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氷風呂体験記③|コンフォートゾーンの外で見えた景色


※前回からの続きです。

前回は、
ヴィム・ホフ・メソッドの呼吸法を体験したところまでを書きました。

胸式でも腹式でもない、
カラダ全体を使った呼吸。
音楽とともに、気づけば思考が静まり、
「無理」「怖い」という声さえも、
ただ見守れるようになっていました。

そして、いよいよ——
氷風呂の時間です。

えー、道路の目の前ですが…

もう、あとは入るしかありません。

三人組のグループで一緒に入ることになったのですが、
私以外の二人も、同じ気持ちだったようで、

「もう、一番に入っちゃいましょう」

と言ってくれました。

よし。
じゃあ、一番手でいこう。

水着に着替えて、いよいよ外へ出ます。

目の前には、
三つの氷風呂が並んでいました。

ところが、ここ、
普通の玄関前なんです。

通りすがりの人が、
めちゃくちゃ、こっち見てる。

「今の人、絶対二度見したよね?」

一瞬、そんな思いが頭をよぎります。

……いや、違う。
そこに意識を向けてはいけない。

自分の心を、安定させるのだ。

足を入れる。あれ?

勇気を振り絞って、
まずは足を、氷の水へ。

……あれ?

意外と、冷たくない。

すでに冬の外にずっといたので、
足先はかなり冷えていたからでしょうか。

氷水の冷たさが、
思ったほど、気になりません。

レンスさんの声かけに合わせて、
ゆっくりと、

お尻、
肩、
そしてお腹を氷風呂の中へ。

冷たい。
でも……なんとかなりそう。

私は心の中で、
(そして小さな声で)

「私は大丈夫。私は大丈夫」

と唱えながら、
少しずつ、深く浸かっていきました。

「意外と、いけますよ〜」

なんて、笑顔で
周りで待っている人たちに
声をかける余裕すらありました。

……この時までは。

私は大丈夫…

叫ぶしかない瞬間

そして、レンスさんが言いました。

「脇に入れている手を離して、
 膝の上に持ってきてください」

それまでは、
脇の下に手を入れていたので、
その部分は水に触れていなかったんです。

でも、
手を離すということは——

腕と脇に、氷水が一気に入る
ということ。

勇気を振り絞って、
腕を、離しました。

その瞬間。

ビリビリビリ!!

強烈な痛み。

「痛いーーーーー!!!」

思わず、
大きな声で叫んでいました。

叫ばずにはいられない、
そんなビリビリ感。

「痛いよー!」
と叫びながらも、
私は氷風呂に入り続けます。

このときも、
ひたすら唱えていました。

「私は大丈夫。私は大丈夫。」


すると、
少しずつ、
ビリビリ感が、和らいできます。

……と思ったら。

次は、
身体が震え始めました。

それでも、
私はまた唱えます。

「私は大丈夫。私は大丈夫。」

すると最後に、
レンスさんが、こう言ったのです。

「顔を、
 氷風呂につけてみましょう」

……もう、ここまで来たら、
やるしかありません。

私は、
氷の中に、顔を突っ込みました。

氷水から顔を上げた、その世界

顔を上げた瞬間。

周りの景色が、
ものすごく、すっきりして見えました。

視界が、クリア。

頭も、クリア。

「ああ……」

なんだか、
 私は何でもできる気がする。

コンフォートゾーンを抜け出せる。

だって、私は大丈夫だから。

そんな感覚が、
身体の奥から湧いてきました。


痛いよー!と叫んでいるとき

3分間、終了

こうして、はじめての
氷風呂の3分間が終了しました。

お風呂から出て、
同じ三人組で、ハイタッチ。

はー、やりきったよー。

氷風呂のあとは、
体を動かして、体を温めます。

もちろん、
お風呂なんて、ありませんよ。
自分のカラダであっためるのです!

氷風呂は、たった3分間。
でも、不思議なくらい、
すごくやりきった感に満たされていました。

私は、私を信頼できる

こんな感覚が、身体の中に残っていました。

これから先、
もしまた何かに挑戦する場面が来たとしても。

怖くなったとしても。
不安になったとしても。

私は、私を信頼できる。
私は、大丈夫。

だから、
きっと乗り越えていける。

そんな勇気が、
言葉ではなく、
感覚として、身体の中に組み込まれたような気がしました。

全員が氷風呂に入り終わったあと、
あたたかいおすましを配ってくださいました。

それがもう、
体にしみる、しみる。

飲んだ瞬間、
肩甲骨と肋骨のあいだに、
じわ〜っと、あたたかいものが流れ込んでいく。

「ああ……」

体って、ちゃんと感じてるんだな。

そんなことを、
しみじみ味わう時間でした。

実は、腰痛サイン出てました


実はこのヴィム・ホフ・メソッドを体験する
1週間くらい前から、
少し気になるサインが出ていました。

腰が、「ビリッ」とする感じ。

それに加えて、
腕が、妙に重い。

これは、私の感覚では
腰痛が悪くなる前兆です。

「このまま放っておいたら、
 たぶん、腰に来るな」

そんな予感がありました。

でも同時に、
こんなことも思っていたんです。

「もしかしたら、
 ヴィム・ホフ・メソッドで
 何か変化が見られるかもしれない」
「そのために、不調を出してくれたのかな」

ある意味、
いいタイミングだったのかもしれません。

そして、
呼吸法の時間。

お腹の中が、
ふわっと広がっていく。

背中も、
空気で満たされるように、
じわっと広がっていく。

そんな感覚を意識しながら
呼吸を続けていると——

あれ?

