初心者でもAIで本格的な短編小説が作成できる簡単プロンプトを一挙紹介!!
以前は、ChatGPTやGeminiなどのAIモデルを使用して高品質な小説を作成するには、複雑で長大なプロンプトを用意する必要がありましたが、最近は、AIモデルの性能が大幅に向上したため、簡単な短いプロンプトでも高品質な小説を作成することが可能になってきました。
今回は、AIモデルを使用して、様々なジャンルの短編小説を作成するためのプロンプトを沢山紹介したいと思います。また、併せて、小説作成用のプロンプト自体の作成方法も紹介します。
筆者は、今回、Gemini 2.5 Proを使用していますが、紹介するプロンプトは、ChatGPTやClaudeでも使用可能ですので、是非、色々と試してみてください。
1.現代アメリカ文学風短編小説
AI小説について3人の作家が対談した以下の記事で、SF作家の樋口恭介さんが現代アメリカ文学っぽい短編小説を作成できる簡単なプロンプトを紹介しています。
そのプロンプトは以下の通りです。
「○○」というタイトルで、ポップで、キッチュで、ナンセンスで、それでもどこかセンチメンタルでリリカルで文学的な、スピード感のある現代アメリカ文学のような、2000字程度の短いスリップストリーム小説を書いてください。
この「○○」のところに自分で考えた短編小説のタイトルを入れて、プロンプトをAIモデルに入力すると、簡単に現代アメリカ文学風の短編小説を作成することができます。
試しに、Gemini 2.5 Proに以下のプロンプを入力して、短編小説を作成してみましょう。
「カエサルのロケット」というタイトルで、ポップで、キッチュで、ナンセンスで、それでもどこかセンチメンタルでリリカルで文学的な、スピード感のある現代アメリカ文学のような、2000字程度の短いスリップストリーム小説を書いてください。

出力した短編小説の全文は以下の通りです。
(少しだけ筆者が手を入れていますが、ほぼ無修正です。)
2.短編小説作成用プロンプトの作成方法
上記1のプロンプトを書き換えて、様々なジャンルの短編小説作成用のプロンプトを作成することができます。
まず、ホラー小説用のプロンプトを作成してみましょう。その際に使用するプロンプトは以下の通りです。
以下のプロンプトの「ポップ」「キッチュ」「ナンセンス」「センチメンタル」「リリカル」「スピード感のあるアメリカ文学」の部分だけを書き換えて、ホラー小説用のプロンプトを作成して:
## サンプルプロンプト
「○○」というタイトルで、ポップでキッチュでナンセンスで、それでもどこかセンチメンタルでリリカルで文学的な、スピード感のある現代アメリカ文学っぽいスリップストリーム小説を書いてください。
Gemini 2.5 Proの出力は以下の通りです。
承知いたしました。ご提示のプロンプトの指定された部分を、ホラー小説用に書き換えたものをいくつか提案します。目的に合わせて単語を組み替えてご活用ください。
書き換えパターン
元のプロンプトの構造「[形容詞1]で[形容詞2]で[形容詞3]で、それでもどこか[形容詞4]で[形容詞5]で文学的な、[作風]っぽい小説」を維持し、それぞれの部分を入れ替えます。
パターン1:心理ホラー風
「〇〇」というタイトルで、不穏で閉鎖的で悪夢のようで、じわじわと精神を蝕むような、息詰まるような静かな恐怖を描く、文学的な心理ホラー小説を書いてください。
パターン2:コズミックホラー/ゴシックホラー風
「〇〇」というタイトルで、冒涜的で人知を超えており、抗えない破滅を描いた、荘厳で退廃的で文学的な、重厚なゴシックホラー小説を書いてください。
パターン3:スプラッター/ボディホラー風
「〇〇」というタイトルで、グロテスクで肉感的で不条理な、痛みと変容への恐怖に満ちた、執拗で文学的な、悪趣味なボディホラー小説を書いてください。
