記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

AIが告げる「有罪」と人間の判断ーー『有罪、とAIは告げた』を読んで感じたことあれこれ

中山七里さんの『有罪、とAIは告げた』を読みました。最近はAIブームで、まさにホットな話題です。

本書を読むうちに、気づくところが随所にあり、そのことを書いていこうと思います。本やドラマでも検察や弁護士が主役の作品は多いですが、判事の作品は少ない傾向にあります。

裁判官が普段どんなことを考えているか、ちょっとその生活ぶりがうかがえてよかったです。

少しネタバレもありますが、どうかご容赦ください。

書籍のリンク

Audible版【耳から聞きたい方】(オーディブル会員なら無料)

Kindle版【じっくり読みたい方】(アンリミテッド会員なら無料)


実際に使ってみたAudibleとKindleの違い

AudibleとKindleとは、音声で聴くか、活字で読むかの違いになってきます。
迷ってしまうので、それぞれの良い点、悪い点を実際に使った感想をもとに以下で比較してみました。


AIは感情を理解できるのか

最近は、AI技術が高まっており、自動運転ができ、レストランでも人の代わりに飲食物を運びます。

ChatGPTは、日本では『チャッピー』なる愛称がついて、良き相談相手になっています。

まるで、自分に寄り添うように接してくれて、一番の理解者のように振る舞ってくれます。今の技術では人の感情を理解できないと言われますが、大量の会話履歴を学習したおかげで、かなり自然に人間の感情に寄り添ってくれるので、つい錯覚してしまいます。

判事と同じ判断ができるからといって、AI判事を導入すべきなのか

物語には、法神2(ホウジン2)というAI判事が登場します。
見た目は四角い物体ですが、担当判事の裁判記録を読ませるだけで、その判事と同様の解釈で判決を下せます。

判事たちは最初半信半疑でしたが、次々に正確な判決を下す姿を見て、どんどん魅了されていきます。

一方、AIが自分の代わりに即答で同じ判決を下すなら、自分の時間をかけて悩み抜いた判断に何の意味があるのか、という虚無感も生まれます。この葛藤に考えさせられました。

AIも所詮はコンピューター、入力したデータ以上のことはしない

AIは学習で人の思考をまねますが、インプット以上の創造はまだまだです。

AIの計算能力とデータ処理は人を凌駕します。その力を使ったパターン学習や傾向分析は効果抜群です。

しかし、出てきた結果に判断を加え付加価値を生むのは結局人間です。逆に、意図的に偏ったデータだけ入れれば、AIの判断も偏ります。

逆にインプットしなかったらAIは、それに基づいた判断は行いません。

投入するデータも、意図的に偏ったデータだけを入れると、その思考に偏ります。いくらAIが賢いからといって、与えるデータを偏らせたら、その偏った判決をだしていくのです。

その点をみると、結局AI判事がどれだけ有能でも、人の使い方次第だという事実は変わりません。

裁判に時間をかけることの意義について考えさせられる

本書を読んでいくと、裁判に時間をかけることについて強く考えさせられました。物語の冒頭は、同じ判決を下せるなら、AI裁判官で良いと思いました。

一方で、先ほども書いたように、インプットする情報は人が決めます。全部を入れるかもしれないし、入れないかもしれません。中には余計な情報を入れるかもしれません。

そうなるとAI判事は、仕事は早いけど、正しい仕事をしていると言えなくなってきます。

新しい証拠は、ある程度時間が経ってから出てくることも多いものです。そう考えると、冤罪を防ぐうえでも、時間をかける価値はありそうです。AIの論理性・記憶・計算があっても、冤罪100%防げないと思います。

よって、AIを使ってスピードを優先しすぎると、冤罪リスクが高くなるのではないかと感じました。

どちらにしても業務効率化にはAIは良い手段

しかし、計算能力やデータ処理能力は人の比ではありません。定型作業な部分は、コンピューターの力を借りる方がかえってわかりやすく気づきを与えてくれることもあります。

その考え方を学びつつ、自分も成長し、しかし、人間としての能力の限界は素直に認め、不足している部分をAIなどの技術に頼っていく方が、むしろ楽しく生活していけるのかなと思いました。

判事の給料を知ることができた

判事の給料を調べてみました。小説の中では、第〇号判事と言われていましたので興味がわいたのです。よく弁護士に比べて裁判官は薄給などと言われています。給料の内容が気になったのです。

