ゲームマーケット2026春を振り返って。試遊があるだけで、売れ方は大きく変わる
2026年5月23日、24日に開催されたゲームマーケット2026春に出展しました。
今回のブースはエリア29。
新作としては『KUROFUDA』を中心に持ち込みつつ、『Poko Pop!』などの既存作も販売しました。また、ゲーム制作相談や、ゲーム活用に関するセミナー的な取り組みも行いました。


事前告知は、正直あまり十分にはできていませんでした。
そのぶん、当日のブースでの反応や、他の出展者さんの見せ方から学ぶことが多い出展になりました。
今回の振り返りで一番大きかった学びは、かなりシンプルです。
販売を考えるなら、試遊はかなり重要。
もう少し強く言うと、ボードゲームは「説明して買ってもらう商品」というより、体験して納得してもらう商品なのだと改めて感じました。
試遊してもらうと、購入につながりやすい
今回、正式な試遊卓を取っていたわけではありません。

ただ、売り場の一部に少しスペースを作り、簡易的に試してもらう形を取りました。
試遊してもらった数は、体感で10組ほどです。
試遊時間は、だいたい5〜10分くらいでした。
その中で特に印象的だったのが、『KUROFUDA』です。
『KUROFUDA』は、実際に遊んでもらうと、そのまま購入につながることが多くありました。もちろん正確な数値を取っていたわけではないので体感にはなりますが、試遊後の購入率はかなり高かったです。
また、『Poko Pop!』も、実際に遊んでもらうことで購入につながる場面がありました。

この経験から、改めて感じたのは、ボードゲームは口頭説明だけでは魅力が伝わりきらないということです。
どれだけ言葉で説明しても、「なるほど」で終わることがあります。
でも、実際に遊んでもらうと、
「あ、こういうことか」
「これは盛り上がるね」
「持って帰って遊びたい」
に変わる。
この差はかなり大きいです。
そのゲームの一番楽しい瞬間を短時間で体験してもらうこと
このゲームにおける、この一番おいしい部分を伝えられるかどうか。
可能な限り、短時間で「このゲーム、こういうところが面白いんだ」と伝わる方が大事です。
そのためには、今後は以下のような準備が必要だと感じました。
・1分で説明できるルール説明
・5〜10分で体験できる試遊用ルール
・遊び方が一目でわかる4コマ説明
・遊び方動画
・卓上で遊び方が伝わる展示
特に「遊び方4コマ」はかなり重要だと思っています。
文章で長く説明するのではなく、
1.何をする
2.何に迷う
3.何が起きる
4.何が楽しい
を見える形にする。

売り場では、丁寧に読んでもらうことを前提にしすぎない方がいい。
人は基本的に流し見しています。悲しいですが、自分も他のブースを見る時に全部の説明を熟読しているわけではありません。
だからこそ、見ただけで伝わる工夫が必要です。
売れているブースは、体験を展示していた
今回、他の出展者さんのブースを見ていても、学びが多くありました。
特に印象的だったのは、売れているブースは、単に商品を並べているのではなく、体験を展示しているということです。
大きな商品名。
目を引く色。
一言で気になるコピー。
遊び方がわかるパネル。
卓上に広がったカードやコンポーネント。
試遊しやすい状態。
積まれた在庫。
そういったものが組み合わさって、通りかかった人が説明を聞く前から、
「何のゲームなのか」
「どんな体験ができるのか」
「なぜ楽しそうなのか」
をある程度想像できるようになっていました。
これはかなり大事だと感じました。
ボードゲームは、箱だけ置いてあると情報が少ないです。
パッケージに興味を持ってもらうことはできますが、そこで終わってしまうこともある。
でも、卓上にカードやチップ、ボードが広がっていたり、遊び方が見えるようになっていたりすると、ゲームの中身が外に出てきます。
「これはこうやって遊ぶんだな」
「ちょっと触ってみたいな」
「楽しそうだな」
という気持ちが生まれやすくなる。
売れているブースは、その設計がとても上手でした。
自分のブースは、何を見ればいいかが少し曖昧だったかもしれない
自分のブースでは、複数の商品を並べていました。これは、いろいろな作品を見せられるという意味では良い面もあります。
ただ一方で、来場者から見ると、
「何を見ればいいのか」
「どれが主役なのか」
が少しわかりにくかった可能性があります。
作り手としては、どの商品にも思い入れがあります。
でも、売り場に立つときには、すべてを同じ熱量で見せるのではなく、主役を決めた方がよいのだと思いました。
次回は、
・主役商品を1つ決める
・その商品を中心にブース全体を設計する
・試遊導線を作る
・卓上で遊び方がわかるようにする
・売り子と試遊の役割を分ける
このあたりを意識したいです。
「いろいろあります」は、作り手側からすると便利な言葉です。
でも、買う側からすると「何を見ればいいかわからない」になりやすい。
ここはかなり反省点です。
セミナーは、すぐに売上につながるものではない
今回は、ゲーム制作に関するセミナー的な取り組みも行いました。
セミナー後に、そのまま商品がたくさん売れたかというと、そうではありませんでした。
実際には、セミナー後に「買わせてください」と言って購入してくださった方が一人いた程度です。
ただ、それでもセミナーには意味があったと感じています。
セミナーは、物販のためというより、考え方や専門性を伝えるための場です。

ゲーム制作に興味がある人。
ゲームを教育や研修、地域活性に活用したい人。
自分でも何か作ってみたい人。
そういう方に対して、自分がどのようにゲームを設計しているのか、どのように課題を遊びに変換しているのかを伝えることができる。
これは、その場の売上だけでは測りづらい価値です。
今後、セミナーをやるなら、目的を明確に分けた方がいいと感じました。
物販につなげるためのセミナーなのか。
制作相談につなげるためのセミナーなのか。
信頼形成のためのセミナーなのか。
後日問い合わせにつなげるためのセミナーなのか。
ここを混ぜると、成果が見えにくくなります。
次回に向けて
今回のゲームマーケットで見えたことをまとめると、次回に向けてやるべきことはかなり明確です。
まず、販売を考えるなら試遊導線を強化すること。
そのために、
・主役商品を決める
・1分説明を作る
・遊び方4コマを作る
・遊び方動画を作る
・卓上でプレイ中の状態が見えるようにする
このあたりを準備したいです。
まとめ
今回のゲームマーケットで一番強く感じたのは、ボードゲームは「説明して売る」よりも、体験して納得してもらう商品の側面が強いということです。
特に、短時間で楽しいところが伝わるゲームは、試遊から購入につながりやすいということ。
一方で、試遊を活かすためには、ルールのわかりやすさ、見せ方、売り場設計、スタッフの役割分担が必要です。
今回の出展は、
どうすればゲームの魅力が伝わるのか
どうすれば相談につながるのか
どうすれば次の制作や発注につながるのか
を考えるきっかけになりました。
次回は、単にゲームを並べるのではなく、
立ち止まる理由、触る理由、買う理由、相談する理由
まで設計したブースにしていきたいと思います。
今回の学びを、次の出展と、次の制作につなげていきます。
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