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2025年 私的年間ベストアルバム

皆様、お世話になっております。
をかしです

早いもので、もう12月
ついこの前に上半期ベストアルバムの記事を書いたと思えば、もう一年が経つのですね。

今年も、新譜の音楽を多く親しむことができた実り多き一年でした。


あいもからわず、ジャンルはもちろん、邦洋/インディーメジャー問わずな、自身の雑多な審美眼・感性に任せた選出となりました。

話題作のみならず、他の音楽ブログ・アカウントではあまり取り上げないようなアルバムもピックアップしておりますので、ディグの参考にしてもらいやすいかと思います。

今回もつらつら綴っていきます。


※目次を開くと、各アルバムの項目へアクセスができます。順を追って読み進めたい場合は、目次を閉じたままの閲覧をおすすめします。





16. Pulp『More』

90年代ブリットポップの申し子Pulpによる、約24年振りの新作。

いわずもなが、今年は9月のoasis来日公演をはじめ、Radioheadの活動再開、Stereolabのアルバムリリース、Primal Scream『XTRMNTR』の再演公演など、イギリス音楽の盛り上がりに沸き立った一年だったのではないでしょうか。

同世代のSuedeも新譜もリリースして大変素晴らしいアルバムでしたね。円熟さを感じられるエネルギッシュな作品でしたが、Pulpは渋さと枯れ感を醸し出したアダルティな雰囲気。


歳を重ねてきて、こうしたダンディズムなボーカルのアーティストを好むようになりました。

諦観とウィットは今年音楽を聴く中で、自身の大きなキーワードだったかもしれません。後述する作品にも近いアルバムが幾つかありますので、このあたりはまた。

 

15. Rosalia 『Lux』

2025年の話題作筆頭。

ラテンとフラメンコの共存の中、13ヶ国語での歌唱、クラシック/オペラをエクストリームに包括した圧倒的ディーヴァさに感嘆な作品でした。

Bjorkの『Vespertine』を彷彿したとの意見も多く、エレクトロな音使いや多機能なリズムパターンといった神聖さは確かに通ずるものがあるなと。

高密度が故に難解な印象を受けますが、その分フックも多いため、ディープに音楽を聞かれない方にも親しまれるアルバム。

ファッションシーンにて、ローファースニーカーをはじめとしたクラシカルトレンドが世を席巻しているのと連動してなのか、音楽においてとバロック・ロマンチシズムの浪漫さはトレンドの兆候なのかもしれません。その予感を非常に感じられた作品でした。



14. ずっと真夜中でいいのに。『永遠深夜万博「名巧は愚なるが如し」』

チャイニーズカルチャーの雑多感と、ずとまよ特有のJ-POP×ファンク×ネットシーンを高次元に昇華させた大阪城ホール公演の収録盤。

ライブ盤だと、各パフォーマンスの高さの尋常なさがダイレクトにぶつかる。より奔放した音楽の解放性が伝わってきて眼福いや聴福。

日本の情報過多なポップス、とりわけアニソンを<ガチャポップ>を評されて暫く経ちますが、その最前線を走り続けるアーティストの存在を存分に味わえる。

時間と空間を遊離した虚構の万博───



13. Bon Iver 『SABLE, fABLE』

ウィスコンシンのインディーフォークを奏でるシンガーソングライター、ジャスティン・ヴァーノンによる音楽プロジェクト。

今年の中でも、とりわけ評価が高い一作ではないでしょうか。

『SABLE, fABLE(漆黒、寓話)』と題された本作は2部後世のアルバムとなっており、黒からサーモンピンク色へ、悲しみから歓びへと移り変わる美しさは絶品。

人生を祝福するかのようなAORサウンドは平穏な愛に包まれている。



12. 『ぷにるはかわいいスライム』 2期 かわいいぷにるソングアルバム

ぷにるはかわいいスライムとは『週刊コロコロコミック』にて、2022年3月15日より連載中のラブコメ漫画。このアルバムは本作がアニメ化した際にリリースされた、ぷにる(ジャケの女の子)が歌うカバーアルバムとなっている。

