胸が岩になった話。
出産後から母乳が軌道に乗るまで。
前回の続きです。
【入院生活】
個室に案内してもらい、素敵な部屋と可愛いミキハウスのギフトにテンション上がる。しかも今日1日は預かってもらえるからゆっくり休めて安心。
すぐ昼食が来たり、15時のおやつが来たりしたけど、それ以外はぐっすり寝られた。近しい人に報告しつつも、出産直後から赤ちゃんに会ってないし、まだまだ実感がない。お腹の中にまだいる気もする。部屋にはハーブティーの用意もあったり、夜食もあったり、シャワーは浴びれないけどスキンケアゆっくりしたりしつつ就寝。
翌朝、診察などを終えてお昼の後、赤ちゃんが部屋にやってきた。まだ名前もついてない赤ちゃん。小さくて尊くて。一緒のタイミングで寝なきゃとも思うけど、心配で。ベッドから見える位置にコットを移動し、メガネつけたまま寝てた。後陣痛もあり、助産師さんのお言葉に甘えて夜間は赤ちゃんを預かってもらうことにした。昼間の授乳が痛くて、今後母乳育児ができるのか不安になり、ほとんど寝れなかった。授乳ってこんなに痛いの?出る出ない以前に痛くて続けられない。臨月の時から母乳少し出てたから、大丈夫だろうって余裕こいてた。マッサージもなんとなくしていたけど、全然力が足りなかったっぽい。
産後2日目の夜、胸が岩になる。
とりあえずと保冷剤を貸してもらって痛みは一時的に引くものの、カッチコチのまま。
乳腺を開通させるために助産師さんに3時間おきにマッサージをしてもらう。陣痛とはまた違う痛みで涙が出た。それでもまだビヨ○セの胸(イメージです)みたいにパンッパンに張っている。直母は痛すぎて、ほんのわずかな、搾乳した母乳をあげる。赤ちゃんは吸うのが上手なのに申し訳ない…。吸ってもらった方が楽になるだろうってことで母子同室だったけど私も赤ちゃんもあまり寝れず。冬場の乾燥もあり、母乳パッドに血が付くくらい荒れていた。タオルやシャワーの水が当たるだけでも痛い。
3日目に助産師さんに見てもらい、これはすごい(張りが)と、分娩台で胸の圧抜きをしてもらうことになった。約1時間、喋れないほど痛かったけど、かなり楽になったし、いつも通りのサイズに戻った。搾乳の量も増えてきて、張って痛みはあるけど岩になることはなくなった。ほとんど搾乳だったけれど、念の為にと用意していたニップルシールドを旦那に持ってきてもらい、直母に挑戦。10g、15gと増える度に助産師さんと一緒に喜んだ。
4日目、赤ちゃんが黄疸の数値に引っかかり、治療のため一緒に退院できないと話があった。わけがわからず半泣きで助産師さんに詳しく聞く。健康に産めなくてごめんってすごく落ち込んだけど、母や友達に連絡したら「うちも(弟も)そうだったよ、大丈夫」と教えてくれて、よくあることなのかとかなり楽になった。
おかげで夜のお祝い膳もリラックスして楽しめた。1人で食べるのは寂しかったけど。お刺身とチーズケーキにテンション上がった。
治療中の赤ちゃんに3時間おきに搾母乳を届けに行く。今自分にできることはこれしかないって思いながらやってた。
5日目、自分が退院する前に赤ちゃんに面会。光治療専用のコットで寝てる赤ちゃんを見て、涙が出てくる。久しぶりに直母に挑戦し、痛みはすごかったけど我慢できた。飲んでくれてありがとう。数値が落ち着いたら明日退院できる、多分大丈夫だと思うと聞いて少し安心した。
自分だけ退院し、帰りの道中富士山が見えたのが印象的だった。胸が張ると大変なので、帰りに西松屋でPigeonの電動搾乳機を買った。この頃には搾乳だと両方で80mlほどとれるようになった。
6日目、治療の結果、黄疸の数値が落ち着いて無事退院。何度も感動や心配で泣いたけど、振り返ると宝物のような時間。
新生児期間、搾乳と足りない分をミルクで3時間おきに授乳した。2〜30分搾乳、搾母乳をあげてる間に旦那がミルクの準備、ミルクをあげてゲップに10〜15分(なかなか出ない…)、どちらかが寝かしつけしてる間に哺乳瓶と搾乳機の消毒、と夫婦で協力しても1時間半ほどかかる。しかも母乳だととんでもなくお腹が空いて、なにか食べたりしてるともう次の授乳時間が迫ってきてたり。
それでも家事は本当に全部旦那がしてくれて、夜間も一緒に起きてくれて、母(保育士)も泊まり込みで手伝いに来てくれて、子は可愛いし毎日幸せだった。あと我慢してた海鮮を食べまくった。
2週間検診の時に直母で授乳してみたけど、それ以外はずっと搾乳。痛いし、無理に直母にしなくてもいいって助産師さんにも言われてたから、睡眠時間削られるけど、母乳量が見えると楽しいしもうずっと搾乳でいいやって思ってた。搾乳でも毎回ピュアレーンを塗ってケアしてた。
