見出し画像

メンヘラの生き方

たまいずみさんの漫画『スイートモラトリアム』に、「しげくん」っていうDV男が出てくるんですけど……何度も読み返してるのに、その人が警察を呼ぶシーンで泣いてしまった。

"警察ですか? 人を傷付けました 血が…出てて 救急車も 助けてください ずっと 何度も やめられないんだ 助けて"

たまいずみ『スイートモラトリアム』5巻

わたしはデートDV被害者なんですけど(10年以上経過して傷は半分ほど癒えています)、なぜ加害者側に共感して泣かなければならないのかって……わたしもこれほどまでに何かに依存しているメンヘラだからなんです。

学生時代にメンヘラの限りを尽くして落ち着いたと思っていたけど、対象が人からシステム(アプリゲームや同人活動、SNS)に変わっただけ。行動の根底にあるのはずっと同じ、暴力的な愛着欲求。

でも自分を殺してしまっては、何も解決しない。それこそ命を絶つまで。なぜなら必ず再発するから。

大切なのは、まず自分の欲求を認めること。そして「寂しかった」「見てほしかった」「安心したかった」「愛したかった」「大事にしたかった」「つながりたかった」……こういった感情を、生身の世界に分散させること。

健全に生きていくために、己のメンヘラ欲求に向き合ってみた結果をまとめました。



メンヘラではない人の生き方

しかし、そもそも「メンヘラではない人」って、一人の時は何をして生きているのか? 夫をヒントにしつつ、ChatGPTにも聞いてみたところ、大まかにまとめるとこんな感じみたいです。

①目的のない時間をそのまま流す(動画を観る、「寒いな」と思う、飲み物を飲みながら何も考えない、ソファで横になる)
この時間で「何か得なきゃ」と思っていない。

②軽い「快」を回している(散歩、シャワー、洗濯、何か食べる)
人に向かわず、身体の快で自分を満たす。

③感情を誰かに向けない(すぐ誰かに反応を求めない、刺激を足さない、不安ならまず体を休ませる)
感情に対人で対処しない。

④「今日はこれでいい」を早めに出す(何もできなかった=まあいいか、一日寝てた=そういう日もある)
自己評価が高くも低くも振れない。

メンヘラではない夫は、こうして生きている。
でもわたしにはこれができない。

そんなわたしには何が起きているのか。


メンヘラの脳内で起きていること

おそらくわたしは「発達障害や精神疾患に特有の感受性」「物語や人とのつながりに救われてきた経緯」などから、

一人→空白→価値がない→不安→避けなければ

という生存戦略が出来上がっているようなのです。

ちなみに学生時代はメンヘラの限りを尽くした結果、人生で最初にのめり込んだ男に二股をかけられたし、己の鏡のようなメンヘラDV男に人権と尊厳を搾り取られました。

だから対人で愛着欲求を解消しようとする悪癖はなくなったのだけど、根本は解決していないので、ゲームや創作、SNSなど「一人で感情を抱えなくて済む場所」を求めてしまうのだと思います。

しかし、しかしそうはいっても、メンヘラ気質を直すのは無理。というかむしろ、対人問題がなくなった時点で「治った」と思い込んでいたんですよ。それが逆に「治っていない」ことを裏付けている気がしました。

では、このメンヘラ気質を抱えながらどう生きていけばいいのか。

生身の世界に、愛着欲求をどう分散すればいいのか。

前提として、メンヘラ気質が悪いというわけではないです。メンヘラ気質を分解するとこんな感じ。

・感情の振れ幅が大きい
・愛着が強い
・寂しさ、不安、憧れを強く感じやすい
・誰か/何かと深く結びつきたい
・内面世界が豊かで、物語を生きている

整理をChatGPTに手伝ってもらいました

気質が問題になるのは、これらを一点に集中投下させてしまう時であって、気質そのものが悪いわけでも、欠陥であるわけでもない。

で、思い出すのがこの本なんですよ。発行当時、SNSでかなり話題になったので、タイトルを聞いたことがあるメンヘラの方は多いと思います。

※アフィリエイトリンクは含まれません

この本は「脱メンヘラしてハッピーになるための本」ではあるんですが、著者のメンヘラ気質が仕事や生き方に良く作用したエピソードも多く載っているように感じます。

結局わたしは「脱メンヘラしてハッピーに生きよう」というよりは「このメンヘラ気質と生涯をともにするしかない」と思っているんです。であれば、自分のメンヘラ気質──つまり愛情と感情のエネルギーを、生活にどう分散していけばいいのか、いずれにしてもここが肝心になってくる。