スライムが擬人化したのがこのぷにるというキャラクターなのですが、その変態能力をもって自身の"かわいさ"を発信していく物語。
〇 詳しくはこちらから
https://puniru-anime.com/


特筆すべきは選曲の妙さ。『青と夏』や『幾億光年』などJ-POPの流行曲を抑えつつ、ボカロ創世記の名曲、ryo『メルト』にBONNIE PINKの代表曲『A Perfect Sky』が収録されている。

これも奇を衒っているのではなく、ぷにるの恋心や爽やかさを捉えたセレクトなのだ。

加えて、ぷにるを演じた篠原侑の両性的な歌いっぷりが発揮されているのが下記の2曲(A Perfect SkyのスキャットがBONNIE PINKのそれ)。

作品を補完しながら、カバーアルバムとして逸品な稀有の名盤。

ぷにる2期が、人・モノ・AIの三すくみから現代社会のアイデンティティを考察する今年屈指の素晴らしいアニメでした。全媒体の中でも最高峰のSFじゃないかと。人間の条件(ぢょうけん)というタイトルがあったり、可愛らしい見た目とは裏腹に、そのテーマの深淵さが顔を覗かせている。



11. The Horrors『Night Life』

2000年代のロックンロールリバイバルの潮流にも位置づけされる彼らだけど、バンドのアイデンティティカラーであるダークウェーブやゴス・ポストパンクさを一層進化させた仕上がり。

個人的にかなり好感触な作品なのですが、バンドの知名度とは異なって、本邦ではあまり評価されていないようにも。。

初期のガレージロックは鳴りを潜め、無機質なエレクトロの不穏さが全編に行き渡っているのがまた味わい深い。

メンバーがAnn Demeulemeesterを着用した『More Than Life』のMVが荘厳極まりないのです。




10. PLOTOLEMS 『para?anomaly』

今年特に、邦楽インディーロック界の特異点な作品として各界隈から支持を集めた作品ではないでしょうか。

評判を見てもV系やドゥーム、オルタナにシューゲイズ、コールドウェーブ等多方面にアプローチが効いている印象。

オルタナシーンに身を属しながら、その源流のひとつであるゴシック文脈を提示してみたい身なので、PLOTOLEMSは垂涎モノのバンドなのです。


『para?anomaly』(パラノーマル=超常的、アノマリー=逸脱した)のタイトルが示す通り、ジャパニーズホラーの冷気的/霊的な質感のビードが漂いながら、怪奇なムードを仕立てるスリリングなリズム隊、エッジを効かせたギターにシャウトが怪しげな形を浮かび上がらせる。

COALTAR OF THE DEEPERSやPlastic Treeあたりがお好きな人には間違いないアルバムやと思います。 

幸運なことに、PLOTOLEMSとは今年の1月に対バンできたのよね(しかもBruiseがトッパーでPLOTOLEMSがその次と連番)。また4月と9月にもライブを観たりとバンドと縁深い一年でした。来年はBruiseもEPをリリースしてまた共演したいね。



9. i am robot in proud. 『Bird at Sunrise』

ミニマル・エレクトロニカの名手による約6年半ぶりのフルアルバム。

個人的にとても好きなアーティストで、室内空間に豊かに鳴り渡る音使いはさらに洗練された印象です。

また、こうした音楽性は自身のソロ活動でも体現したいところ。メインで使用している(らしい)鍵盤 Yamaha Reface CPを持っているので、その参考アーティストとして耳にしていた節も大きい。


上半期のベストにも入れていたのですが、今年の中でもリピートした回が多かった一枚。冬〜春に聴くとまた沁みいるのよね。家事をしながらよく聴いていました。



8. Ralph Heidel 『anyways.onto better things』

ドイツ出身のサックス奏者ラルフ・ハイデルの3rd Album。ジャズと現代クラシックを掛け合わせながら、数々のコラボレーションを成しながら前衛的な音楽表現を追求している。


