看護師転職|求人比較の基本7項目
夜勤明けの帰り道、スマートフォンで求人を開いて、給与総額の数字だけを見て閉じる。気になる求人は保存しているのに、どれも決め手がなくて応募まで進めない。そんな状態が何か月も続いていませんか。
比較できないのは、あなたの決断力が足りないからではありません。求人票のどこを、どの順番で見ればよいのかを教わる機会がほとんどないからです。給与総額と「日勤のみ」という言葉だけでは、入職後の生活は予測できません。
この記事では、看護師求人を比較するときに確認したい内容を、7つの大項目にまとめました。元になる確認点は12個ありますが、関連するものを一緒に見ることで、覚えやすく、実際の比較にも使いやすい形にしています。
読み終えたら、保存している求人を2件だけ開き、同じ物差しで比べてみてください。全部を覚える必要はありません。書かれていない項目が見つかったら、それがそのまま問い合わせや面接で使う質問になります。
この記事で分かる7項目
No.項目確認するポイント1基本給と給与総額内訳と全国平均との比較2固定残業代と各種手当時間数・単価・オンコール手当3賞与、昇給、退職金直近実績と算定基礎4年間休日と有給休暇週休形態と取得実績5夜勤体制と残業の数え方交代制・回数・残業の定義6業務内容と就業場所の変更範囲2024年4月改正で追加された項目7試用期間と契約更新条件差と更新基準
求人票は制度を確認する入口
最初に、求人票で分かることと、分からないことを分けておきます。求人票を丁寧に読んでも、職場の人間関係や病棟の雰囲気までは判断できません。実際の空気は、見学や面接、そこで働く人の話を通して確認する必要があります。
一方で、給与の内訳、夜勤の回数、休日数、試用期間、異動の範囲といった制度は、応募前に確認できます。制度として示せる情報を先に比べておけば、見学や面接では求人票に書かれていない運用へ集中できます。
順番は、**まず求人票で制度を確認する。次に、空欄を質問に変える。最後に、見学や面接で実際の運用を確かめる。**この3段階です。
2024年4月から確認できる情報が増えた
2024年4月1日から、募集時に明示する労働条件として、従事すべき業務の変更の範囲、就業場所の変更の範囲、有期契約を更新する場合の基準と更新上限などが追加されました。労働契約を結ぶ段階の労働条件明示ルールも改正され、モデル労働条件通知書の様式も更新されています。
以前なら、入職後に部署が変わる可能性や、系列施設へ異動する範囲は、こちらから聞かなければ分からないことがありました。現在は、募集時や契約時に確認できる情報が増えています。
そのため、2024年4月以降の求人票では、変更の範囲が書かれているかが確認点になります。ただし、求人票の検索一覧は表示項目が限られます。検索結果にないだけで危険な求人と決めず、詳しい募集要項や施設の採用ページまで開いて確認してください。
比較の基本7項目
ここからは、7項目をひとつずつ見ていきます。それぞれの終わりに、求人票に書かれていないときにそのまま使える質問を添えています。
1.基本給と給与総額
最初に見るのは、給与総額だけではなく基本給です。基本給と手当を分けて見ることで、同じ月給に見える2つの求人の違いが分かります。
賞与が「基本給の何か月分」という設計なら、基本給が低いほど賞与額も小さくなります。退職金についても、基本給や等級、勤続年数などを使って計算する職場があります。ただし、賞与や退職金の計算方法は施設ごとに異なり、すべてが基本給だけで決まるわけではありません。求人票と就業規則、内定後の労働条件通知書で個別に確認する必要があります。
日本看護協会の2025年看護職員実態調査では、正規雇用・フルタイムの看護師の平均基本給は281,600円、平均税込給与総額は393,241円でした。看護師の非管理職に限ると、平均基本給は259,878円、平均税込給与総額は363,315円です。非管理職の平均年齢は39.9歳、平均通算経験年数は16.4年でした。
この数字は全国の個人に当てはまる基準額ではありません。年齢、経験年数、地域、夜勤回数、職位が違えば給与も変わります。平均より高いか低いかだけで判断せず、差が生まれている理由を確認するための目安として使ってください。
給与総額を見るときは、何が含まれているかも確認します。基本給、夜勤手当、住宅手当、資格手当、固定残業代などがすべて含まれたモデル月収なのか、それとも夜勤に入らない月でも受け取れる金額なのかで意味が変わります。
日本看護協会の同じ調査では、勤務先別の平均税込給与総額は次のとおりです。
勤務先平均税込給与総額病院396,127円診療所371,065円訪問看護ステーション353,441円介護施設364,445円
