「持つべき危機感と、刻みたい言葉」(リーグ第35節・セレッソ大阪戦:0-2)
試合後のミックスゾーンは閑散としていた。
シーズンも最終盤に入ったが、優勝争いも残留争いも関係のないカードということもあってか、取材に来ている報道陣もかなりまばらだった。
川崎側はもちろん、セレッソ側の報道陣も少ない。関西のメディアの多くも、京都で開催されている京都サンガF.C.対鹿島アントラーズの大一番に集まっているようだった。注目度からすると、これはそういうカードだった。
正確に言うと、この試合まで川崎フロンターレに優勝の可能性はわずかに残っていた。とはいえ、残り4試合で首位・鹿島との勝ち点差10だったため、逆転は現実的ではなかった。そして1時間前に首位・鹿島が引き分けたこと、この試合で川崎が負けたことによって残り3試合で11差に。数字上の可能性も完全に消滅した。
つまり、この試合をもって2025年シーズンは無冠で終わることが正式に決定した。初タイトルを獲得した2017年以降、2年連続でタイトルが獲得できなかったのはこれが初めてとなる。
川崎フロンターレは、来年にクラブ創立30周年を迎える。
20周年を迎えた10年前の2016年まで長らく無冠だったことを思えば、この10年でリーグタイトル4回、カップタイトル3回と、7つのタイトルを獲得しているのだから、隔世の感がある。
ただし、今やそこに満足しているクラブではないのだから、この2年が無冠である事実とも向き合わなくてはいけない。選手がなかなかミックスゾーンに出てこないので、クラブの未来も含めていろんなことをあれこれと考えてしまった。
そして、こういう試合の後ほど、誰が何かを語り、何を語らないのか。選手の顔を見ながら取材して、自分なりに記録しておこうと思った。
ようやく選手たちが、ポツポツと現れ始める。
ただミックスゾーン手前のエリアで、顔馴染みの選手同士が交流し始めるので、なかなか通らない。ベンチ外だった登里享平の姿もあり、小林悠らと再会を果たしていた。伊藤達哉は香川真司と談笑していた。ドイツ時代に酒井高徳との繋がりで挨拶したことがあるのだという。
ほどなくしてミックスゾーンに伊藤達哉が現れる。
残念ながら、この日は彼の日ではなかった。前後半に1本ずつ決定機があったが、リーグ戦5試合連続得点とはならず。75分にはピッチから退いている。淡々と感想を述べていく。
「立ち上がり、試合に入る前に2点取られて、それで難しくなってしまった。実際そこから僕のシュートが入ってたら流れが変わっていたと思いますが、今日は決まらず。そのまま試合が終わってしまったという感じです」
4分にラファエル・ハットン、7分に田中駿汰に失点した。偶然だが、前節の清水エスパルス戦で川崎フロンターレが得点した時間と全く同じである。要は、前節とは逆の立場で似た展開を戦うことになった。
反撃する川崎は右サイドの伊藤達哉にボールを集めて打開策を探っていたが、マッチアップ相手であるセレッソ大阪の左サイドバック・大畑歩夢がかなりタイトにマンマークしてきていた。あまりに執拗なアプローチに伊藤が主審に抗議のアピールをしたほどで、なかなか間合いに持ち込ませてもらえなかった。
それでも19分にはカウンターのチャンスからボックス内で大畑を交わしてGK福井光輝との1対1を迎えている。普段ならば、仕留めていたはずの決定機だったが、狙いとはわずかに違うコースに飛んだのだろう。肩付近を狙ったであろうシュートは顔で防がれてしまった。
後半のチャンスを決め切れなかったことも含め、この日の敗因を、自分の問題として伊藤達哉は語った。
「チャンスはあったので、そこで決めれなかったのが、今日は自分のところでの問題だったなと思います。チームとしても後半は押し込む時間帯多かったですけど、前半はあれだけそういう(押し込む)時間帯が少ないと難しくなるというのはありますけど。でも決めれるシーンはあった。決めれなかったのが全てかなと思います」
続いてミックスゾーンに現れた大関友翔にも声をかけた。
この日は後半頭から45分出場。U-20W杯に出場していた影響もあるが、クラブでまとまった時間プレーするのは、ずいぶんと久しぶりだった。
それだけにこの試合に期する思いも強かったはずだ。
それこそ、自分がチームを勝たせてやるぐらいの気持ちがあったに違いない。しかし求められた役割と結果を果たせなかったことに、自分に対して落胆の表情を見せているようだった。こちらの問いかけに対して、振り返った自己評価も厳しい。
※11月2日、麻生で練習公開がありました。
セレッソ大阪戦を終えてから、今週のファジアーノ岡山戦まで2週間のインターバルがある中で、チームはトレーニングに励んでいます。だいぶ過ごしやすい気候になって、夏場よりメニューのボリュームも上がり、練習の時間も長くなりました。
週末の岡山戦に向けた具体的な対策は、明日(3日)のオフが明けてから始まっていくのだと思います。試合に向けた緊張感もまだ高まっていない時期なのと、メディアも少なかったので、練習後の選手にピッチ外の何気ない話も聞かせてもらいました。
例えばキャプテンの脇坂泰斗。
セレッソ大阪のホームスタジアムである「ヨドコウ桜スタジアム」は、彼が阪南大学時代によく使用していたスタジアムでもあります。住んでいたのも近所だったようで、チャリでよく通っていたそうです。当時は改築される前でキンチョウスタジアムと呼ばれていた時代で、その時の思い出話を語ってくれたのですが、そこから意外な方向に話は行きました。追記で語っております。
▶︎(※追記:11月2日)「懐かしかったっすね。大学時代の話をしてくれるのはあんまりないかなって思います」。庭だったというヨドコウ桜スタジアム周辺の思い出を脇坂泰斗に聞いていたら、意外な方向に話が広がったの巻。
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