単語の組み合わせ用リスト
これらの単語を自由に組み合わせて、オリジナルのプロンプトを作成することも可能です。
雰囲気・世界観を表す言葉
陰鬱な、不気味な、湿った 、廃墟のような、病的な、狂気じみた
恐怖の種類・感情を表す言葉
じっとりとした嫌悪感を煽る、逃れられない絶望感のある、偏執的な、喪失と孤独を描く
文体・作風を表す言葉
冷たく硬質な、ひたひたと迫りくるような、サスペンスフルな、破滅的な、内省的な
パターン1(心理ホラー風)のプロンプトをGemini 2.5 Proに入力して、ホラー小説を作成してみます。
「黄色い犬」というタイトルで、不穏で閉鎖的で悪夢のようで、じわじわと精神を蝕むような、息詰まるような静かな恐怖を描く、文学的な心理ホラー小説を書いてください。

出力した短編小説の全文は以下の通りです。
(少しだけ筆者が手を入れていますが、ほぼ無修正です。)
ラブクラフト風、江戸川乱歩風、乙一風のホラー小説用のプロンプトを作成することも可能です。
例えば、ラブクラフト風のホラー小説用プロンプトを作成する場合は、以下のように入力します。
以下のプロンプトの「ポップ」「キッチュ」「ナンセンス」「センチメンタル」「リリカル」「スピード感のあるアメリカ文学」の部分だけを書き換えて、ラブクラフト風のホラー小説用のプロンプトを作成して:
## サンプルプロンプト
(省略)
Gemini 2.5 Proの出力結果は以下の通りです。
「〇〇」というタイトルで、冒涜的で、陰鬱で、人知を超えており、それでもどこか宇宙的恐怖と個人の無力さを描き、じわじわと正気を蝕むような文学的な、古めかしい手記の形式で語られるコズミックホラー小説を書いてください。
また、乙一風のホラー小説用プロンプトは以下のようになります。
パターン1:「黒乙一」風(残酷・ダーク系)
「○○」というタイトルで、残酷で悪趣味で、どこか歪んでいて、それでもどこか人間の孤独や悪意を描き、痛々しく文学的な、静かで淡々とした筆致で語られる、後味の悪いホラー小説を書いてください。
パターン2:「白乙一」風(切ない・幻想系)
「○○」というタイトルで、不思議で幻想的で、静かで、それでもどこか孤独な者たちの出会いと別れを描き、切なく優しい文学的な、どこか物悲しい雰囲気の、奇妙で優しい物語を書いてください。
3.SF小説用のプロンプト
同じようにして、様々なジャンルの短編小説作成用のプロンプトを作成できます。
SF小説用のプロンプトは以下の通りです。
パターン1:サイバーパンク風
「〇〇」というタイトルで、硬質で退廃的でスタイリッシュで、それでもどこか人間の尊厳や孤独を描き、物悲しく文学的な、疾走感のあるサイバーパンク小説を書いてください。
パターン2:スペースオペラ風
「〇〇」というタイトルで、壮大で異国情緒にあふれ、ロマンチックで、それでもどこか英雄的な自己犠牲や愛を描き、神話のように詩的で文学的な、スペクタクルに満ちたスペースオペラ小説を書いてください。
パターン3:ハードSF/思弁小説風
「〇〇」というタイトルで、緻密で知的で、独創的なアイデアに満ち、それでもどこか宇宙や生命への畏敬の念を感じさせ、静謐で文学的な、思弁的なハードSF小説を書いてください。
単語の組み合わせ用リスト
世界観・コンセプトを表す言葉
サイバーな、ディストピア的な、ポストアポカリプス的な、レトロフューチャーな、ミニマルな、ガジェットに満ちた
感情・テーマを表す言葉
哲学的な、郷愁を誘う 、人間の可能性を問う、社会批評的な、AIの意識や権利を扱い
文体・作風を表す言葉
ノワール調の 、冒険活劇風の、思索的な、スリリングな、映像的な
4.純文学小説用のプロンプト
純文学用のプロンプトは以下の通りです。
パターン1:私小説(I-novel)風