ただし、これをそのまま職場タイプの優劣には使えません。回答者の平均年齢は病院43.2歳、訪問看護ステーション49.3歳など、集団の構成が違うからです。平均値は相場感を見る材料にとどめ、最終判断は自分に提示される基本給と手当で行います。
書かれていないときの質問 「記載されている月給のうち、基本給はいくらですか。月給には何回分の夜勤手当が含まれていますか」
2.固定残業代と各種手当
固定残業代、いわゆるみなし残業が含まれる場合、求人票では固定残業代を除いた基本給、対象となる時間数と金額などの計算方法、設定時間を超えた時間外労働などに追加の割増賃金を支払うことを確認します。
たとえば、月給35万円という求人が2つあったとします。一方は固定残業代なし、もう一方は30時間分の固定残業代5万円を含む求人です。金額は同じでも、給与の構造はまったく違います。
ここで注意したいのは、固定残業代が30時間分あるからといって、実際に毎月30時間の残業が必ず発生するとは限らないことです。固定残業時間は、あらかじめ何時間分の割増賃金を含めて支払うかを示す制度上の数字です。実際の残業時間とは別に確認し、設定時間を超えた分が追加支給されるかも見ます。
看護師は手当の種類が多いため、夜勤手当は1回あたりの金額まで分けてください。求人票の月給に夜勤4回分が含まれているなら、日勤のみへ変わったときの収入は、表示された月給より低くなります。夜勤を減らしたい人ほど、総額より1回分の単価を見た方が、転職後の生活費を計算しやすくなります。
訪問看護では、オンコール手当を待機、電話対応、緊急訪問に分けて確認します。日本看護協会の2024年度看護職員の賃金に関する実態調査では、手当がある事業所の平均額は次のとおりでした。
対応内容平均額手当0円の事業所待機のみ1晩2,353円-電話対応1回2,287円29.3%緊急訪問1回3,527円16.6%
「オンコールあり」という一言だけでは、どの行動に手当が付くのかまでは分かりません。
住宅手当や家族手当にも支給条件があります。全員が対象なのか、世帯主だけなのか、賃貸契約の名義が必要なのかを確認します。求人票のモデル月収に入っていても、自分は対象外ということがあるためです。
書かれていないときの質問 「固定残業代の有無と、ある場合は何時間分でいくらかを教えてください。夜勤手当は1回いくらですか」
3.賞与、昇給、退職金
賞与は「年2回」だけでは比較できません。直近の支給実績、算定の基礎、初年度の扱いを確認してください。
たとえば「賞与4か月」と書かれていても、基本給だけを基礎にするのか、一部の手当も含むのかで金額が変わります。期の途中で入職すると在籍月数で按分され、初年度は満額にならないこともあります。年収を比較するときは、通常年度と入職初年度を分けて計算する方が安全です。
昇給も「年1回」だけでは、金額が分かりません。昇給実績が一律なのか、人事評価によるのか、毎年必ず上がるのかを確認します。求人票で分からなければ、面接で前年度の一般的な昇給実績を聞いて構いません。
退職金は制度の有無だけでなく、支給対象となる勤続年数を見ます。勤続3年以上を条件にするなど、短期間では対象にならない職場もあります。長く働く可能性があるなら、計算方法や企業年金の有無まで確認すると、月給だけでは見えない差が分かります。
基本給が低く手当が多い求人は、毎月の総額が高く見えても、賞与や退職金の設計によって長期の収入が伸びにくい場合があります。反対に、月給総額は少し低くても、基本給が高く、賞与や退職金が明確な求人もあります。月収だけでなく、1年後と数年後の両方で比べてください。
書かれていないときの質問 「賞与の直近実績と算定の基礎、中途入職した初年度の扱いを教えてください。退職金は何年以上から対象ですか」
4.年間休日と有給休暇
休みは「多そう」「取りやすそう」という印象ではなく、年間休日数と週休形態で確認します。まず、現職の年間休日数を給与明細や就業規則で調べ、候補の求人と並べてください。
4週8休と完全週休2日制は同じではありません。4週8休は、4週間に8日の休みを配置する仕組みです。休みの総数が近くても、連休の作りやすさやシフトの並び方は異なります。
年間休日に夏季休暇や年末年始休暇が含まれるのか、それとは別に付与されるのかも確認します。祝日が休みになるのか、祝日分を別日に振り替えるのか、病院とクリニックでも運用が変わります。
有給休暇は、付与日数より取得実績を見ます。法定の年次有給休暇は条件を満たせば付与されるため、求人ごとの差が出やすいのは、実際に何日取得できているか、希望日に取りやすいかです。
2019年4月から、**年10日以上の年次有給休暇を付与される労働者について、使用者は年5日を取得させる義務があります。**したがって、平均取得日数が5日前後であれば、最低限の取得に近い可能性があります。ただし、平均が10日を超えているからといって、自分が希望どおり取れるとまでは断定できません。平均取得日数、取得率、希望日の通りやすさを分けて確認してください。
