「利益が63%減ったのに、なぜ増配⁉️」連続増配の芙蓉総合リース(8424)を徹底分析
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過去の銘柄分析は、
すべて"noteマネー公式"にピックアップしていただきました✌️
この記事では、手元の37冊の投資本のうち、13冊で紹介されていた芙蓉(ふよう)総合リース(8424)を徹底分析します。

2025年10月、芙蓉総合リースが、こんな発表をしました。
欧州の再生可能エネルギー事業で、
回収困難な債権が"329億円"発生しちゃいました…
2026年3月期の純利益を
460→170億円(63%減)に下方修正します‼️
芙蓉総合リースを語る上で、
この事実から目を背けるわけにはいきません。
純利益が63%減。
これだけ聞けば「減配か?」と思うのが普通です。
ところが芙蓉総合リースは、
その後こうも続けました。
配当は前期比で「増配」します‼️
えーーー!!!
そして、現在の配当利回りは3.64%(2026/04/10時点)。高配当の目安「3%以上」をしっかり満たしています。
なぜそんなことが可能なのか。
その理由を、これから説明します。
先にこの記事の結論です。
私は、芙蓉総合リースを「買い」と判断しています💡
損失は甚大です。でも、稼ぐ力に衰えはないからです。
芙蓉総合リース(8424)のポイント5つ
✅ 純利益が激減しても「増配」を貫く鉄の意志
✅ 損失の大半は、"現金が減らない"会計上の処理
✅ 格付機関2社(R&I、JCR)が格下げなし
✅ PBR0.82倍と割安な株価水準
⚠️ 業績回復が遅れれば、連続増配記録の継続が危うい
🏢 芙蓉総合リースってどんな会社?
一言で言えば、
「会社向けの何でも揃えるレンタルサービス屋」です。
企業が必要とする設備や資産を代わりに買い取り、
リースや割賦払いで貸し出す仕事です。
取り扱うアセットクラスは幅広く——
🏗️ 不動産
✈️ 航空機
🚚 モビリティ・ロジスティクス
💻 BPO・ICT(IT機器リース・業務委託)
🏥 ヘルスケア
⚡ エネルギー・環境
みずほフィナンシャルグループ系の「芙蓉グループ」を母体に、大企業から中堅企業まで幅広い顧客基盤を持っています。
また、金利ビジネスの側面もあります。
低コストで資金を調達して、利ざやを乗せてリース資産として運用する銀行に近いモデルです。
📢 今回の「329億円問題」とは何か
何が起きたのか
中期経営計画に沿ってESG投資を進めてきた芙蓉リースは、スペインを中心とした欧州の複数の太陽光・風力発電プロジェクトに投資していました。
ところが——
欧州のインフレが高止まり
建設工事費が急騰
サプライチェーンが混乱
欧州中央銀行が金利を引き上げ
これらが重なり、プロジェクトの資金が底をつきました。投資したお金が「回収できないかもしれない」という状況になったのです。
損失の規模
改めて公式アナウンスの数字を見ておきましょう。

回収困難リスクのある債権総額:329億円

純利益: 460→170億円(63%減)に下方修正‼️
発表は2025年10月23日。
これが株式市場でネガティブ・サプライズとなり、株価は急落しました。

ところで、これは芙蓉固有の問題か?
実は同じリース業界の東京センチュリー(8439)でも、バイオマス混焼発電事業の見直しで701億円の減損損失が発表されました(2026年4月6日)
芙蓉だけが失敗したのではなく、
リース業界全体でグローバルな再エネ投資リスクが顕在化した局面と捉えるのが妥当です。
📊 業績データ
業績推移
衝撃のニュースから数ヶ月後にあたる2026年2月に発表された第3四半期決算。
業績予想の追加修正はなく、170億円という見通しが据え置かれています。
悪材料は出尽くしていると見ていいでしょう。改めて業績を数字を整理します。

ずっと右肩上がりの成長を続けてきた優良企業です。ROEも8%の合格ラインを超えていました。
2026年3月期の急落は、欧州再エネ損失(286億円)が原因。明らかな異常値といえます。
💰 配当データ

