ダイアログ小説(漫才)「同じ夢をみる」1300字
A「オレさぁ、最近ずっと同じ夢を見るんだよね」
B「えー、そんなことあるんだ。ちょっと怖いな」
A「なんか寝てても居心地が悪いっていうかさ」
B「夢って深層心理を映すとかって言うよね。なんか意味があるんじゃないの?」
A「つまんないんだよね」
B「え? つまんないの?」
A「先に進めないのが、嫌でさぁ」
B「先に進めない?」
A「いつも同じところから始まって、同じところで終わるんだよ」
B「おお、同じ夢だもんな」
A「なんか、リセマラしてるみたいでつまんないんだよ」
B「リセマラ? スマホゲームで最初にいいキャラが出るまでチュートリアルを繰り返す、あのリセマラ?」
A「解説ありがとう。そう、だから、あの夢の続きを見たいんだよね」
B「んー、それって、いまここで寝たら、その夢が見られるってこと?」
A「え、ここで寝るの? お客さんの前だぞ」
B「そうやって後回しにしてたら、ずっと同じ夢見ることになるんだぞ」
A「わかったよ、寝るけど、どうすればいいのさ」
B「夢を見始めたら、寝言で教えてよ。あの夢きた! って。そしたらその寝言と僕が会話して、次のステージに行かせてやるから!」
A「わかった、やってみよう」
A「・・・あ、あの夢きた!」
B「お、お前いま、どこにいるの?」
A「なに言ってんだよ、いまお前と漫才やってるじゃんかよ」
B「ああ、現実じゃなくて、夢の中で」
A「え? だから、夢の中で、夢の漫才やってるよ」
B「え、あ、これ? このネタの夢を、夢の中でも・・・あーこんがらがってきた」
A「いつも同じところで始まって、同じところで終わるんだよ」
B「そっかー、ごめんな、最近このネタばっかりやってるもんなぁ。つまんなかったかー」
A「なんか、リセマラしてるみたい」
B「リセマラ? スマホゲームで最初にいいキャラが出るまでチュートリアルを繰り返す、あのリセマラ?」
A「解説ありがとう。そう、だから、あの夢の続きを見たいんだよね」
B「あー、ごめんごめん! 一回起きて、一回起きて」
A「なんだよ、もう少しで続きが見られそうだったのに」
B「いや、このままだと僕も夢の中に閉じ込められちゃうから」
A「え、ここで寝るの? お客さんの前だぞ」
B「だから待ってくれよ、これ始めるといま何やってるかわからなくなるから」
A「なに言ってんだよ、いまお前と漫才やってるじゃんかよ」
B「ああもうダメかも。たぶん僕より怖いのは、このネタを2回以上見てる人なんだよな」
A「え? だから、夢の中で、夢の漫才やってるよ」
B「たぶんお客さんが怖いのは、こいつより、2回目なのに変わってない僕のスタンスなんだよな」
A「展開を変えたいのに、なんでお前はいつも同じセリフを繰り返すんだよ」
B「そんで、新ネタライブって言ってるのに、最初からこのくだりを入れてるのが怖すぎるんだよな」
A「なんか、リセマラしてるみたい」
B「あーもう、やめようやめよう。このままだとみんなで夢の迷宮に閉じ込められちゃうから。もういいよ」
A「またこの展開だよ、いつもここで終わっちゃう。なあ! あの夢の続きはどこで見られるんだよ!」
B「わかったよ、夢の続きは楽屋で見よう。どうもありがとうございました〜」
