【ビジネス】イノベーションは「村」から生まれる ~天才より、場を作るリーダーが強い~(TED)
感動してしまった。
今日の内容は、このTED Talkのまとめと所感になります。
2014年9月か……本質的で内容が刺さった!
英語も聞き取りやすい!
天才ひとりではイノベーションは起きない
「偉大なリーダー=ビジョンを掲げ、人を動かす人」
何となくリーダーにそんなイメージを持っていないだろうか。
部下から求められるのもきっとそんな姿だろうし、正直、私自身もどこかでそう思っていた。
しかし、Harvard Business Schoolの経営学者Linda Hillが10年近くかけて世界16人のイノベーションリーダーを現地調査した結果は、真逆だった。
「イノベーションをリードすることは、ビジョンを作って、人を動かすことではない」
ほお、そうなの?それでそれで?
と聞き始めて気づいたら17分、最後まで全部いってしまった😅
イノベーションとは「集合天才」である
アインシュタインが「あ、ひらめいた!」と閃く。
そんなイメージは神話だ、と。
Pixarの映画の例。
あの美しいCGアニメーション1本を作るには、約250人が4〜5年かけて関わるそう。しかもプロセスは「きれいなフローチャート」では到底描けないようで、反復に次ぐ反復、試行錯誤、予期しない発見の連続。
たとえば映画『カールじいさんの空飛ぶ家』の、少年が鳥にチョコを渡すたった10秒のシーンを完成させるのに、一人のアニメーターが費やした時間は6ヶ月。これがイノベーションの実態だ、と。
「イノベーションはソロの天才によるものではない。集合天才(Collective Genius)によるものだ」
Collective genius……いい言葉📖👓️
イノベーティブな組織が持つ3つの力
登壇しているリンダさんの研究チームはPixar、Googleのインフラチーム、ドバイのイスラム系銀行、韓国の高級ブランド、アフリカのソーシャルエンタープライズなど、多様な組織を横断して分析した。
そして、イノベーティブな組織には共通して3つの能力があることを発見。
1.Creative Abrasion(創造的摩擦)
議論と対話を通じて、アイデアの「市場」を作る力
これはブレインストーミングではなく、批判を我慢して「いいね!」と言うのではなく、熱く、でも建設的な議論を通じてアイデアの選択肢を広げていく。
Abrasionは、摩擦とか擦り傷、浸食などの意味。
イノベーションには、ぶつかり合いやこすり合うことが必要だ、と。
なので、意見の違いを「最小化」するのではなく「増幅」させるらしい。
イノベーションは、多様性と衝突がなければほとんど起きない。
2.Creative Agility(創造的機動力)
試して、振り返って、素早く調整していく力
重要なのは「実験」と「パイロット=試験」の違い。
☆ 実験:学ぶことが目的。失敗しても得るものがある。
☆ パイロット=試験:正しさを証明することが目的。失敗すると誰かのせいになる。
※失敗が『誰かのせい』になる緊張感……だからこそ一人一人が本気になる。そこから新しいモノが生まれるそう。これは納得!
イノベーティブな組織は、計画してから動くのではなく、動きながら未来を発見していくそう。
例として、Googleのインフラチームがまさにそうだった。
GmailやYouTubeのデータ基盤の刷新という課題に対し、上からチームを指定するのではなく、「Big Table」と「Build It From Scratch」という2つのチームが自発的に生まれ、それぞれのアプローチで並走させたそう。
あるエンジニアは当初「非効率だ」と反発したが、最後にこう語る。
「もし無理やり一つのチームにまとめていたら、私たちは『誰が正しいか』の証明に熱中していただろう。Googleにとって何がベストかを学ぶのではなく」
3.Creative Resolution(創造的統合)
対立するアイデアでさえ組み合わせ、新しい解を生み出す意思決定の力
イノベーティブな組織は、「どちらか一方」(either/or)ではなく、「両方」(both/and) の解を探す。
妥協もしないし、多数決でもない。
ボスだろうが専門家だろうが、一人が支配することを許さない。
すごいなぁ…
より時間はかかるが、より包括的な意思決定プロセスで、本当に新しくて有用な答えを導くそう。
リーダーの役割は「舞台に立つ」ことではなく「舞台を作る」こと
Linda Hillが取材したあるリーダーはこう語ったそう。
「リーダーシップの本を読まないよ。読むと自己嫌悪に陥るから笑 大体、第一章に『ビジョンを作れ』って書いてある。でも本当に新しいことをやろうとしているとき、私には答えなんてない。どこへ向かうかも、どうやって辿り着くかも、わからない」
Pixarのリーダーたちが語るリーダーシップの定義は、
「リーダーシップとは、人々が属したいと思える世界を作ること」
彼らがエネルギーを注ぐのは、ビジョンの策定ではない。
う……痛い……
どうすれば人々が自然と交わる空間を設計できるか
どんなレベルや役職の人でも、監督に意見を伝えられるか
少数意見を持つ人たちの声をどう拾い上げるか
どうすれば「クレジット(功績)」を寛大に分け合えるか
ちなみに、Pixar映画のエンドロールには、制作中に生まれた赤ちゃんの名前も載るらしい。それくらい、一人ひとりの存在を大切にしているという側面もある。
「村」を作るリーダーになれ
Googleのインフラ責任者Bill Coughranはこう言った。
「私が率いているのはボランティア組織だ。才能ある人は、私についてくるのではなく、私と一緒に未来を共創したいんだ。私の仕事は、ボトムアップを育て、それがカオスに堕ちないようにすること」
「私はロールモデルであり、人と人をつなぐ接着剤であり、視点を集めるアグリゲーター(集約する人、まとめ役)だ。決して視点の独裁者ではない」
まとめ
「ビジョンを作って示す」ではなく、「人が集まる「場」を作る」
「指示を出す」のではなく、「問いを投げかける」
「正解を持っている」ではなく、「あえて曖昧にする勇気を持つ」
「自分が舞台に立つ」ではなく、「舞台を設計する 」
イノベーションは天才が起こすのではなく、
村のような場所を作り、摩擦を歓迎し、失敗から学ぶ文化が起こす。
自分の組織に、そんな「村」が作れているだろうか、考えさせられた。
参考:Linda Hill "How to manage for collective creativity" TED Talk
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