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「DEEP IMPACT」(リーグ第17節・セレッソ大阪戦:2-0)

「それが強いチームのあるべき姿」

 こちらに質問に対して脇坂泰斗はそう胸を張った。
スタメンで出た11人、ベンチスタートだった5人による総力戦で掴み取った勝利だったことに対する自負だ。

「今日みたいに先発で出ているメンバーが、少し停滞している時の交代選手で結果につなげる。それが強いチームのあるべき姿。そうやって全員で勝ち点3ずつを積み重ねていく。それが今日はできたんじゃないかなと思います」

 実際、どっちに転んでもおかしくない試合だった。

その天秤を最後に動かしたのは、交代で入った選手たちだ。

 例えば、決勝弾となった85分のエリソンの得点シーン。
局面を巻き戻していくと、あれは香川真司が出したパスを鋭い読みでカットした橘田健人から始まっている。

橘田は途中交代で80分に入った直後だ。「ケント(橘田健人)は短い時間で7、8回ボールを奪っていた。頼もしいなと思います」と脇坂は、その隠れた貢献ぶりを褒め称えている。

 ゴールは、その橘田からのパスを起点に始まっている。ボールを受けたファンウェルメスケルケン際が素早く大関友翔につける。前を向いた大関が縦パスを瀬川祐輔に通す。あの瞬間、パスを刺せば、ターンしてくれるイメージが描けていたと大関は振り返る。

「一緒に自主練をしてますし、あの狭い中でターンをするのは瀬川くんがすごく取り組んでいるところでした。ここでしっかりと刺せれば、瀬川くんがターンできるイメージがありました。強く出すのを意識して少しボールが浮いてしまったんですが、いい位置に置いてくれました」

 この局面、注目すべきは瀬川がボールを受けた場所にある。
3バックの左センターバック・西尾隆矢と、左ウィングバックの髙橋仁胡の間だった。いわゆる「ポケット」と呼ばれるエリアだ。

 このプレーに至るまで、実は瀬川祐輔にはある確信があったという。
橘田健人とともに交代で入った直後のファーストプレーで、瀬川はこのポケットに入り込みながら反転してクロスを上げていたからだ。

 79分55秒の場面である。
クロス自体は逆サイドまで流れてしまったが、このワンプレーで3バックとウィングバックの間であれば、自分がマークされずにボールを引き出せることを掴んでいたのだ。それが布石になっていたことを、試合後の本人が明かしてくれた。

「この直前でクロスを上げたシーンがあって、その時点で相手は僕のことを掴めていないなと思っていた。そこのポケットに入ったら、余裕を持ってプレーできるなと。あそこに入れてくれたら前を向ける」

 だから、あとはいかにその場所で味方からボールを引き出して、ゴール前にお膳立てをするのか。残された約10分間、瀬川はそこに感覚を研ぎ澄ましていたのである。そして、それが貴重なゴールを呼び込んだ。

 大関友翔から刺すように届いた縦パスはわずかに浮いていた。

だが、ゴロではなく浮き球だったのが瀬川にとっては、かえって良かったのだという。どういうことか。


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