日本看護協会の2025年調査では、有休を希望どおり取得できるかという質問に「できる」が19.9パーセント、「ある程度できる」が44.7パーセントでした。制度があることと、希望に合わせて使えることは別です。
希望休が月に何日出せるか、連続休暇は何日まで相談できるか、有休と希望休が別枠かも聞いておくと、転職後の生活を想像しやすくなります。
書かれていないときの質問 「年間休日に夏季休暇と年末年始休暇は含まれますか。昨年度の有給休暇の平均取得日数と取得率を教えてください」
5.夜勤体制と残業の数え方
夜勤は「あり」「なし」だけで判断しないでください。負担は、交代制、拘束時間、月の回数、仮眠、明けの翌日の扱いで変わります。
日本看護協会の2025年調査で、病院勤務、正規雇用、フルタイム、非管理職に限ると、交代制の内訳は次のとおりでした。
交代制割合3交代・変則3交代の合計12.9%2交代(16時間以上と16時間未満の合計)51.5%
夜勤回数の分布は次のとおりです。
最も多い回数平均2交代月5回(26.9%)、次いで月4回(25.8%)4.7回3交代月8回(30.2%)、次いで9〜10回(24.4%)8.2回
平均回数は、自分の希望を決める参考に使います。「夜勤を減らしたい」では比較できません。「2交代で月4回以下」「16時間以上の夜勤は避けたい」「明けの翌日は原則休み」と具体化すると、求人を絞りやすくなります。
残業時間も数字だけでは足りません。確認したいのは、何を残業として数えているかです。始業前の情報収集、委員会、勉強会、研修、勤務終了後の記録が、労働時間として扱われているかを見ます。
求人票に「残業月平均5時間」と書かれていても、毎日の情報収集30分が集計されていなければ、実際の拘束時間との間に差が生まれます。残業代を何分単位で計算しているかも確認してください。
固定残業代がある場合は、制度上の固定時間と実際の月平均残業時間を分けて聞きます。設定時間より実際の残業が少なくても固定残業代を減らすことは通常できず、反対に設定時間を超えれば超過分の支払いが必要です。求人票の時間数だけから、現場の忙しさを推測しないことが大切です。
書かれていないときの質問 「夜勤は月平均何回ですか。明けの翌日は原則公休ですか。始業前の情報収集と委員会活動は時間外として扱われますか」
6.業務内容と就業場所の変更範囲
2024年4月から、募集時に確認したい項目として重要になったのが、業務内容と就業場所の変更の範囲です。
業務内容の変更の範囲は、入職直後に担当する仕事だけでなく、将来の配置転換で変わる可能性がある仕事の範囲を示します。「病棟看護業務」と「法人の定めるすべての業務」では、入職後に任される可能性の広さが違います。
急性期を離れたくて回復期へ転職しても、変更の範囲が広ければ、別部署や系列施設へ異動する可能性があります。広いこと自体が悪いわけではありません。キャリアの選択肢が増えると考える人もいます。大切なのは、知らないまま入職しないことです。
就業場所の変更の範囲は、転勤や系列施設への異動の可能性を見る項目です。法人が複数の病院、クリニック、介護施設を運営している場合は、地理的にどこまでが対象になるのかを確認します。
通勤を短くしたくて転職するなら、就業場所の範囲は給与と同じくらい重要です。制度上は異動可能でも、実際には本人の希望がなければほとんど動かない職場もあります。求人票の制度と、過去の異動実績の両方を聞いてください。
配属先が「採用後に決定」とされている場合も、応募前に候補部署と決定時期を確認します。希望する診療科で働けると思って応募し、内定後に別部署と分かる事態を避けるためです。
書かれていないときの質問 「業務内容と就業場所の変更範囲を教えてください。系列施設への異動実績と、本人の希望がどの程度考慮されるかも確認したいです」
7.試用期間と契約更新
最後は雇用の枠組みです。試用期間の有無、期間の長さ、その間の給与や手当に差があるかを確認します。
試用期間中は基本給が下がる、特定の手当が付かない、賞与の算定期間に含まれないといった設計もあります。試用期間があること自体は珍しくありませんが、正式採用後との条件差が分からないまま入職するのは避けたいところです。
有期契約の場合は、契約期間、更新の基準、通算契約期間または更新回数の上限を見ます。2024年4月から、更新上限がある場合はその内容を募集時に明示する事項が追加されています。
「契約更新の可能性あり」という言葉だけでは、どのような条件で更新されるかが分かりません。勤務成績、能力、施設の経営状況、業務量など、判断基準を確認してください。正社員登用ありと書かれている場合は、過去の登用実績と平均期間を聞くと、制度が実際に使われているかが見えます。