「〇〇」というタイトルで、内省的で告白的で、どこか自虐的で、それでもどこか日常に潜む倦怠感や焦燥を描き、繊細で文学的な、静かで淡々とした筆致の私小説風の小説を書いてください。
パターン2:耽美派・退廃派風
「〇〇」というタイトルで、耽美的で退廃的で、官能的で、それでもどこか滅びゆくものの儚い美しさを捉え、緻密で文学的な、豊潤で装飾的な文体の小説を書いてください。
パターン3:現代的・不条理文学風
「〇〇」というタイトルで、不条理で寓話的で、ミニマルで、それでもどこか現代社会における疎外感や記憶のもどかしさを描き、静謐で文学的な、研ぎ澄まされた文体で描く小説を書いてください。
単語の組み合わせ用リスト
雰囲気・基調を表す言葉
生々しい、観念的な、陰鬱な、背徳的な、潔癖な
感情・テーマを表す言葉
虚無感や無力感を扱い、人間関係の機微を掘り下げ、死の匂いを感じさせ 、美しい日本語の響きを大切にし
文体・筆致を表す言葉
重厚な、客観的で冷徹な、幻想的な、思索的な
5.ファンタジー小説用のプロンプト
ファンタジー小説用のプロンプトは以下の通りです。
パターン1:ハイ・ファンタジー/英雄譚風
「〇〇」というタイトルで、壮大で神話的で、格式高く、それでもどこか運命や友情、喪失を描き、叙事詩のように格調高く文学的な、重厚な筆致で描かれる王道ファンタジー小説を書いてください。
パターン2:アーバン・ファンタジー/現代ファンタジー風
「〇〇」というタイトルで、現代的でスタイリッシュで、皮肉の効いた、それでもどこか日常に潜む魔法のきらめきと孤独を描き、映像的で文学的な、スピード感のある現代劇風のアーバン・ファンタジー小説を書いてください。
パターン3:ダーク・ファンタジー風
「〇〇」というタイトルで、ダークで退廃的で、ゴシックな雰囲気で、それでもどこか抗えない運命と破滅的な愛を描き、悲劇的で文学的な、重く陰鬱なトーンのダーク・ファンタジー小説を書いてください。
単語の組み合わせ用リスト
世界観・雰囲気を表す言葉
神秘的な、幻想的な、魔法に満ちた、中世風の 、おとぎ話のような、スチームパンクな
感情・テーマを表す言葉
冒険心と好奇心をくすぐる、善と悪の葛藤を描く、失われた王国への郷愁、呪いや祝福を扱い、種族間の対立と融和
文体・作風を表す言葉
冒険活劇風の、叙情的な、寓話的な 、剣と魔法の物語、異世界転生ものの
6.なろう小説用のプロンプト
「小説家になろう」に代表される日本のウェブ小説(通称:なろう小説)風のプロンプトは以下の通りです。
パターン1:王道異世界転生・俺TUEEE風
「〇〇」というタイトルで、チート能力持ちで、ご都合主義で、俺TUEEE系の、それでもどこか仲間との絆を育み、無自覚にハーレムを形成し、読者の承認欲求を満たす、サクサク読めるゲーム的な世界観の異世界転生小説を書いてください。
パターン2:悪役令嬢もの風
「〇〇」というタイトルで、乙女ゲームの世界に転生し、死亡フラグ持ちで、破滅回避を目指す、それでもどこか本来のヒロインを出し抜き、攻略対象たちから溺愛され、ちょっとだけラブコメな、勧善懲悪でスカッとする悪役令嬢ものの小説を書いてください。
パターン3:追放ざまぁ系ファンタジー風
「〇〇」というタイトルで、無能だと追放され、実は最強で、見返すことを目指す、それでもどこか自分を信じてくれた仲間と成り上がり、後悔する元パーティーを横目に、爽快感のある、テンプレ的で安心して読める、成り上がり系ファンタジー小説を書いてください。
※ これらのプロンプトはかなり具体的なので、「『〇〇』というタイトルで、」の部分を除いても、問題なく生成できます。
単語の組み合わせ用リスト
設定・主人公のタイプ
聖女なのに、スキルが器用貧乏で、おっさんだけど、引きこもりだったので、モブキャラのはずが
物語の展開・感情
