アメリカ映画「ショーシャンクの空に」
第4回同日 他会員推奨映画「ショーシャンクの空に」感想
おそらくレッド役のモーガン・フリーマンを知ったのは、この「ショーシャンクの空に」を観てからだと思う。その後「セブン」「ミリオンダラー・ベイビー」「最高の人生の見つけ方」で彼を観た。黒人俳優のいい役一手引き受け第一人者に、彼はいつ頃から成ったのだろうと、今回この映画を観直しながら興味が湧いた。彼の代わりは、いないと思う。
「ミリオンダラー・ベイビー」だけ映画館で、あとの作品はテレビやビデオ配信で観た。
この「ショーシャンクの空に」は、テレビという茶の間での受け身での視聴だったし、それ故じっと集中して観ることができなかったので、記憶がとても曖昧だった。 先日までのそのいいかげんな記憶では、主役のアンディを演じたティム・ロビンスをずっとトム・ハンクスだと思っていた。全く違う話なのに「グリーン・マイル」とごちゃごちゃになっていた。
今回、旧作映画の課題に指定されなければ、間違った記憶のままだった。改めて観ることができて感謝です。
アメリカ映画のヒューマンドラマは、ほぼハッピーエンドであるため観終わったあとの気分の良さは格別であるが、それは他の国、例えばヨーロッパや日本などの作品では味わえないアメリカの誇るべき独特の映画文化なのだと思う。未来と希望、人の道、正義、理想。。アメリカ映画はアメリカそのものであり、日本映画は日本そのものである。映画は文化。文化はその時々の国の姿を如実に表す。それは、使命であり宿命でもあると思う。
この映画は「刑務所」が舞台なので、闇に葬られる虐殺もあり、目を覆いたくなる服役者の性暴力もあるが、悪いやつらは最後は成敗される。所長は拳銃自殺した。
アンディは脱獄に成功するが、実話の脱獄ではないため迫力に欠ける気がした。小さなハンマーも穴を隠すためのポスターも、説得力がない。アンディが懲罰房に入れられている間、彼の持ち物は、そのまま彼の独房に放置されていたのだろうか。彼は、十数年もあの独房から移動しなかったのだろうか。
スティーヴン・キングの原作を読んでいないので映画だけでは詳細がわからないことが多いため、この小説が今一番読みたい本のひとつになっている。
副頭取の肩書の重さは、日本とは少し違うのかもしれないけれど、それでもあの若さでエリート銀行員であったアンディは、刑務所の主任刑務官の相続問題のアドバイスの成功報酬として、一緒に修理作業をしている仲間の受刑者たちにビールを飲ませることができた。
調達屋をしている古株のレッドには、鉱物採集の趣味用の小さなロックハンマーを調達してもらい、徐々に二人は親しくなっていく。
有能なアンディは、図書係に配置換えになり50年間も刑務所から出たことがないブルックスの助手になった。経理や税務のプロだったので職員たちの確定申告に腕を発揮した。所長のピンハネ裏帳簿にも関わるようになった。これがのちに脱獄後のメキシコで悠々自適の生活を送る資金になった。
図書係のブルックスが、50年の刑期を終え出所した。ほとんどの人生を刑務所で過ごしたブルックは、今浦島状態で社会に順応するはずもなくあてがわれた古い部屋で不安な日々を送る。
そして首をつって自殺した。その壁に「BROOKS WAS HERE」とナイフで彫られた文字。
その後レッドは仮出所し、同じ部屋をあてがわれた。刑務所時代の習慣が抜けない。ブルックスの気持ちがよく分かった。そうだ、不安におびえなくてすむ場所へ行こう、レッドはアンディと約束した場所を思い出した。
所長の仕打ちの懲罰房からやっと出て来られたアンディが、レッドと「ショーシャンクの空の下で」語り合う場面がある。そこで「記憶のない海」=太平洋に面したメキシコの町「ジワタネホ」に住んでホテルを経営しボートで客を釣りに案内するという夢をレッドに語る。そして調達屋も必要だとレッドを誘う。レッドはそんな夢は捨てろという。「シャバでは生きられない。外が怖い」
アンディは言う「選択肢はふたつしかない。必死に生きるか。必死に死ぬか」
そして「仮釈放になったらバクストンの牧草地へ行け。石垣があって樫の木が一本生えている所に・・・黒曜石がある。そこを掘れ」とレッドに言い残す。
約20年前に入所したままだから、その風景は変わっているのかもしれないと思わないのだろうか。いや、殺された妻に結婚を申し込んだ思い出の場所だから、20年よりももっと前の風景である。牧草地が変わっていたらどうするつもりだったんだろう。アンディのことだから樫の木を植えて同じ風景を作り出してレッドが迷わないようにするつもりだったのかもしれない。それとも他の方法を考え出して連絡するのだろうか。
レッドはバクストンへ行き、牧草地の中に大きな樫の木を見つけその石垣の中から黒曜石を見つけた。その下に埋めた缶の中に、アンディからの手紙と何枚もの50ドル紙幣の封筒。
レッドは自分の部屋に戻り旅支度をし、ブルックスが彫った文字の横に「SO WAS RED」と彫った。「必死に生きるか必死に死ぬか。俺は生きるぞ」レッドの決心が流れる。
レッドがアンディに会いに長距離バスの列に並ぶところからのラストが一番好きだ。
「国境を越えられるといいが」「親友と再会できるといいが」「太平洋が青く美しいといいが」・・・「俺の希望だ」
白い砂浜を歩くレッド。そのすぐ先にはボートを修理しているアンディ。とてもいい笑顔の二人の再会で、ジ・エンド。
遠くにあった夢は叶い、すぐそこの希望は実現した。ハッピーエンド♪
