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「夜行性OLの世界」第三話

<前略>私は水戸芽衣子〜

 私は中学生のころ、テニス部に所属していた。

<中略>本当はサッカーやバスケ部のマネージャーになりたかった芽衣子。当時はニキビを長めのボブで隠していた。

昨今のジェンダー評論家にも引けを取らない論調で、妬み嫉んでいた。
 そんな私にも、青春とやらは存在した。テニス部で二つ年上の神木先輩は、私がサービスエースを空振りした後ろで、爽やかな笑顔をもってボールを拾い、「もっと、腕を伸ばすイメージで打つといいよ」

<中略>芽衣子の初恋

 神木先輩は強かった。細マッチョの長身、すらりと伸びた腕の最高到達点から繰り出されるサーブは、うちの市内で受け止められる人はいなかった。
私は先輩の出場する試合には、おなかが痛くても行ったし、偶然二人きりで帰ることになったときには、公園で長話もした。その時おごってもらったジュースは、いつもより数倍甘酸っぱく感じたし、味がしないような気もした。





<中略>コミカルに高木圭介を紹介

何よりイケメンなその男。
「それより、お口にクリーム、ついてますよ。お昼にケーキ食べました?」

高木圭介。

<中略>植物に水をやる芽衣子。騒いでる女性たちをユーモアたっぷりの皮肉

と、昔の私なら思っていただろう。でも今は違う。今の私は大人だから、そんなことは思わないのである。

<中略>高木くんの説明。24歳。

「あ、水戸さん。おはようございます」
彼は最近、うちの部署に来るたび私に声をかけてくる。
「あ、おはよう高木くん」

<中略>ジョウロの代わりにしていたコップを芽衣子が落とす。高木くんが駆け寄る。

「え?」
彼は私の手を取って、ケガがないことを確認したかと思えば、私をフロアの外に連れ出した。
「芽衣子さん、いや、水戸さん、すみません、僕が話しかけたばかりに」
会社の廊下で彼は、悲しそうに眉を潜め、私に目線をあわせる。
「いや大丈夫。大丈夫だよ。ごめんねありがとう」
<中略>高木くんと少しお話し。


<中略>愛子ちゃんと二人でコンビニへ。最近順調な芽衣子。自分に自信が出てくる

<中略>愛子ちゃん元気ない。ハンカチを忘れたから芽衣子から借りる

「あ、全然いいよ!」
取り出そうとポケットに手を突っ込むと、高木くんに貸してもらったハンカチが邪魔して、なかなか出てこない。このハンカチを見られるとどんな恨みを買うかわからないから、絶対にばれないようにしないと。
「はい。」

<中略>最近愛子ちゃんが元気ないけど、もしかして恋の病だったら可愛いな。元気付けてあげたいとすら思う。

なんてったって私は、OLヒーローアメリアちゃんだからな! がはは。

<中略>トイレで手を洗ってハンカチを取り出そうとするが愛子ちゃんに貸しているため高木くんのハンカチでふくハメになる芽衣子。愛子ちゃんにみられた……?



<中略>機嫌良く帰り支度していると、高木くんに話しかけられる。お詫びに食事に誘われる。ビビりながらも行く。

<中略>店の説明

<中略>店に着いた高木くんと芽衣子。ありきたりな会話パート

<中略>芽衣子、高木くんを戸惑わせてやろうと仕掛けるが…。会話パート。

<中略>高木くんイケメンムーブ。芽衣子舞い上がる。もう一件誘われる

<中略>ラブホか?と疑う芽衣子。店の前まで行って考えていいか打診。

<中略>やはりラブホだった。かなり悩みながらも流されるようにホテルに入る。


<中略>高木くんのクズ男っぽいセリフ

<中略>大人の時間、情景描写、心理描写。

このまま溶けてしまいたい。溶けて、もっと彼と混ざり合いたい。
「すき! 高木くん、だいすき!」


<中略>ラブホでのことは恥ずかしすぎて忘れたい芽衣子。すぐにアメリアに変身して夜の街へ。

<中略>高木くんとの会話を、おもちゃ箱からお気に入りのものを探す子供みたいに反芻する芽衣子。

 やっぱり、私は、高木くんのことが…………。

<中略>芽衣子心理描写

<中略>情景描写を挟みながら店到着。店の内装描写と注文。

<中略>近くのテーブルが別れ話っぽい会話をしている。

 コウという男のほうから別れを切り出しているのか、女性のほうより数段落ち着いて見える。
<中略>コウの外見の説明

<中略>女性の少しヒステリックになった会話。

<中略>女性の外見の説明。かなり飲んでいる。

「ちがうよ、ほんとに好きだったよ! いつもそういう風になるのやめてくれよ……!」
 コウの、ほんとに好きだった、という言葉を聞いてから、女性は何かを噛み締めるように泣き始めた。
<中略>
「そ、そうだよね、私が悪かったの、今日だって……、でも、久しぶりに二人で居酒屋とか、来れて楽しかった。私今日楽しみにしてたんだ」
 女性は涙でぐしょぐしょになった口角をにっこりと上げた。
「ごめん……。」
 コウは苦しそうに俯く。

