組織拡大で何が変わるのか|5人・50人・150人・300人で変わる組織の仕組み
組織は人数が増えると、単純に同じチームのまま大きくなるわけではありません。
5人で問題なくできていた情報共有が、50人になるとうまく回らなくなる。150人になると、全員の顔や役割を把握すること自体が難しくなる。さらに人数が増えれば、チーム同士がどう連携するかまで考える必要が出てきます。
私自身、これまで5人で立ち上げた会社を100人弱まで拡大し、現在の事業では6人から300人規模まで拡大してきました。
振り返ると、組織には人数が増えるだけではなく、動き方そのものが変わるポイントがあると感じます。
5人なら会話だけでも情報を共有できる
5人ほどのチームであれば、誰が何をしているのかを自然に把握できます。
何か判断が必要になったときも、その場で話せば関係するメンバーに情報が伝わります。役割を細かく決めなくても、日々の会話の中で調整できることが多い規模です。
人数が少ないため、情報共有の仕組みを細かく設計しなくても、大きな問題になりにくい状態とも言えます。
ただ、このやり方を人数が増えてからも続けるのは難しくなります。
50人になるとコミュニケーションの経路が爆発的に増える
人数が増えたときに変わるものの一つが、コミュニケーション経路の数です。
潜在的なコミュニケーション経路は、n(n−1)/2で増えていきます。
5人であれば10通りですが、50人では1225通りになります。人数は10倍ですが、コミュニケーション経路は約122倍です。
もちろん、実際に全員が全員と常にやり取りするわけではありません。それでも、誰に確認するのか、誰まで共有するのか、どこで判断するのかという確認項目は増えていきます。
このあたりから、チームを分ける、マネージャーを置く、レビューを行う、会議で情報を揃えるといった仕組みが必要になります。
少人数のころと同じように会話だけで同期しようとすると、共有されている情報に差が出やすくなります。
150人を超えると、全員を直接把握できなくなる
150人前後には、もう一つ分かりやすい変化があります。
人間が安定して関係を維持できる人数には限界があると言われており、その目安として知られているのがダンバー数です。おおよそ150人前後とされています。
この規模になると、全員の顔と役割を把握したり、文化や判断基準を一人ひとりに直接伝えたりすることが難しくなってきます。
そこで必要になるのが、制度、ルール、評価基準などです。
誰かが毎回説明しなくても、「この会社では何を基準に判断するのか」が分かる状態を作らなければ、チームごとに判断が変わりやすくなります。
人数が増えるほど、個人同士の関係だけではなく、共通の判断基準をどこまで言葉にできているかが問われるようになります。
300人を超えるとチーム間の連携スピードが組織を左右する
300人の組織を10人前後のチームで考えると、約30チームになります。
ここまで増えると、一人ひとりの能力だけを見ていても、組織全体の動きは説明しにくくなります。
あるチームの判断を別のチームが知らない。確認先が分からない。似た作業を別々のチームで進めてしまう。こうした状態が増えれば、それぞれのチームがしっかり仕事をしていても、組織全体では確認や調整に時間がかかります。
この規模では、チーム同士をどのようにつなぐか、情報をどこまで共有するか、誰がどの範囲を判断するかといった連携構造が、組織のスピードを左右します。
少し余談ですが、日本の制度でも「300人」という数字が企業規模の区分として出てきます。業種によりますが、製造業では従業員300人以下が中小企業の定義に含まれるケースがあります。
人間関係を中心に動ける組織から、制度や仕組みを使って動く組織へ変わっていく一つの目安として、このあたりの人数には興味深さを感じます。
人数が増えたときに確認したいのは、情報の同期方法
人数が増えて難しくなる理由を、個人の能力や努力だけで考えると整理しにくくなります。
人数が増えれば、共有する情報、確認する相手、判断するポイントも増えます。
そのため、組織の規模に合わせてチーム構造を見直す。情報をどこで共有するかを決める。判断基準を言葉にして、誰かに確認しなくても進められる範囲を増やす。
こうした仕組みが揃っていれば、人数が増えても毎回全員で情報を合わせる必要はありません。
少人数のころは人同士の関係で補えていた部分を、人数が増えるにつれて仕組みに変えていく必要があります。
私自身も、現在の規模でどうすれば組織のスピードを保てるのか、今も試行錯誤を続けています。
組織が大きくなったとき、「以前より連携が悪くなった」と感じたのであれば、人の問題だけを見るのではなく、今の人数に対してチーム構造や情報共有、判断基準が合っているかを確認してみると、次に見直すポイントを整理しやすくなると思います。
おわりに
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