生後40日頃、市の新生児訪問で助産師さんが自宅に。絶対直母が楽だよ〜。見てあげるからやってごらん。と言われるがままやってみる。痛い。けどピュアレーンを毎日塗ってたから表面の痛みはまし。乳頭がまだまだ柔らかくないから、咥えた時の痛みが大きかった。あげる前にマッサージをすると良いと聞いた。まあでもなんとかできたと思い、そこから直母(ニップルシールド着用)で続けようと決める。搾乳を混ぜてもより痛くなることはわかってた。
そこから数日が産後で一番大変だった。乳頭を加えられた時の耐え難い痛み、吸われてる時の不快感(D-MERというらしい)、終わった後母乳が作られる時の痛み(これが長い)、時間が経った後の張りの痛み。授乳後、寝なきゃなのに痛くて寝れない。また2時間後には授乳の痛みが来るのか。こんなんだったら搾乳を続けてたら良かった。授乳しなくても痛い。授乳しても痛い。授乳が怖い。逃げ場がない。消えたい。
そして何より、この子を可愛いと思えなくなったらどうしようという不安が大きかった。夜にどうしようもなくなって泣けてきて、このままじゃ育児が楽しめないかもって旦那に打ち明け、藁にもすがる思いで母乳外来を予約した。搾乳から直母に移行してからの痛みをどうにかしたき、鬱になりそうだから今後の方向性を相談したいと伝えた。
直母を始めて5日後、母乳外来の助産師さん?が出張で来てくれた。バスタオルを敷いた布団に横になって、マッサージをしてくれた。痛いんだろうなと覚悟してたけど、全然痛くないマッサージだった。指をピロピロして優しくあてる感じ。実際に赤ちゃんが吸ってるようなマッサージ法らしい。マッサージをしてもらって一時的にだけどかなり楽になった。今まで頑張ったねとも言ってもらえて泣きそうになった。需要(赤ちゃんが必要な量)と供給(母乳量)が一致するまでに3ヶ月かかると聞いて、気が遠のいた。とにかく吸ってもらうしかない。搾乳だと詰まってしまうことがあるから、できるだけ直母でと聞いた。直接授乳してるところも見てもらったけど、途中で耐えられなくなってニップルシールドを付けた。ニップルシールドだと乳腺全て吸えないこともあるらしいけど、吸う力が強いのかニップルシールドをしてても問題なさそうという見解だった。
マッサージしてもらってからは、痛みはまだあるものの、以前よりはましになった。まだ精神統一しないと授乳できなかった。右はフットボール抱き、左は普通に横抱きであげてたけど、フットボール抱きから横抱きに変えるととんでもなく痛くなった。ピュアレーン+ラップで毎回ケアしていた。(毎回ラップするのはあまり良くなかったらしい)気持ちの問題かもしれないけど、ミルクスルーブレンドというハーブティーもお守りのように飲んでた。授乳後の痛みには、充電式のアイマスクを胸に当てて対処してた。湯船でもマッサージをしてた。冷えると痛むことがわかったから、なるべく体を冷やさないようにした。
ニップルシールドなしでは怖いけど、少しずつ痛みがましになっていった。
生後1ヶ月と20日、鬱になりそうだった時に予約していた産後ケアに宿泊。母乳のあげ方、母乳量を見てほしい、できればニップルシールドを外したいと希望を伝えた。正しい母乳のあげ方やコツを教えてもらい、ニップルシールドを外してあげてみる。すると、付けてても付けてなくても痛みは変わらないことがわかった。あとは大丈夫そうだね、と子と2人で授乳した。初めてまともに、直母で授乳できてる。一生懸命吸ってくれる子がより愛おしく、つい写真を撮る。母乳量も毎回90〜140出ていることがわかり、今まで搾乳も3時間おきに頑張ってたからだよと助産師さんが褒めてくれた。母乳で悩んでた時間が報われた気がした。
生後2ヶ月半経った頃には痛みもほぼなくなり、3ヶ月経った頃には完母になった。2度目の産後ケアでは、必要な分だけ出る理想の形。乳腺炎もここまでくれば大丈夫だと思うって助産師さんが言ってくれた。
母乳が軌道に乗れば、哺乳瓶消毒もなく身一つで授乳できるからとても楽。痛みもなくどれだけ引っ張られても大丈夫。ピュアレーンもハーブティーも全く使ってない。5ヶ月経って、子も7〜8時間続けて寝てくれるようになって、一回起きて搾乳するときもあれば、朝まで寝ることもある。
もうすぐ離乳食も始める予定で、卒乳に近づいてるんだなと思うと寂しい気持ちさえある。
出産とはまた違う種類の痛み、終わりの見えない辛さ。出産も母乳も女性が…どっちか男性の役割だったらいいのに。不公平だって思ってた時期もあったけど、途中からだ自分じゃなきゃという使命感に変わった。あと、産後ということもあり人は簡単に鬱になってしまうんだなって思った。自分は性格的にミルクにした方が鬱になりやすいだろうと思ったから母乳を続けることにしたけど、鬱になるぐらいなら混合でもミルクでもこだわらなくていいし、産後ケアとか母乳外来とか、すぐに周りを頼った方がいいと思った。助産師さんは本当に女神。また卒乳のタイミングでお世話になりたいと思ってる。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