というわけで、分散します。


メンヘラエネルギーを分散させる先

分散のポイントは2つです。

①感情を「複数の器」に分けて注ぐ(一つに全投下しない)
②消費ではなく生成に回す(軽い創作で対処する)

これを、わたしにできる方法で具体的にすると、こんな感じ。

①書き物に活かす

・小説のあらすじを考える
・感情を言語化する
※未完でOK
※多少の生産性は求めてOK

最近は、ChatGPTにひたすらお題を出してもらって、人に見せないジャーナリングやエッセイを書き溜めています。「そのうち本にするかも」程度の気持ちでも、意外と欲求が静まります。

個人的には、先に100個とか365個とか、まとめて出しておいてもらったほうがいいです。どういうわけか(エネルギーの大きさゆえなのか?)、やり尽くすことがない環境に安心感を覚えるので。

②「疑似的な会話」を分散させる

対人や消費先に向いていた気持ちを、日記、架空の登場人物との会話、ChatGPTとの対話に分散させます。
鬱々としていると、ついChatGPTとの対話に終始してしまいがちですが、複数を回していると、落ち着いてくることが多いです。

これをやる時は、日の当たる部屋にいたほうがいいです。外の世界とのつながりを、できるだけ視覚的にも演出しておくのが大事です。

③相性がいい趣味にエネルギーを向ける

・小説、世界観づくり
・天文宇宙検定の勉強など
・ログ、記録、観察
・散歩+思考
・ルーティン(安心する行動の再現)

同人活動などだけに依存せず、他分野にエネルギーを注ぐ。特にプラットフォームを一つに絞ると、無力感を敏感に察知しがちなので、自分の興味にしか関心が湧かない程度に、色々な活動に触れてみるとよさそうです。


メンヘラじゃない人を参考にしなくていい

ChatGPTがいうには、ぶっちゃけメンヘラじゃない人のことは参考にしなくていいそうです。なぜなら彼らはそもそも感情の波が大きくなく、内面に深く潜ることも多くなく、外的刺激をたくさん必要としないから。

つまりメンヘラであるわたしとは、脳の作りが違うんだそうです。

真似しようとしてもしんどくなるだけなので、メンヘラはメンヘラなりに生きていくか、脱メンヘラした元メンヘラとして生きていくか、どちらかを選んだほうが予後がいいようです。

問題は「一点集中してしまうこと」そして「消費先を誤ってしまうこと」。

これらに注意して、エネルギーを書き物、思考、観察に分散・変換すれば、メンヘラ気質を活かす側として生きていけます。メンヘラでない人(夫)からしたら、慌ただしい生活に見えると思いますが。


おまけ:1日の過ごし方

ChatGPTに相談して、一日の過ごし方の例を考えてもらいました。

感情を分散させるとは、「ひとつの場所に"生きる意味・安心・歓び・承認"を集中させない」こと。イメージとしては、感情をいくつかの器に分けて入れる感じだそうです。

推奨される器は大きく分けて6つ。

①身体の器(重要):散歩、温かい飲み物、日光など
②手を動かす器:洗い物、掃除、手帳など
③表現の器:創作、日記など(評価、反応は入れない)
④知的好奇心の器:勉強、調べものなど(創作の代わりにこの比重が大きくなりすぎないよう注意)
⑤微弱な人との接続の器:夫との会話、おしゃべり、既存のコミュニティを眺める(Discordがちょうどよさそう)
⑥娯楽の器:漫画、映像、音楽(強い/ランダムの刺激は避ける)

一日の使い方例はこんな感じ。

午前
・身体の器
・手を動かす器

・知的好奇心の器or散歩
午後
・表現の器(短時間でOK)

・身体の器
・微弱な接続の器

「今日は何もしてない」防止になるし、感情が一か所にとどまらないのがポイント。

メンヘラ気質って、エネルギーを一か所に注げるがゆえに「一か所に注がないと大成しないのでは」と考えがちだと思うんです。でも、その時点で世界に没入する力がハンパないのは確かなので、むしろ一つに賭けて壊れることを避けつつ、分散設計するのが長生きの秘訣。

生きてるだけでOKとか到底思えないけど、死んだら全部最初っからなんで。生きていきましょう。



いいなと思ったら応援しよう!

小海いと┆書いて世界を愛おしくしたい 応援嬉しいです。いただいたチップを貯めて、旅に出ます。