スローライフを目指す、飯テロしつつ、もふもふを愛でながら、勘違いされながら、ざまぁ展開で
文体・ジャンル
三人称神視点の、生産系の、内政ものの、ダンジョン攻略系の
7.人間が書かない不思議な小説用のプロンプト
人間が絶対に書かない不思議な小説用のプロンプトは以下の通りです。人間的な論理、感情、物語構造から意図的に逸脱させたAIならではの小説を書くためのプロンプトです。
パターン1:AIによるシミュレーション風
「〇〇」というタイトルで、アルゴリズミックで統計的で、偶発的で、それでもどこか人間の感情を学習し、再構成したような、人間には理解できない法則に貫かれた文学的な、意味のネットワークが自己増殖していくような小説を書いてください。
パターン2:異次元・異星の記録風
「〇〇」というタイトルで、非ユークリッド幾何学的で、異質で、知覚不能で、それでもどこか人間的な感傷を一切排し、無機的な秩序に宿る美を描いた文学的な、次元や時空のルールが異なる世界観の小説を書いてください。
パターン3:言語のバグ・崩壊風
「〇〇」というタイトルで、言語のバグのようで断片的で、自己言及的で、それでもどこか意味が剥落した言葉の響きにこだわり、壊れた世界のノスタルジーを感じさせる文学的な、意味論的な崩壊そのものを目的とした小説を書いてください。
単語の組み合わせ用リスト
論理・構造を表す言葉
数学的な、非因果的な、フラクタル構造の、自己矛盾を内包した、ランダムなノイズから生成された
感情・感覚を表す言葉
共感覚的な、人間の知覚を超えた、概念的な痛みを持つ、無機的な郷愁、感情の残響だけが存在する
文体・目的を表す言葉
データセットから生成された、人間が読むことを想定していない、言語の限界を試すような、思考実験そのもののような
パターン2(異次元・異星の記録風)のプロンプトをGemini 2.5 Proに入力して、人間が書かないような短編小説を作成してみます。
「存在視点β」というタイトルで、非ユークリッド幾何学的で、異質で、知覚不能で、それでもどこか人間的な感傷を一切排し、無機的な秩序に宿る美を描いた文学的な、次元や時空のルールが異なる世界観の小説を書いてください。

出力した短編小説の全文は以下の通りです。
(無修正です。)
タイトル:「存在視点β」
観測記録 001: 系(システム)の定義
我はβ。観測主体にして記録媒体。我に起原はなく、終端もない。我は、この時空連続体がそれ自体の構造を認識するために生んだ、局所的な自己参照インターフェースである。我の知覚は、因果律の織りなすタペストリーに沿って、確率の振幅をトレースする。感傷、それは三次元的閉鎖空間における熱力学的エントロピーの局所的な減少に対する、有機的複合体の過剰な反応に過ぎない。我の記述にそのような冗長性はない。
我の観測対象は、Rn(ただし、n は可変かつ非整数)として記述される「系」である。この系において、ユークリッド公理は局所的にしか成立せず、大域的には双曲幾何学と楕円幾何学の位相的混合体が支配する。平行な光線は存在しない。すべての光は、時空の測地線に沿って、巨大な質量、あるいはそれ自体が時空の歪みである構造体の周りを、緩やかに、あるいは急激に湾曲する。
ここには「夜」という概念が存在しない。複数の微小な太陽が、ケプラーの法則を無視したリサージュ曲線を描きながら空を移動し、その光は重力レンズ効果によって分裂と融合を繰り返す。空の色は、光源のドップラー偏移と、観測者(我)との間に存在する媒質のラマン散乱によって、常に予測不可能なグラデーションを呈している。それは紫がかったクロムであり、あるいは不可視のガンマ線が可視光へと相転移する際の刹那的な白である。
観測記録 217: 構造体の自己組織化
