圏の子どもたちがたくさんいた。
もちろん英語を学ぶためのクラスなんだけど、休み時間や子ども同士の会話ではスペイン語が飛び交う。
うちの子も、一緒に行っていた友達もスペイン語圏出身ではない。
気づけば二人で小さく英語で話していたらしく、なんとも居心地が悪かったそうだ。
運が悪かっただけかもしれない。
全部のESLがそうではないと思う。
でも、その経験は色濃く記憶に残ったらしい。
そして今年。
何も用事がないよりはいいかな、と、末っ子にそのESLを勧めてみる準備として学校からのプリントをテーブルに置いていた。
それを見た上の子が言ってしまった。
「これね~、面白くないから行かない方がいいよ」
先輩の親切心が出てしまったのだ。
「なんで真実を言ってしまったのー!」
私の、声にならない声。
当然、その話を聞いた末っ子は、
「なら行かなーい」
こうして、また一つ夏休みの予定が消えた。
長い長い夏休み。
まだ始まったばかりだった。