いつの間にか、
あれほど気になっていた
腕の重さが、まったく気にならなくなっていたんです。

いま振り返ると、
私の身体は、少しねじれた状態だったのでしょう。

本来、体幹で支えたい部分を、
腕のほうで、無意識に支えようとしていた。

だから、
腕が重く感じていたのではないか。

でも、
呼吸によって
体の内側が整ってくると、

その「代わりに頑張っていた感じ」が、
必要なくなったのだと思います。

やっぱり、呼吸って大事なんだなー

改めて思いました。

鍛えなくてもいい。
無理に直さなくてもいい。

ただ、全身を使う
呼吸によって
身体が本来の配置に戻る。

その力を、
あの時間ではっきりと感じることができました。

家に帰って、まず感じたこと

そんな体験を終えて、
家に帰りました。

そして、いつも通り、
お風呂に入ってみたのですが——

「熱ーーーーーい!!!」

お湯の温度は、
いつもと同じ。

なのに、
めちゃくちゃ熱く感じたんです。

たぶん、体がすでに、
かなり活性化していたんだと思います。

体の内側から
ちゃんと熱が生まれている感じ。

それから、数日間。
なんだか、ずっと暑いんです。

なので、
いつもより一枚少ない服で過ごしていました。

普段は、
足首を冷やさないように
フットカバーを
履いて過ごしているのですが、

その数日間は、真冬なのに
裸足でも、まったく問題なし。

「もしかして、
 基礎体温、上がったのかな?」

そんなふうに感じるくらい、
体の内側が、
ずっとポカポカしていました。

冷えにくくなった、
というより、

自分で、温まれる体になっている。

そんな感覚でした。

体験は、日常に持ち帰ってこそ

レンスさんによると、
氷風呂の効果は、だいたい6日間ほど続くそうです。

だからこそ、
この体験を「一回きり」にしないで、
普段の生活の中でも、

  • 水シャワー

  • たらいに水を張って、手足をつける

といったことを、
習慣にしてほしい、とのことでした。

そんなわけで、
朝と夜、
たらいに水を張って、
手足をつけるというのを
習慣にしています。

ほんの短い時間でも、
体がシャキッと目を覚ます感じです。

改めて思います。

自分で温まれる体って、
すごいことじゃないですか。

外から温めなくても、
内側から熱をつくれる。

免疫力も高まりやすいし、
風邪も引きにくくなる。

もし、
何か病気が流行ったとしても、
ちゃんと立ち向かえる体、
欲しいですよね。

それから、
呼吸法も意識しています。

がんばって吸う、ではなく、

体全体に、空気が行き渡る感じ。

お腹が広がって、
背中も広がって、
内側がふわっと整う感覚。

これを、
日常の中で、
何度も思い出すようにしています。

今回の体験から、私が感じたこと

それは、
呼吸法で「無」の状態になると、
 自然と「私は大丈夫」という感覚が立ち上がってくる

ということでした。

「私は大丈夫。
だから、コンフォートゾーンを飛び越えていける。」

そんな勇気を、感覚として受け取れた気がします。

思い返してみると、
私たちは3歳くらいまで、

「私が一番!」
「私は何でもできる!」

そんなふうに、
疑いなく自分を信じていました。

でも、成長して大人になるにつれて、

「これはできない」
「私には無理」

そんな言葉で、
自分自身に制限をかけるようになった

でも、本当は——
できなかったわけじゃない。

ただ、
コンフォートゾーンを飛び出そうとしてこなかっただけ
なのかもしれません。

私たちは、身体を甘やかしすぎている

もうひとつ、
大きな気づきがありました。

それは、
身体は、自分で強くできるということ。

少し不調があっても、
呼吸法で整えられる。

自分で温まれる身体は、
自分でつくられていく。

それを、
体験を通して、
あらためて実感しました。

少し振り返ってみると、

寒ければ、着込む。
足裏が痛かったら、底のしっかりした靴を履く。

そうやって、身体を甘やかして
外から守ることで、
自分の身体が本来もっている力を
 使わなくなってきた
のかもしれません。

気づかないうちに、
自分で自分の身体を、
弱くしてきた部分もあると思うんです。

でも、
身体は、自分で強くできる。

それもまた、
今回の体験で、
確かに感じたことでした。

ヴィム・ホフ・メソッドを体験して

この体験を通して、
心も、身体も、
一回り大きくなれたような気がします。

無理をしたわけでも、
根性で耐えたわけでもなく。

ただ、
自分を信じて、
一歩、外に出てみただけ。

それだけで、
世界の見え方は、
こんなにも変わるんですね。

ちなみに、レンスさんのところでは、
氷風呂だけでなく、

  • 滝行

  • 知床の流氷アイスバス

……なんてものも、あるそうです。

もう、名前を聞いただけで
「え?!」ってなりますよね(笑)

今すぐは無理かもしれないけれど、
いつかまた、
自分のコンフォートゾーンを超えたくなったとき
ぜひチャレンジしてみたいな、と思っています。


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