私にはその力がある。そうできるようにずっと努力してきたし、この先もする。|ライトノベル『冴えない王女の格差婚事情』第3巻

「カルポ人が交ざっていませんか?」
横のフィルが鋭い目つきで「あの訛りと衣装の刺繡──覚えがあります。顔立ちも南寄りな気が」
カザック王国は、隣国カルポの王の訪問を控えていた。
「今日あたり騎士たちにも知らされると思うけれど、秋口にカルポ王の公式訪問が予定されているの。彼らは準備のためにカルポから派遣されてきた外交団よ」
「となると、彼らを追って他のカルポ人もカザレナに入ってくる……」
「そうね、それがただの従者や向こうの様式の衣装や小物を持ち込む商人などであれば、問題はないのだけれど……」
カルポは奴隷制度と人身売買を続ける国で、カザックとの関係は悪化していた。
そんな中、ソフィーナは王太子妃として孤児院を訪問するが。
「ああ、ソフィさま、お出迎えもせず……大変失礼いたしました」
「何かあったのですか?」
中へと進んでいけば、ここでの愛称でソフィーナを呼んだ院長が困惑を顔に乗せてやってきた。
「いえ、何というほどでもないのですが、お昼もおやつの時間も過ぎているというのにユートたちが戻っておりませんので……」
子供たちが行方不明で、護衛のフィルは人攫いの可能性を示唆。
街で怪しい馬車を発見し、ソフィーナはフィルに追跡を命じる。
「追いなさいっ、フィルっ」
「っ、ですが、」
「命令ですっ。自国の子供も守れず、何が太子妃で何が騎士なのっ」
しかし、その隙を突いてソフィーナ自身がさらわれてしまった。
「アレックスっ、ソフィーナさまが攫われたっ」
ソフィーナを追って孤児院に来ていたフェルドリックは、フィルからソフィーナがさらわれたことを知る。
すぐさま救出に向かったフェルドリックは、カルポの人買いと対峙するも、ソフィーナを乗せた船が出航しそうになる。
「俺の勝ちだ──お前たちはここで死ぬんだよ」
王太子として退くべきと理解しつつも、仲間と共に船へ飛び乗った。
「──必ず助けに行く」
そう誓い、フェルドリックは運河へ飛び込んだ。
また喧嘩してる…
お互いが捻くれて、相手の言葉を曲解して、拗れに拗れていたソフィーナとフェルドリックが、色々なことを経て、お互いの気持ちを素直に受け入れた…
…と、思ったんだけど。
あれ? また喧嘩してるよ…
それでも以前みたいに「一体どういうことなの?!」とヤキモキしないのは、フェルドリックの胸中や、性格を知ったからだろうか。
容姿が華やかなフェルドリックが、周囲の人間に好かれるのをソフィーナがモヤモヤするように、ピンチをチャンスに変えられるソフィーナの人望の厚さにフェルドリックもモヤモヤしてるんだよね。
で、お互い自分には自信がないから、普段は強気なのに変なところで尻込みして拗れる、と。
でも惹かれるんだよね。自分には無いものを持ってるからね。
初めて弱音を曝け出したフェルドリックに、ソフィーナが答えた言葉が印象的でした。
守られるだけじゃない。守ることだって出来る。
その力がある、と言えるソフィーナはカッコよかった。
で、これ、続かないかな?
まだまだ読みたいんだけど。どうかな?
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