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hiiro_archive153
我が家には開かずの窓がある
我が家には、開かずの窓がある。
外からは見えるその窓は、開けられない。
なぜだろう。外から見ると、どこにでもある普通の窓なのに。
なぜなら、その窓がある位置は……壁の中である。
何度か増改築が施されている我が家は、こういうふうに謎な物がよくある。
風呂の裏側に開かずの扉。二階には謎の棚。扉を移動した痕跡。
キッチンには謎の柱がそびえ立っている。元々どういう作りだったのだろう。
ツッコミどころが満載。それが我が家だ。
ツッコミどころが満載の我が家にもいい所はある。景観は最高。
眺めが良い。夏には花火、晴れた日は海も山も見渡せる。
ベランダは広く、ガーデンテーブルでも置けそうだ。
この家を中古で購入して五年目。ツッコむのも、もう慣れてきた。
ツッコミどころがもはや『当たり前』の顔をして家に鎮座している。
書斎の砂壁がひび割れている気がするけれど、見なかったことにしている。
たぶん、全面リノベーションでもしない限り、我が家からはツッコミどころは退散してはくれないだろう。
それと同居している。もう日常の一部だ。
しかし、二階に据え付けてある棚の使い道が、まだ見つからない。
本棚にするには小さいのだ。では、何を入れよう。そもそも何のためにあるのか。
息子が中学生になる頃には二階の息子エリアにもエアコンを増設することになるだろう。
そして、彼も気づいていくだろう。この家最大のツッコミどころに。
『なんで二階は全部屋ぶち抜かれているのですか?』
そう思う日が来るだろう。
そんな魔改造が施された我が家が、何故か安心する。
ずれているからこそ、得られる栄養と安心感が、この家には存在するのだ。
たぶんこの家から『ズレ』がなくなったら、たまらなくつまらないだろう。

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