あの日、君は風車で遊んでいた
毎年、11月になると思い出す。
今は10歳になった息子の七五三のドタバタした思い出を。
七五三はたいてい数え年でするものだと思ってそのつもりでいたが……。
うちの息子は発達が遅く4歳(保育園年少)の頃にやるには難しく、満年齢で5歳(保育園年中)の時に七五三をすることにした。
当時はコロナ禍真っ最中。行事もほぼなく、息子も神社でご祈祷を受けるのはほぼ初めてだったような気がする。
初めてのことをするのに抵抗がある息子。
写真館で袴を借りるのはとてもじゃないが無理だろう……と思い前年に親戚の結婚式用に購入した子供用スーツで臨むことに。
多分家からスーツを着ていくのも無理だと判断し、急遽神社で着替えさせる。
その時、何かの違和感を感じていたのか渋り、機嫌がとたんに悪くなる。
ドーン、ドーンと本殿から太鼓の音がする。
はっと警戒し身構え、今にも泣き出しそうな息子に大丈夫だろうか……と心配する私たち夫婦。
なんとかなだめ、何人かの一緒にご祈祷を受けるご家族と一緒に本殿へ入る。
息子の警戒は限界だったようで、ご祈祷が始まった瞬間に泣き出し床に転がってしまった。
(ちなみにお宮参りの時は爆睡していた)
――やはり難しかったか……。
そう思いつつなだめ、なんとか息子は最後まで頑張った。
最後に千歳飴とおもちゃの風車をもらう頃には既に笑顔が戻ってきていた。
そして、手にした風車で遊んでいた。
神社の境内で撮った記念写真にはマイペースで風車で遊んだり、ときには仏頂面をしている息子の写真が残っている。
それから5年。
10歳の小学生になった息子は今日も元気に色々なことにチャレンジできる子になった。
発達の特性上、今でも初めてのところはとても苦手だ。
気にしいで緊張しい。人前もとても苦手。
それが今は友達がやっているのを先に見たりすることでチャレンジができるようになったのだ。
七五三という人生初めての大チャレンジから5年。
確実にこの子は成長しているなと小学生になった今、私は横にいる彼を微笑ましく見ている。
(830字)
凜花さんの11月エッセイに寄稿いたします。
よろしくお願いします。
(※取り急ぎ、先月の記事埋めてます。記事後で埋め込みます!)
プロフィール
凪砂 いる(なぎさ いる)
会社勤めの傍ら、コーヒー片手に言葉を紡いでいる物書き。
飲み物片手に読めるエッセイ✕創作を発信中。

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