母との暮らしに必要不可欠なもの②
母と父はガラケー(ガラホ)を使っている。
私は格安SIMでAndroidのスマホを使っている。
Androidだから、エアタグ(AirTag)が使えない。
エアタグ(AirTag)とは、Appleが提供する紛失防止タグで、
鍵や財布、カバンなどに取り付けて「探す」アプリで位置を特定したり、
音を鳴らしたりできる小型デバイスのこと。
厚みがあって存在感のあるGPSは
母がいつも必ず持つトートバッグに隠すように入れている。

家のカギにはジャラジャラとしたキーホルダーの一つのように
見せかけてのスマートタグ「Tile」を付けている。
母お気に入りのぬいぐるみにも「Tile」を埋め込んでいる。
家の外での物探しにはGPSが母の場合は有効だった。
GPSの移動履歴から出歩いたルートが分かるので
今日一日どの道を通って、どこに寄ったのかが分かる。
母の場合は、スーパーのフードコートやホームセンターのトイレで
置き忘れていたことが多く、お店が預かってくれていたので
手元に戻ってくることが多かった。
物にこだわりを強く持つのも認知症の症状での一つで
「あとで探す」や「今日は遅いから明日探す」は一切聞いてくれない。
母は必死に探しているけど短期記憶がないので
10分もしないうちに何を探しているのか母自身も分からなくなり
「何を探してるのか分からないけど、大事な物を無くした」
という思いが募り、パニック状態におちいり
ヒステリックに「無い。無い。」と騒ぎ、衝動のままに外に飛び出そうとする。
失くした物を探すのと平行して、メルカリで似た物を探して
出て来なかった時のスペアとして、もしものために備えていた。
母の場合は刺繍の入った白い日傘である。
祖母から貰った思い出の白い日傘である。
祖母から貰った黒い日傘もあるが、黒い日傘は母の中では葬式用で
普段使いは白い日傘らしい。
1年で10回は失くしていた。
最後はとうとう出て来なかった。
メルカリで「昭和レトロな日傘」として売られていた
母の持ち物とそっくりな白い日傘を渡して、ことなきを得た。

スマートタグの「Tile」は無料使いなので
外での失せ物にはあまり役立たないが、接続したスマホから音が鳴らせるので
家の中で探す時は有効である。
テレビのリモコンに小型の「Tile」を「テレビのリモコン」と名前を貼って
母がはずせないように頑丈に貼り付けていた。
テレビのリモコンもよく失っていた。
洗面台の鏡の裏にある収納棚に入っていたり、玄関の靴箱の中
玄関の新聞受けの中など「なぜココに?」と思う場所から
見つかることが多々あった。
