パチ屋へ行く
7:00のアラームで目が覚める。
カーテンの隙間から微かに溢れる日差しだけで充分に思える。
二度寝を促してくる睡魔を周りの生活音が第二の目覚ましとして俺を起こす。
今日も今日とてパチ屋へ行く。
でも普段とは違う。
普段なら抽選整理券が9:00から配布されるのだが今日は朝の7時30分からだった。
説明すると抽選整理券がパチ屋に入れる順番ってことではなくて、その整理券を持ったものが順番決めを行う抽選ができると言う二重構造になっている。
そして、僕が通うパチ屋は今日都内で1番有力店と言う情報がxで流れてるため各所からギャンブラーが集まる。
それのため朝7:30にわざわざ行かなければならない訳だ。
そして愛車であるチャリに乗り込みまだ冷える朝パチ屋へと走り出した。
パチ屋への道中に工場地帯があるため朝から工場に向かう人らを背に駆け抜けていく。
途中でカーチェイスならぬチャリチェイスのように前を走る自転車と抜き合いをした。
結局、目的地は一緒のパチ屋だった。
整理券を無事に確保したが抽選まで2時間もあるため一旦帰宅した。
家を出てから3.40分しか経ってないが行きにいた工場に向かう人らの姿はなく帰り道は登校する小学生たちで賑わっていた。
未来に溢れた小学生たちとすれ違うパチ屋のために早起きした髭面の俺がまるで光と闇を揶揄してるかのようだ。
そして帰宅をし、抽選までの1時間を今日勝つための準備時間にあてた。
まず1日中1回でも多く打つためにお昼休憩の時間をなくすべく今のうちに飯をできるだけ食べとこうとインスタントラーメンを作った。
塩ラーメンに卵だけ落とした色合いがほぼない質素なラーメンを食べながら、サイトでパチ屋の1週間のデータを見て狙い台を絞る。
いつもなら朝並ぶ人は200人いないくらいなので狙い台を何台か出しとけば大抵は座れるけど、今日は人が多すぎて抽選番号が悪くても座れるように入念にできるだけ多くの狙い台を用意した。
そんなこんなしてたら抽選の時間が近づいてたので急いでパチ屋へと向かった。
また道中で知らん人とパチ屋までチャリチェイスをした。
もう整理券を持ってるから早く行っても順番は変わらないのに。
俺もそうだがパチ屋に行くものは負けず嫌いが多いと思う。
負けた分を取り返そうとした結果、また負けて、たまに勝ったらまた勝てると思って負けて、負けたからパチ屋へ行くのウロボロス状態。
そしてパチ屋に着いたら大勢の人で溢れ返っていた。
700人以上がそこに並んでいた。
普段はほぼ見たことあるお客さんが並んでいるが今日はとにかく見たこともない人ばかりで不安な気持ちにさせてくるが、途中途中で常連客が目に入ると何故か安心した。
それから、ここ1年くらい見なくなった常連の姿もあってなんか歴史が並んでいたかのようだった。
そして抽選が始まり、ランダムに振り分けられてる機械のボタンを押すと自分の抽選番号がでてくる。
428。
俺の抽選番号は428番だった。
ここでこの抽選番号を引かなかったら、金輪際428と言う数字は目にしないであろう。
そう思わせるくらい馴染みのない数字がでてきた。
そして番号が悪すぎる。
狙い台とか以前に座れるかすら危うい。
そして開店時間が来て、1番から順に入店していく。
428番の順番が来るまでの時間がとても長く感じた。
通い詰めてる俺は店のどこにどの台があって、ここは空きやすいとか分かってるため軽快なステップで進んでいき、残り3台くらいが空いてたためギリギリ台を確保することに成功した。
しかも俺が候補にあげてた何台かある内の1台だったため申し分なかった。
そして10:05。試合が始まった。
投資8000円で当たりを引く。
そこから2時間、当たり続け気がついたらプラス40000円近くまで跳ね上がった。
これは閉店までどれだけ増やせるかの勝負だと悟り、ノリノリで打っていた。
そこから2時間。
伸び悩んだ。
だが、これは高くジャンプするためにしゃがんでる時間なので全然大丈夫だ。
そして2時間。
少しづつ減らされていく。
俺はもういつだって飛べるのに。
そして1時間。
しゃがみすぎたのか足が痺れてジャンプする次元じゃない事を悟った。
その時の俺の収支は+10000円くらい。
かなり減ったがそれでもプラスだしここでゴングがなった。
満足のいく結果ではないが負けなかったのがなにより。
そして帰ろうとしたが、ジャンプできなかったムズムズのせいで変な適当な台に座り5000円ほど打ってしまった。
結局トータル収支は+5000円で終わった。
日給換算だと時給1000円以下だがまあ勝つことに意味があるよな。
陽の沈みかかったオレンジと黒寄りの紫の入り混じった空の中帰った。
そして明日もパチ屋へ行くのである。
