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『777(トリプルセブン)』感想|七尾は不運か強運か?ホテルから出られないスリリングな物語

建物や乗り物に入り込んで出られなくなる…そんな状況を想像すると、ちょっと怖くないでしょうか。伊坂幸太郎さんの『777(トリプルセブン)』は、まさにそんな閉じ込められる恐怖が描かれた物語です。

入ったはいいけど、出られない。その「出るに出られないもどかしさ」がじわじわと恐怖を煽ります。

それでは、早速、読書感想を書いていきます。
ネタバレを多少含みますのでご了承をお願いします。

以下は、777(トリプルセブン)の作品リンクとなります。
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「マリアビートル」のテントウムシ(七尾)とマリアが再び登場

不運の男のテントウムシこと「七尾」が再び登場です。前作「マリアビートル」では、新幹線の中から出られなくなりました。
≫ 新幹線で出られなくなったマリアビートルの読書感想はこちら

今回は、とあるホテルから出られなくなりました。本当に不運な持ち主の「七尾」です。そして、相棒である「マリア」も別の場所で命を狙われます。

七尾はその危険を知っているからこそ、何としてもホテルから脱出してマリアに知らせようとします。

連絡手段のない七尾は必死に脱出を試み、何も知らず命を狙われるマリア。手に汗握る展開が続きます。

ある意味強運な持ち主「七尾」

不運に巻き込まれても、どうにかして生き延びてしまうのが七尾の魅力です。今回もまた、彼のしぶとさが物語を大きく動かします。

最初は「七尾の凡ミスさえなければ事件は起きなかったのでは?」と思いました。
しかし、事件を起こしたからこそ、多くの人が救われた。そんな逆説的な面白さがあります。

読んでいく中で、この事件は誰が引き起こしているかを考えても面白いかもしれません。

一度覚えたら忘れられない記憶力は、果たして幸せなのか

本作品には、紙野という女性が登場します。

一度見たもの、聞いたものは決して忘れません。最初は「なんて素晴らしい能力!」と思いました。学校の勉強や試験では無敵でしょう。

一方で、残酷さも感じます。辛い記憶も鮮明に残り続けるのですから。
人は辛い出来事を経て強くなりますが、それは時間とともに詳細が薄れ、糧に変わるからです。

しかし、忘れられないなら、ただの永遠の痛みです。

人の脳のデメリットと思っていた「忘れる」ことがどれほど優しいことなのかを痛感しました。「忘れる」ことは能力なのです。

「ずっと記憶しておく」のは、AIやコンピュータに任せておけばいいのです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。スリルと切なさが交錯する、伊坂ワールドらしい一作でした。おもしろいので、ぜひ一読を!

紹介した作品のリンク

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