Sum41
―――Sum41―――
親愛なるWoodへ
あなたがこの日記を読んでるとき、私は日本行きの飛行機の上にいるか、それかもうあっちに着いて、Fukushimaに向かっているところだと思う。Fukushimaへの直行便はないのだけれど、Tokyoの空港からFukushimaまでは、特急電車でそう難しくなく辿り着けるのだそうです。思ったより便利で驚きました。でも、電話で話したNatsumiのお母さんには、「思ったより何もないから、驚かないでよ」と言われてしまい、すごく緊張しています。向こうに着いたら、すぐに受験勉強を始めないといけません。Fukushima Innovation Coast構想というものがあって、いまいちばん大事な廃炉の技術のほか、いろんなことを学べる大学があり、私もNatsumiもそこに入るつもりでいます。いちおう試験は英語で受けられるみたいだけど、長い夏のあいだに勉強のほうはすっかりなまっちゃったから、がんばらないと。ね、本当に長い夏だったんだよ。そういえば、大学に入ってから、baseballはできるのかな。でも、どこにいても、私はbaseballをやると思うから。そうすることで、私はあの夏を、いつでも思い出せる気がするのです。
会いたいって言ってくれたのに、逃げるようにAmericaを出て、ごめんね。でも、会ったところで、あなたのtherapyにはならないと思うよ。ひどいことを言うようだけど、本当のことを言うと、私があなたにしたことを、私はぜんぶ、忘れています。だからあなたも、忘れてください。
big leagueのあるlegendが「いいpitcherになるための条件はなにか」と訊かれて、こう答えたそうです。「決して揺るがない信念と、忘れっぽいこと」だと。Woodはいいpitcherになれると思う。なれるよね。なって。そして私なんかいなかったみたいに、Cy Young Awardを取ってください。
いちおう、ほとんどは、嘘いつわりのない日記を書いたつもりです。でも本当は、最後の場面みたいに(Thomaがplateを踏み忘れるとは思ってもみませんでした。大泣きしてて、かわいかった)、小説を書いたほうがあなたに優しかったのかもしれない。この手紙も、格好をつけた書き出しで、封筒に住所まで書いたくせ、たぶん投函できないと思う。そういえば私、作文って苦手だったな。Woodは作文が得意だったから、もし見せてたら、いっぱい直されたかもね。直してほしかった。私にももし、feelingを小説にしてくれるような、愛すべきsteadyができたら。そのとき私は初めて、あなたにすべてを伝えられるような気がするのです。
いつか、私に手紙をくれて、ありがとう。すごくいい手紙だったよ。それから、俳句も素敵だった。She breedsに掛かっているkidで、私は救われたし、あなたは苦しんだんだと思った。でも、それはあなたの人生で、あなたの仕事だから。そして私にも、私の人生と、私の仕事があるはずです。私はあなたを好きではなかったかもしれないけれど、あなたの言葉が大好きでした。私がbaseballを好きになれたのは、間違いなくあなたのおかげです。
Fukushimaに着いたら、まず海へ行って、私の気持ちを書いたbaseballを、海に流そうと思います。もしもWinter Hevenに帰ることがあれば、海に行ってみてください。
さようなら。
あなたのお姉ちゃんより