内定が出たら、口頭の説明だけで決めず、労働条件通知書などの書面を受け取って求人票と突き合わせます。**募集時に示された条件と事実が異なる場合、労働基準法第15条にもとづき、労働者が労働契約を即時に解除できる場合があります。**条件に疑問があれば、署名や入職前に確認してください。
書かれていないときの質問 「試用期間中に給与、手当、配属条件の違いはありますか。有期契約の場合、更新基準と更新上限を教えてください」
職場タイプで優先順位を変える
7項目はすべての求人に使えますが、最初に見る項目は応募先によって変えた方が効率的です。
職場タイプ優先して見る項目病院夜勤体制・残業の数え方・年間休日クリニック休日の内訳・賞与と退職金・業務範囲訪問看護オンコール手当と当番回数・移動手段・同行期間介護施設夜間の看護職配置・オンコール・医師への連絡体制
病院では、同じ月5回の夜勤でも、2交代か3交代か、16時間夜勤か、明けの翌日が休みかによって疲労の残り方が変わります。クリニックでは、日勤のみでも土曜日が半日勤務なら、生活上の休み方は完全週休2日と異なります。少人数の職場では、受付や検査補助などをどこまで担当するのかも確認します。訪問看護では、待機、電話、訪問のどこに手当が付くかを分け、社用車、ガソリン代、駐車場代の扱いも確認します。介護施設では、夜勤がないという表示でも、夜間待機があれば生活への影響は残ります。
7項目で2件を比べる手順
項目を知っても、比較の形にしなければ使えません。まず、保存している求人から2件だけ選んでください。3件以上を同時に比べると、情報が増えて決めにくくなるためです。
1つ目の求人について、7項目を上から埋めます。次に、2つ目も同じ順番で埋めます。求人票だけで全部埋まることは少ないので、空欄が出るのは正常です。空欄は、そのまま質問リストにします。
比較するときは、**月給総額の前に負荷を並べてください。**夜勤回数、実際の拘束時間、年間休日、通勤時間、オンコールの有無を見ます。その後に、基本給、手当、賞与を含めた収入を比べます。なぜこの順番かというと、転職を考え始めた理由が勤務負荷にある場合、給与だけで選ぶと、辞めたかった原因が次の職場にも残るからです。
例として、急性期病院で2交代、夜勤月5回、残業が多い看護師が3つの求人を見る場面を考えます。
求人月給夜勤特徴A病院高い月5回業務の変更範囲が広いBクリニック下がるなし(日勤のみ)土曜日は半日勤務C訪問看護Bより低いオンコール分散待機・電話・緊急訪問で手当が分かれる
月給だけならAが魅力的に見えます。夜勤と拘束時間なら、BやCが候補になるかもしれません。どれが正解かは、譲れない条件によって変わります。大切なのは、異なる仕事を同じ月給だけで並べず、負荷と収入を分けて比べることです。
求人票にない情報は質問で埋める
求人票を7項目で読んでも、教育体制や人員配置など、現場の運用は残ります。ここは見学や面接で確認します。
そのまま使える質問
中途入職者が独り立ちするまでの目安は何週間ですか
中途入職者のフォロー担当は決まっていますか
夜勤明けの翌日は原則公休ですか
急変時の初動と当直医への連絡体制を教えてください
欠員が出たときの応援体制は固定ですか、その都度ですか
有休は昨年度、平均で何日取得されていますか
始業前の情報収集は労働時間として扱われますか
試用期間中に給与や配属条件の違いはありますか
「残業はありますか」「雰囲気はよいですか」と抽象的に聞くと、答えも抽象的になります。誰が、いつ、どのように運用しているかが分かる質問に変えると、回答の具体性そのものが判断材料になります。
よくある3つの誤解
看護師は人手不足だから、どこへ転職しても今よりよくなる — 厚生労働省の資料では、2024年の保健師、助産師、看護師の有効求人倍率は全国で2.06倍でした。ただし、都道府県別では愛知県2.97倍から高知県1.34倍まで差があります。求人が多いことと、自分に合う条件が多いことは別です。
夜勤をなくせば問題がすべて解決する — 負担は夜勤回数だけでなく、仮眠、明けの翌日、前後の残業、手当への納得感にも分かれています。日勤のみへ変わって収入が下がり、受け持ちや通勤で別の負担が増えることもあります。
転職すると看護師としてのキャリアが途切れる — 日本看護協会の2025年調査では、転職経験がある人は50.9パーセントでした。転職経験者がこれまでに所属した勤務先数は平均3.1か所です。また、看護職として働き続けたいという問いに「とてもそう思う」18.5パーセント、「ややそう思う」44.4パーセントで、合計62.9パーセントが肯定的でした。
看護そのものを辞めたいのではなく、現在の働き方を変えたい人は珍しくありません。転職回数だけで自分を責めるのではなく、次の職場で何を変えたいのかを7項目に落とし込む方が、判断に役立ちます。
