過去問解答例:松本歯科大学(2008年度 編入学 II 期)
注意点
※あくまで解答例のみを掲載しており、著作権その他の事情により、問題そのものに関しては掲載しておりません。
①課題文や設問の解説、答案作成プロセスに関する解説、自身で作成した答案の添削などは、コタニをなんとか探し出して(笑)直接授業を受けてください。
②この答案をそのまま予備校などで提出しても、さらに添削される可能性があります。添削者の方針というのはさまざまに存在します。ここで掲載しているのは、僕自身が普段の講義やこの講座で解説している方針をもとに作成・監修している答案です。したがって無料で提供されている解答例の類よりも信頼性の高い答案だと考えています。しかし、だからといってこの答案例を絶対的な唯一の正解だと思わないようにしてくださいね。
③「この大学の解答例がほしい」というご希望に添えるかは難しいところです。僕自身の手元に過去問が存在すれば理論上可能です。しかし、僕自身の仕事のスケジュールに左右されるでしょう。また、過去問が公表されていない大学の場合、コタニが入手できない限りはかなり難しいと思ってください。
分析
iPS細胞の作製成功に関するテーマ。再生医療の実現およびbioethicsの観点から、という設問なので、構成および展開はほぼ確定される。
2024年段階では出題される可能性はあまりないと思われるテーマ。ただ、再生医療関連で大きな成果がニュースとなった場合には、再び小論文の題材として取り上げられる可能性があるという点には注意したい。
解答例
わが国の研究者による人工多能性幹細胞の作製成功により、再生医療の実現に向けて、より研究が進歩したと言える。
まず、再生医療の観点から見ると、人工多能性幹細胞(iPS細胞)の登場により、これまで治療が困難だった疾患や障害に対する新たな可能性が開かれた。また、iPS細胞は患者自身の細胞から作製できるため、拒絶反応のリスクが低く、より安全な移植が可能になる。
その一方、生命倫理の観点からは慎重な議論が必要であると考えられる。iPS細胞は受精卵を使用せずに作製できるため、胚性幹細胞(ES細胞)に比べて倫理的問題は少ないとされるが、問題がないわけではない。例えば、iPS細胞から生殖細胞を作製する研究が進めば、生殖の概念が変わる可能性がある。また、遺伝子操作との組み合わせにより、デザイナーベビーの誕生につながる懸念もある。
さらに、iPS細胞の応用範囲が広がるにつれて、細胞の品質管理や安全性の確保といった課題も浮上してくる。これらの問題に対しては、科学者のみならず、さまざまな分野の専門家による議論が必要になるだろう。
このように、iPS細胞の発見は医学に進歩をもたらすと考えられるものの、今後新たな倫理的課題が生じる可能性もある。そこで、倫理ガイドラインを慎重に策定し、常に見直していく必要がある。科学の進歩と倫理的配慮のバランスを取りながら、この知見を活用していくことが求められると私は考える。
