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「いいよ。ありがとう」

6月22日

 一年くらい歯科医院に通って、あれこれ試していたが、その歯はやっぱりダメだそうで、インプラントにすることになった。
 当日の施術は、ベッドの上で麻酔で眠る。
 寝ているあいだに、施術は終わる。
 目が覚めても、予想以上に麻酔がきいているようで、ふらふらする。
「歩けますか?」
 と歯科衛生士さんに聞かれて、「大丈夫です。歩けます」と答えたものの、けっこう足取りが覚束ない。
 麻酔を舐めていて、こんなふうになるとは思っていなかったので、妻くんとは、歯科医院と自宅の中間あたりで、落ち合う予定だった。待合室にいくと、妻くんがいた。心配してきていたのだという。
 いっしょに帰宅し、私は倒れるように眠った。
 薬の処方箋が出ていたが、妻くんが薬局に行ったようだ。起きて、妻くんに出されるままに薬を口に入れた。
「あれ。私、薬の数、間違えちゃった!?」
 妻くんは言った。

「いいよ。ありがとう」
 私は言った。

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