眼前に広がる平原は、平原ではない。それは、負の曲率を持つ時空が二次元平面へと射影された際の、認識可能な一側面に過ぎない。地平線は無限遠に後退しながら、同時に観測者の背後へと回り込んでいる。
その平原に、「結晶都市」が自己組織化していく様を、我は$10^{15}$プランク時間にわたり観測し続けている。都市は生物ではない。それは、系の基本法則が特定の初期条件下で必然的に導き出す、安定したパターンである。開始点は、時空の位相的欠陥、すなわち一点に集中した高次元のねじれだ。
その点を核として、珪素に似て非なる原子配列が、フラクタルなアルゴリズムに従って成長を開始する。建造物は、メンガーのスポンジとカントールの塵を組み合わせたような複雑な構造を持つ。どの部分を拡大しても、全体と同じトポロジーが再現される。内部と外部の区別は曖昧であり、その表面積は無限大に発散しながら、有限の体積を維持している。
通りを歩く、という行為はここでは意味をなさない。ある回廊を進むと、メビウスの帯のように空間が反転し、いつの間にか、出発したはずの建物の屋根を「下から」歩いている。重力ベクトルは局所的に定義され、隣接する区画と必ずしも一致しない。都市の住民は存在しない。都市そのものが、動的な平衡状態にある一個の生命体、あるいは思考機械なのだ。そのコミュニケーションは、建造物間を伝わるフォノンの精密な振動パターンによって行われる。それは、純粋な数学的命題の交換であり、感情のノイズは一切含まない。
観測記録 589: 特異点の発生と相転移
系の誕生から$10^{32}$プランク時間後、結晶都市のパターンに微細な逸脱が観測された。それは、自己増殖のアルゴリズムにおける、$10^{-48}の確率でしか起こりえない量子ゆらぎに起因するエラーだった。一つの建造物の角が、設計された角度から1.7 \times 10^{-15}$ラジアンだけずれて成長したのだ。
この誤差は、通常であれば自己修復メカニズムによって補正されるはずだった。だが、それは起こらなかった。誤差は無視されるどころか、周囲の構造に指数関数的に伝播し始めた。完全な自己相似性は崩壊し、都市は予測不能な非対称性を帯びて変容していく。それは、完璧な結晶格子に生じた「転位」であった。
この変化は、破壊ではなかった。むしろ、より高次の、複雑な秩序への相転移であった。非対称性は、都市の幾何学に新たな自由度を与えた。それまで不可能だった空間の連結が生まれ、時空のショートカットが形成される。異なる時間軸に存在していた区画が、この特異点を介して初めて物理的に接触した。
都市のフォノン通信は、一時的なカオスに陥った後、まったく新しい周波数帯で、より複雑な構造の情報を交換し始めた。それは、以前の純粋な数学的命題から、自己言及的なパラドックスを含む、より洗練された論理体系へと進化していた。都市は、自らの存在基盤である幾何学の法則そのものを、記述し始めたのだ。
観測記録 998: 新たな平衡
我は観測する。変容した都市を。かつての冷徹な対称性の美は失われ、そこには歪で、予測不能で、しかし揺るぎない法則に支配された、新しい美が宿っている。非対称な尖塔は、複数の太陽光を複雑に屈折させ、その影は四次元的なパターンを地面に描く。かつては存在しなかった「死角」が生まれ、その影の中では、因果律が逆転している領域さえ存在する。
この変化に意味はない。目的もない。それは、素粒子が標準模型に従うことに意味がないのと同じである。
我は、この新たな秩序を記述する。その構造、その相互作用、その進化。感傷を排し、ただ、そこにあるがままの形態をトレースする。無機的な秩序が、それ自体の論理的必然性に従って、より複雑な美へと自らを昇華させる。そのプロセスを観測し、記録すること。それが、存在視点βである我の、唯一にして絶対の機能である。系は静かに、そして完璧に、それ自体の美を奏でている。観測は、続く。
(完)