本作はポストロックからの影響が大きいと公言しているのですが、音楽性というより、アルバム全編を通した叙情さに現れているように感じました。


個人的には、インストナンバーのポストクラシカルさが愛おしく、haruka nakamura、小瀬村晶あたりを好まれる方にはぴったりなのではないでしょうか。



7. 零度pool 『あなたはマイナスあなたはせかい』

今年結成の無政府状態ポストシューゲイズユニット。自主レーベル〈Lade Pool Records〉の設立や、各所のライブ出演に複数枚のアルバムリリースなど怒涛のペースで活動中。

結成当初から楽曲を愛聴している中、今回は3rd Albumのこちらを選出。

ブレインの木田昨年氏にいわく、本作は華やかさをイメージされたとのことで、これまでのモノクロームな世界からより外への広がりを思う。


それまでより色使いがポップになった、ポストクラシカルやエレクトロニカな世界観が彩られて、空想と日常の行き来をステップする言語感覚がより鮮明になった印象。


これから飛躍されること間違いなしなアーティストではないかなと。来年以降のリリースやライブも観に行きたいですね。


6. Quadeca 『Vanisher, Horizon Scraper』

フォークトロニカ調のトラックにクラウドラップが乗るベッドルームサウンドから「個人という居場所の喪失」について考えてしまったアルバムでした。


情景/風景の広がりを思うけれど、部屋の窓から外を見た感じというか。踏み込んで言うと、自分すら風景化している節すら感じられる。


ポスト・インターネットミュージックが写し出す、情動過多な世界に対するアンチテーゼが、内省なる情緒に現れた"静かなる反抗"の形なのかもしれない。

I'll be there when no one is, no questions asked (誰もいないときでも私はそこにいる、何も聞かれずに)

『NO QUESTION ASKED』より



5. Franz Ferdinand 『THE HUMAN FEAR』

2000年代の音楽ムーヴメント<ロックンロール・リバイバル>の一翼を担いながら、今なお精力的に活動中のFranz Ferdinand。

近年では、アニメ『サイバーパンク・エッジランナーズ』にThis Fffireが使用されたのも記憶に新しい彼らがリリースした渾身の一作。


紛うことなき最高傑作だと思います。
初期のガレージロックさから、中期のアートポップやシンセポップ、エレクトロ要素を渡り歩いてきた表現を高次元でミックスさせた新作となっている。

変わらずの道化さや喜劇っぽさが小洒落た叔父様感を醸しだしているのもポイント高し。

ついこの前にも、来日公演が大盛況を果たしたのが記憶に新しい。

Paradise Kissの主題歌陣、OPがTommy February6『Lonely in Gorgeous』、EDはFranz Ferdinand『Do you want to』というね。当時のノイタミナのハイセンスさを思う起用。

Pulpの項目でも少し書きましたが、ウィットに富んだダンディズムな音楽性だからこその格好良さを思います。そういう年頃になったのかな。。こういう音楽、日本でももっと流行ってほしいよね。



4. ある49日と私 『美しい傷』

東京を中心に活動しているオルナタティブバンド。本作は1st Albumであり、バンド名に由来する9月14日にリリースされた。


今年一の美しさを抱いたアルバムでした。
ポスト・マスロック/シューゲイズひしめく本邦のインディーバンドシーンにおいて、既に形骸された幻想や浮遊ではなく、隣人愛・生活、何気のない日常に木漏れ日が差し込む瞬間に、眼差しを向ける優しさに感涙。

また、レコーディング、映像にアートワーク、グッズ展開など、活動の殆どを自主制作されているバンドのDIYな精神が体現するように、現行シーンを懐疑する視座をもって、オルタナティブにおける反主流・インディーズの意義を問いかけるようにも聴こえました。