情報収集の入口は1つではない
看護師の転職活動は、民間の転職サイトだけで行われているわけではありません。日本看護協会の2025年調査で、直近の転職先に就職したきっかけは次のとおりでした(複数回答)。
きっかけ割合友人・知人からの紹介31.0%転職先のホームページ21.3%ハローワーク14.6%民間の職業紹介事業者12.4%ナースセンター9.0%民間の就職・求人情報サイト7.9%
知人紹介は内部情報を得やすい反面、紹介者の主観が混ざり、断りにくくなることがあります。施設の採用ページは直接確認できますが、他施設との比較は自分で行う必要があります。転職サービスは条件整理や日程調整を頼めますが、担当者からの連絡頻度が合わないこともあります。
1つの入口だけで決めず、同じ施設を採用ページ、求人票、紹介者の話など複数の情報で照合してください。どの経路で知った求人でも、最後は労働条件通知書で確認します。
体調が悪いときは比較より先に確認することがある
夜勤や残業に加えて、眠れない、食事が取れない、涙が出る、出勤前に動悸がするなど、心身の不調が続いている場合は、**求人比較より先に受診や休職制度を確認してください。**転職は働き方を変える手段ですが、治療そのものではありません。
私自身、看護師として9年働くなかで、夜勤で体調を崩して転職した経験があります。体調が落ちているときは、普段ならできる条件比較でも負担が大きくなります。すぐ辞めるか、我慢するかの2択にせず、受診、記録、就業規則の確認、相談という順番を持っておくことが大切です。
業務外の病気やけがで働けず、休業中に十分な報酬を受けられない場合、健康保険の傷病手当金が支給されることがあります。連続する3日間の待期の後、4日目以降の働けなかった日が対象で、支給期間は支給開始日から通算1年6か月です。
退職後も必ず受け取れるわけではありません。資格喪失前日までに被保険者期間が継続して1年以上あり、資格喪失前日にすでに受給中または受けられる状態であることなどの条件があります。辞める前に、加入している健康保険、勤務先、医療機関へ確認してください。
今日、今週、今月にやること
タイミングやること今日保存している求人を2件だけ選び、7項目のうち書かれているものと空欄を分ける(10分程度)今週空欄を質問文へ変える(例:「業務内容の変更範囲はどこまでですか」)今月条件がよい方の施設について、見学を申し込むか、書面で条件確認を依頼する
最初の一歩は、転職サイトへの登録でも、退職の申し出でもありません。手元にある求人を、同じ物差しで並べることです。
保存している求人を2件開き、7項目のうちいくつ埋まるか数えてみてください。埋まらなかった項目が、次に確認する質問になります。
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参考資料
厚生労働省「令和6年4月から労働条件明示のルールが改正されます」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32105.html
厚生労働省「令和6年4月より、募集時等に明示すべき事項が追加されます」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/haken-shoukai/r0604anteisokukaisei1.html
厚生労働省「固定残業代制を採用する場合の明示事項」 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000184068.pdf
厚生労働省「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」 https://www.mhlw.go.jp/content/000463186.pdf
厚生労働省「看護を取り巻く現状について」 https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001689160.pdf
日本看護協会「2025年看護職員実態調査報告書」 https://www.nurse.or.jp/nursing/assets/103.pdf
日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査報告書」 https://www.nurse.or.jp/nursing/assets/kangochingin_report_2024.pdf
全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき」 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3040/r139/