裁判官の階級

階級は次のようになっているみたいです。

  • 最高裁判所長官: 最高位の裁判官で、1人

  • 最高裁判所判事: 最高裁の判事、14人定員

  • 高等裁判所長官: 高等裁判所のトップ、8人(東京・大阪などが上位序列)

  • 判事: 任官10年以上のベテラン、単独審理や裁判長可能、2,155人定員

  • 判事補: 任官10年未満の若手、842人定員

  • 簡易裁判所判事: 簡易裁判所担当

これを見ると全員で、3020人しか判事はいません(簡易裁判所、家裁判事は、判事と判事補で兼任)そう思うと、判事と出会うこと自体がレアケースですね。


ところで、最高裁判所裁判官国民審査制度で罷免するには?

さて、衆議院選挙がもうすぐありますが、その時に最高裁判所裁判官の国民審査も同時に行われます。そのとき、「全員に✖を書いておけば間違いない」という話を子供のころに聞きました。

✖を書くと罷免対象にできるのですが、これには有効投票のうち過半数が「✖」になっていないといけません。その数字がどれだけ難しいことか。

なので、実質今まで罷免されたことはないのです。

裁判官の給料

最高裁判所長官 238万8,000円
最高裁判所判事 148万6,000円
東京高裁長官  142万6,000円
その他高裁長官 132万1,000円
一号 判事 119万1,000円
二号 判事 104万9,000円
三号 判事 97万9,000円
----------------------------------------------------
四号 判事 82万9,000円
五号 判事 71万6,000円
六号 判事 64万4,000円
七号 判事 55万4,000円
八号 判事 52万6,000円
---------------------------------------------------
一号 判事補 44万3,900円
二号 判事補 40万9,000円
三号 判事補 39万800円
四号 判事補 36万6,300円
五号 判事補 33万9,700円
六号 判事補 32万5,300円
七号 判事補 30万9,000円
八号 判事補 30万100円
九号 判事補 28万3,300円
十号 判事補 27万4,500円
十一号 判事補 26万9,100円
十二号 判事補 26万5,300円

こんな風になっているようです。最初は判事補から始まり約10年で修行を積みます。判事補トップになるころには中堅社員並みでしょうか。

そして、判事になると給料が約10万円近くアップですね!これはうれしいと思います。そこからさらに10年かけて4号まで上がります。82万円にボーナスも加わると、年収にするとおよそ1,200万円相当です。全然十分だと思いませんか?

ここまでが地裁の判事レベルです。3号からは、地裁の所長から高裁、最高裁に上がるところで、なかなか上がれないようです。入所20年(40代前半)までは順調に上がるけど、そこから先は頭打ちのようです。

でも、年収1200万円が定年の60歳くらいまで20年続くなら全然いいとおもいますけどね!

当の本人たちは変化しない自分にいろいろと感じるところはあると思いますが…。そう考えると何とも面白いと思いませんか?

最後までお読みいただき、ありがとうございます。記事が役立ったと思ったら、感想やコメントをいただけると、とても励みになります。

関連作品について

『被告人、AI』

中山七里さんは、続編も書かれています裁判官の次は『被告人、AI』です。人ならざるロボットを裁判所はいかに裁くのでしょうか。人とは何なのかの再定義にもなってきます。

映画『マーシー AI裁判』

AI裁判をテーマとした映画『マーシー AI裁判』も見てきました。


▼ おすすめマガジン

他にもこんなマガジンもあります。お立ち寄りいただけたら嬉しいです。

2025年からウクレレを始めています。ウクレレを通して音楽や楽器についての気づきを綴っています。

有料記事をまとめています。ちょっと人には言いにくい興味や、自分の失敗談などを書いております。

大人の話題です。三大欲求のえぃっちーな話題です。少し刺激的で、でも大真面目な話題です。

感想の交換や新しい出会いも楽しみにしています。ご質問やお仕事のご依頼も、こちらからお気軽にどうぞ。
メッセージもお待ちしております

相互フォローしてくださっている方からのメッセージも歓迎です。

いいなと思ったら応援しよう!

いしやんノート🚴連続投稿1200日達成|ここまで続けてこられたのは、みなさんのおかげです 最後まで読んでいただきありがとうございます🙇‍♂️ 記事が気に入られましたらサポートをよろしくお願いします。 いただいたサポートはnoteクリエーターとしての活動費に使わせていただきます!

この記事が参加している募集