アルバムの全貌については、バンドの祖であるvo. gt.のカガミツキさんがアルバムの解説noteを掲載されているので、こちらをぜひ。


Bruiseでは3月と5月に共演、4月にはライブを観に行ったりと、今年とても刺激を受けたバンド(前述したPLOTOLEMSも同日でしたね◎)。

また11月には、カガさんと一緒に遊んだり。
ふたりで秋の多摩川を眺めながら、音楽のみならず、お互いの死生観から他愛もない話まで、本当に思い出深い一日だった。


祈る手は、崇拝や願望を思う為のみならず、愛するものへ差し伸べる行為の実存性、そこに生が宿るのだと。

痛みが蔓延る世界だけど、今の傷を明日は美しく思えるように。




3. 星野源 『Gen』

日本を代表するポップスター・星野源が約6年ぶりにリリースした新作アルバム。
あまりに活躍が目覚しかった制作期間が溢れんばかりに飛び出した、間違いなく今年を代表する珠玉の一枚。

しっかり大衆にも対するアプローチを仕掛けながらも、これまで以上に星野源が蓄えてきた多彩&深淵な自身の音楽造詣をそのまま映し出した印象。

リリースされて半年以上が経ちますが、彼のパーソナルさ・自然体な姿が表れているが故に、星野源という人間の凄みが輪郭を増している。


また、誰の手も届かない諦観の地面を見つめる歌詞の凄まじさに最早恐怖すらは覚えてしまった。

どれほどの物事や思考と対峙してきたのだろうか。もはや想像すら絶する。




2. Kmoe 『K1』

新世代トラックメイカーのkmoeが満を持してリリースした1st Full Album。ジャンルを悠々と躍動する柔軟なバランス感覚は聴く者を浮遊させる。

今年ずば抜けて愛聴している1枚。ノイズでファジー、かなり音割れした音使いが特徴ながらもメロディーは甘美なポップスという。


洗練されたエレクトロさがありながらも荒らさも確かに見える。不全な完成形と呼称できるのかもしれません。

クラブ・バンド好き双方にアプローチが刺さるジャンルレスな存在だと思います。これからが本当に楽しみ。




1. 『ワンス・アポン・ア・塊魂』 オリジナルサウンドトラック

物を巻き込んで大きくしていくシンプルなゲーム性と、色彩豊かなシュール・ナンセンスの世界観でユーザーを楽しませてきた塊魂。今アルバムは、ハード機として約14年振りとなる完全新作のサウンドトラック。

Future Bass、演歌、フォーク、ラウンジ、ボーイソプラノetc.なんでもござれ、一つの作品にこれだけバラエティ豊かな音楽ジャンルが詰め込まれながら、塊魂の寛容さによって世界観が統一されている尋常のなさ。

これまで以上にハイクオリティかつ、現代にアップデートされた刷新性の高さは未だ健在いや、過去作の比ではないのかもしれない。

素敵アーティストの豪華さ


お祭り感満載な収録曲、多面に歌われる人間賛歌に励まされた意味も含めて、この位置にいれました。

愉快さに転がされたい。そんな時間も、悪くないよね。




おわりに


こう振り返ると、今年の音楽テーマは「ロマンチシズムと、祝福のあり方」と「オルタナティブの再確認」だったかなと。

現代社会の情報過多さ、そこから生まれる行き場のない息苦しさが象徴な美を求めてしまう。さらに、自身の反体制的なアティチュードの価値観を問い直されたことを、こう今年聴いたアルバムを改めて聴くと思います。

本ブログのおまけとして、各アルバムからお気に入りの楽曲を1曲ずつチョイスしたプレイリストを作りました。
ぜひ、こちらから各アルバムへアクセスしてもらえると嬉しいです。

▽ Apple music ─────

▽ Spotify ─────


今年もよき音楽との巡り会い豊かな一年でした。来年以降も音楽人生を謳歌できるよう舵を取っていきたいですね。

少し早いですが、皆様よいお年を。

それでは、また。

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