チューバ吹き、セルジオ·カロリーノと出会う

 先日の第32回浜松国際管楽器アカデミー&フェスティバル オープニングコンサートで初めてセルジオ氏の演奏を生で聴いた。正直形容することが全く難しく、「感動した」という安い言葉しか出てこない。
 彼の音の何がすごいか、まず一番に感じたのはホール、そして空間との親和性。一吹きした瞬間にホールのすべての空間を圧倒的な響きで支配する。かといってほかの楽器の音を殺すことなく美しくアンサンブルする。彼の何がそれを実現しているのかは皆目見当もつかないが本当に心にくるものがあった。
 そして次に驚いたのは見事なまでの音楽性、歌心。チューバという楽器であれ程の歌心のある演奏は出会ったこともないし自分ができたこともない。
フレーズという複雑でもわかりやすい話ではない。もっと何か心から表現をしようとするものが生み出す素晴らしい音楽性はきっと私だけじゃなく多くの聴衆の心を掴んでいただろう。
 そしてC管を吹いていた数分後にF管に持ち替えそれまでと同じ響き、音質を持った音が鳴らせることだ。通常、C管のあとにF管を吹くと音質が荒れがちになったり唇の振動が細かくなり音のヒット感を見失ってしまうことが多くある。世界が注目するチュービストの一人である彼はさすが、高いクオリティの演奏を聴かせてくれた。

 私は彼の演奏を聞いて、サウンド、技量すべてにおいて彼が目標になった。彼の演奏は私というチュービストに大きな影響を与えた。


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