<中略>コウに別れを告げられ、店に一人取り残されるみそら。テーブルに突っ伏し動かない。芽衣子が声をかける。


<中略>みそら、世の男たちへの愚痴。長ゼリフ。ベロベロ。

 みそらさんは肩を少し上げて、自虐的な笑みを浮かべながら赤ワインをゴクンと飲みほした。

<中略>芽衣子とみそら、愚痴を吐き同調しながら楽しくおしゃべり。会話パート

<中略>みそらのグリッターが光る。同い年だしタメ口でいいよとみそら。

「私、もう一生誰にも愛されない気がする。今までだって愛の形をした何かに、騙され続けてきたし、ううぅ~~……」
<中略>みそら、わかりやすく絶望。

 <中略>確かに愛に飢えてしまって、もう、この世の誰も自分のことなんて愛してくれないんじゃないのか、とか、好きな人からうまく愛を受取れなかった時の、<中略>でも私たちは、確かに今は誰かの特別な人ではないかもしれないけど、振り返ってみれば、私たちだって誰かの特別な人だった。誰かの一番だったし、その人はきっと、どんな形であろうと、私たちを忘れていない。私たちは、今も誰かの頭の中で、生き続けている。だからそこまで、寂しがる必要など、ないのかもしれない。

<中略>芽衣子、生エビをフォークで刺す。照明で透けている情景描写。

<中略>
「恋愛に向いてるとか向いてないとか、あの子はブスだとか、かわいいとか、いったい誰が決めたのかな、みーんなそんなことばっかり気にして、まるで誰かに向かってエビみたいに、ぺこぺこ謝りながら、生きてるみたい」

<中略>弱気だった芽衣子の人生の断片がシャボンのように弾ける。

「でも、そんなこと言ったって、みんなそうだし、実力が伴ってないのにそんな堂々としてたらバカみたいじゃない? 第一私はそんな能天気になれないの。無理なの。結局女は選ばれなきゃダメなのよ。みーんなショーウィンドウに並べられて、無理してポーズとって生きてんの」

<中略>みそらの情景描写、芽衣子が夜風にあたろうと提案。



<中略>河川敷の情景描写


「みそらはさ、真面目なんだよ」
「そうなのかな」
 みそらは缶ビールを一口飲むと、ふう、とため息をついた。私もみそらも、綺麗なスカートなんて気にせず、川べりの土手に座り込んでいる。
「そうだよ。まじめで一途で、愛の渡し方を知ってる。素敵な女の子だよ」
「あはは、ありがとう」
 みそらは座りなおして、腕を伸ばした。
「私ね、いつもメンタルがやられるとさ、自分の悲しみに飲み込まれてしまうというか、必要以上にネガティブになってしまうの。それで周りの人たちを困らせてしまうのね。たぶんそれで、今回も彼氏に愛想を尽かされたの。…………やっぱり変わらなきゃだめなんだよね。じゃなきゃ私、本当に独りぼっちの、悲しい人になっちゃう」
 みそらはへへっと口角を上げて、ビールを一口飲んだ。
「みそらなら変われるよ。たぶんそうやってがんばってると、いい人にも巡り合えると思う」
「うん。ありがとう」
 みそらは腰を上げ、伸びをする。
「じゃあ、またね、お話しできて楽しかったよ。また連絡してね」
「うん。またね。みそら」
 人びとの悩み事が吐き出され、東京の川に流されていく。そんな暗くて綺麗な河川敷を、切り裂くようにして電車が通った。あれはきっと終電だろうか。私たちの悩みも、少し川に流しておいたから、明日からは少し体が、軽いかもしれない。
 みそらは、そういえば名前聞いてなかったね。と笑った。アメリアって覚えておいて。と言うと、なにそれ?バカみたいと、私たちは笑い転げた。

<中略>みそら帰宅。


<中略>河川敷の情景描写

でも、寂しいような。私も、そろそろ歩き出さなくてはいけない。ふと、高木くんのことを考えてしまった。私がバーに入る前、散々探していた高木くんの言葉を、今ならはっきり視認できる。

 高木くんは、私に好きと、一度でも言ってくれていたかしら。

 いや、いいんだ。私はこれでいいんだ。街も静かな午前零時。私は一人で、家に帰った。またね、みそら。幸せになってね。


 *


 それから、私は神木先輩と様々なところへデートに行った。私はどこだろうと先輩と一緒なら楽しかったし、エリカたちとのいじめの罪悪感も、先輩といるときだけは忘れることができた。
 ある日、テニス部の中である噂が立った。

<中略>みんなの噂話。神木さんには彼女がいる。会話。

<中略>芽衣子、吐き気が。来週は先輩とデート。

<中略>先輩の家でデート。芽衣子は何をしても上の空。そんな中先輩は急に告白。

「俺、水戸と一緒にいると楽しいし、なんか、守りたくなるっていうかさ……」
 彼の言葉の端々から、自信がにじみだしているように見えた。
「でも、先輩彼女いるんですよね……?」
「わたし、無理です。ごめんなさい」
 私が涙ぐみながらそう言うと、神木先輩は大声で怒鳴り始め、私を押し倒した。
「ふざけんな!! <中略>中学生なりの暴言」
 私は泣き叫びながら、やめてください! と連呼し、先輩の腕にかみついた。あんなに美しかった先輩の右腕から、鉄棒の味があふれだした。

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