大きな損失を被ったのにも関わらず、
しっかり増配が続いています。
現在の株価指標
現在株価:4,338円(2026/04/10時点)
予想配当利回り:3.64%
PER(会社予想):23.01倍
PBR(実績):0.82倍
時価総額:約3,942億円
BPS(1株純資産):5,289円
※Yahoo!ファイナンス
「高配当の目安は3%以上」という基準を満たしています。
PERが23倍と高く見えますが、これは純利益が一時的に激減しているためです。
通常年の収益水準で見れば、実態はより割安です。
PBR0.82倍は「純資産よりも株価が安い」状態で、バリュー株として魅力的な水準です。
🔻現在のデータ
「なぜ純利益が激減しても増配できるのか?」
理由①:損失の大半は「現金が減らない処理」
今回の286億円の損失は、大半が貸倒引当金の繰入と減損損失です。
これらは「過去に投資したお金の回収見込みが減った」と会計帳簿に記録する処理です。当期の現金が286億円消えたわけではありません。
わかりやすく言うと——
会計上の純利益:170億円(大幅減)
実際のキャッシュ創出力:維持されている
配当の支払いには現金が必要です。
その現金は、多様な事業から生み出されるリース料収入によって今も安定して確保されています。
「帳簿上の利益」と「手元の現金」を区別して考えることが重要です。
理由②:「一時的な損失」と格付機関が認定
R&I(格付投資情報センター)とJCR(日本格付研究所)の2社が今回の損失後も格付を維持しました。
R&I:「A+」を維持(損失は期間損益内で吸収可能、財務リスクへの影響は限定的)
JCR:「AA-(安定的)」を維持(多様な収益源と厚い自己資本がバッファー)
JCRは「2027年3月期には業績が回復に向かう」とも明記しています。
格付機関が格下げしなかった、という事実は重要です。
リース会社にとって格付は資金調達コストに直結します。
格付が落ちれば調達コストが上がり、業績が悪化する。その格付を2社とも維持したことは、外部の専門家が「財務基盤は健全」と判断した証拠です。
理由③:事業ポートフォリオが機能した
長年にわたり成長を続けてきた企業です。
その稼ぐ力は今も健在で、欧州損失を除いたベース利益は前年同期並みを維持しています。
欧州再エネ事業が崩れても、不動産・航空機・モビリティ・BPOなどの他部門が安定して稼ぎ続けています。
今回の問題は「欧州の一部プロジェクトの失敗」であって、「会社全体の収益モデルの崩壊」ではありません。
⚠️ 注意点・リスク
必ず読んでください‼️
リスク①:業績回復の遅れ
2026年3月期の配当性向は試算で約84〜85%。「配当性向50%以下が理想」という目安からは大きく外れています。
仮に2027年3月期以降の業績回復が遅れた場合、増配余地が乏しく、長年続いてきた連続増配記録が途絶えるリスクがあります。
「今期はギリギリ大丈夫」でも、来期以降まで安心できるかどうかは業績次第です。
リスク②:再エネ投資の追加損失リスク
業績修正では「米国等のリスクも織り込んだ」とされています。
しかし想定外の事態が生じれば、再び下方修正リスクになります。
欧州以外の再エネ投資がどこまで身を結ぶのかは、今後も注視する必要があります。
リスク③:金利上昇による収益の悪化
リース業は「安く借りて、高く貸す」ビジネスです。
日銀が利上げを続ければ調達コストが上がり、既存の固定リース料との逆ザヤが生じるリスクがあります。
リスク④:海外カントリーリスク・規制変更
各国の再エネ政策や法規制が変われば事業採算が変わります。今回の問題がまさにその典型例。
グローバル展開する企業には常に付きまとうリスクです。
📝 最後にまとめです。
良いところ:
純利益が激減しても「増配」を貫く鉄の意志
286億円の損失は非資金費用が主要因。配当金の原資はある
R&I:A+、JCR:AA-の格付を2社とも維持
PBR0.82倍と割安な水準
不動産・航空機・IT機器リースなど事業ポートフォリオが緩衝材として機能
注意すべきこと:
配当性向が試算で約84〜85%と極めて高い
2027年3月期の業績回復が遅れれば連続増配記録の継続が危うい
欧州以外の再エネ投資に追加損失リスクが残る
金利上昇局面での収益スプレッド圧縮リスク
こんな方に向いています:
一時的な損失よりも財務健全性を重視する長期目線の方
連続増配実績を重視する高配当投資家
PBR1倍割れの割安バリュー株を探している方
では、私自身はどう判断しているかーー
買いです。
理由は三つです。
利回り3.64%という水準
長期にわたる増配の実績
2社の格付機関が財務の健全性を認めたこと。
⇨ わたしよりきっと信頼できる‼️
まず注目すべきは5月12日の最終決算発表。
損失が予想通り286億円で収まり、配当158円が確定するかどうかが最初の確認ポイントです。
その先、2027年3月期で業績が正常化すれば、この銘柄の配当継続性への信頼は一段と高まります。
決算が今から楽しみですね。
📚 用語集
配当利回り:株価に対する年間配当の割合。3%以上が高配当の目安。
EPS(1株利益):1株あたりの当期純利益。これが伸びると増配しやすい
PER:株価÷EPS。15倍以下で割安の目安。現在は一時的な純利益減少で23倍と高く見える
PBR:株価÷1株純資産。1倍以下が割安の目安。芙蓉リースは割安
ROE:自己資本利益率。8%以上が合格ライン
配当性向:利益に対する配当の割合。50%以下が理想。今期は約84〜85%と高水準(理由は本文参照)
貸倒引当金:貸したお金が返ってこないリスクに備えて、あらかじめ費用として計上しておく会計処理。現金の流出を伴わないため「非資金費用」と呼ぶ
減損損失:保有する資産の価値が大きく下がったとき、帳簿上の価値を切り下げる会計処理。これも現金の流出を伴わない
格付(R&I・JCR):信用格付機関が企業の借金返済能力を評価した指標。高いほど低コストで資金調達できる。リース会社にとって格付は業績に直結する生命線
株式分割:1株を複数株に分割すること。2025年4月1日に芙蓉リースは1→3に分割。配当金額は3分割されるが実質価値は変わらない
📎 参考資料
芙蓉総合リース 業績修正適時開示(2025年10月23日)
R&I格付レポート(2025年10月23日)
JCR格付レポート(2025年10月24日)
芙蓉総合リース 第3四半期決算短信(2026年2月6日)
東京センチュリー 減損損失の計上に関するお知らせ(2026年4月6日)

📖『バク益高配当株』投資家バク
📖『超高配当株完全ガイド2026』晋遊舎
📖『「強配当」株投資』長期株式投資
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