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【食品研究職向け】なんか新商品に他部署の人がノってくれない時のガイドライン【前編】

 こちらのツイートの補足になります。

 画像は透過処理がかかっておかしくなってるので、↓の通りです。

僕が思う各部署の新商品に関する目線
独断と偏見マシマシ

 いい製品が出来そうだ。
 スゲー技術が出来た。
 ……その割に、他部署の人は全然興味を示してくれない。

 こういった経験は食品メーカーで研究開発を行っていると良くある。
 何となく理由はわかる気もするし、わからない気もする。そんなときに使っていただきたいのが、上の表に示したガイドラインです。

 ただし、「お客様へのニーズがあるか」のような基本的な要点は前提だと思っているので項目には含めていません。
 メーカーはニーズのないものは研究開発してはダメです。

 項目としてわかりにくいものもあるので、解説含めて記載していきます。前後編の前編。まず、明かされない壁より下から。


1.製造ラインの再編・移管など

 生産の効率化だったり設備の老朽化、工場集約などで生産ライン単位での再編・移管というのは時折発生します。特に工場数が多い会社は気を付けましょう。

 製造ラインの再編・移管を挟む場合、工事準備などで大体手一杯なので、

「今ちょっとそのラインで物作ろうとされてもさー……
 移管終わってからにしてくれない?」

 という対応をされます。

【対策】
 はっきり言ってどうしようもないです。事前に情報を掴んでおくようにしましょう。ただ再編・移管なら、時間が経てば移管先とかで何とかなるかもしれません。

2.投資の必要性

 新商品だと仕方ない部分もあったりしますが、新しいライン・新しい設備に投資がかかる場合は、生産工場、そして経営層からの目線は厳しくなります。

 儲かるシナリオを作ることは当然として、会社の状況が投資に耐えうる状況か(進捗が計画を下回ってたりすると経費の話が出てくる)、予算は確保できそうか、その設備は工場に入るのか、何年で投資回収できそうか、などは生産企画や生技の方と良く詰めておきましょう。

【対策】
 投資回収できるシナリオを作る。
 会社の予算状況を確認する。
 生技の人とは綿密に会話をしておく。

3.他アイテムとの製造の兼ね合い

 これは結構生産の人が強く意識する一方で、その他の部署の方は「大変だよな」と思いつつ手出しが出来ないので見ている形になりがちですが……。

 新商品を作ることで、当然他アイテムとの製造の兼ね合いが出てきます。
 
 その場合、人手のやりくりが出来るのか、これを作ることで次の製品を作る間にサニタイズが入ったりしないか、配管の切り替えが発生しないか……そういった数々の懸念が出てきます。

 一番良いのは、既存設備で既存製法とほとんど変わらないことなのですが、それはリニューアルの配合変更レベルでない限りはありえないです(というかある種の新製法を伴わない新商品は考えにくい)。

 この辺りは工場の現場レベルの方や製造課長クラスの方と会話して、可能な限り負担を軽減する製法を考えた方がいいです。出来なかったとしても、ここで会話をしておくことは誠意的なところで重要です。気持ちよく作ってもらえないと、後々困ることあるよ……。

 もちろん工程が大変でも、売れる商品なら製造してくれるとは思います。
 その時は感謝の心は忘れないようにしましょう。

【対策】
 売れる商品(ストーリー)を作る(最優先)
 実際にめっちゃ売ってもらう(継続の意味で重要だがアンコントロール)
 工場長や製造担当者の方と会話を厚くする。

4.製造効率・作りやすさ

 3.とちょっと近いですが、連続して生産できるか(量がちょっとじゃないか)とか、充填量が小さすぎたりしないかとか、そういうところです。

 意識をしておいた方が良いのは充填量で、工場の方は製造ケースなどで出来高を計算されることが多いです。一方で、充填は1kg充填するのも100g充填するのも、それほど速度は変わらなかったりします。

 例えば1㌧原料を仕込んだとして、1kg充填するのが10秒、100g充填するのが5秒だったりすると、1㌧充填するのに1kg充填だと2.7時間かかりますが、100g充填だと13.8時間かかります。実際にはその前に製造が打ち切られるので、生産量は減ります。

 なので、荷姿はお客様に依る部分があるとはいえ、大容量の方が工場としてはありがたい。仕込みと充填の速度が合っていると大変効率が良い。

 また、作りやすさという点では解凍品を含んだりしないか、袋に付着は多くないか、菌数管理は必要か、事前に混合してはいけない原料がないか……などといった原料面の課題などもあります。
 この辺りもケアをしておきましょう。

【対策】
 原料投入から充填までのボトルネックになりそうな工程がないかを確認しておく。
 出来高に応じた利益が取れていることを説明できるようにしておく。
 作りやすさについては現場の意見を伺いつつ、品位やコストの面で譲れる部分・譲れない部分を配合検討の段階で決定しておく。

5.原資材調達のしやすさ

 地味に大事です。ありがちなのは「ここから原料を切られるともう代替できなくて商品設計が破綻する」というものです。これは怖い。

 基本的には、設計段階からある程度経営的にも信頼できるメーカーのものを使用しておくというのが無難です。

 また、販売は日本の代理店だけど原料は海外から輸入という原料には注意を払っておきましょう。僕もコロナで海運ストップしたときはマジで死にかけました。

 可能であれば、代替原料の検討や製法の検討もしておけると良いんですけど……開発のスケジュール的に、そこは厳しいですよね。ただこれは懸念にされることは多々あります。

【原料】
 可能な範囲で代替原料がない素材は使わない。
 代替原料がない場合、その素材の調達については原資材調達と事前にしっかり会話しておく。

6.製造コスト・原料コスト

 これは割愛。みんな意識してますので。
 ただ、ラボ試作してて意外に簡単に作れるなと思ったのが、実機ではめちゃめちゃ製造コストが高くついたりすることもあるので、早いうちに工程案を出して生産企画側とは相談しておきましょう。

【対策】
 安くするためのすべての労力をかけよう。コストカットは正義。

7.物流コスト・エリア特性

 これは本当に見えにくくて、物流を担当している人しか正確なところは意識していなかったりします。

 ただ、製品が全国展開されるのであればあまり僻地工場では生産しない方が良いかなということ。

 それから販売量が少なくて、1回の製造で販売数ヵ月分の製品が出来てしまうものは、保管料や管理コストがかかったりするので、実際弾かれた原価よりも実質高くつくことがあります

 そんなの開発時点ではマジで誰も気にしないんだけど、後から経営分析してると意外に「ワ、ワァ……」って気持ちになるんだよね。

8.商品の代替性(代わりはあるか)

 これは営業の目線から。

「新商品すぎると終売しにくい」というのがあります。新商品を買ってくださったお客様は、その商品を使用してくださるわけですが、これがある日メーカーの方から「終売です」と言われても困るわけですね。

 それがオンリーワン商品であったならば、なおさら代替がきくものはありません。特にそれがBto B商品だった場合、既にオペレーションの中に組み込まれたものをどうしてくれんのや、お客様からすればそう言いたくもなるでしょう。その言葉を一身に受けるのは現場の営業です。

 新商品の開発は開発や本部は凄く盛り上がっているのですが、案外現場は白けてしまっている……というケースもあったりします。それは過去の信頼(ここには売り上げも含む)に対する裏切りがあったりとか、現場の意見が反映されていないとか、要素はそれぞれですが。

 この懸念に対しては、やはり商品を終売にさせないこと・ヒット商品にさせることというのが何より重要です。売れる商品であれば続けますからね。

【対策】
 とにかくヒット商品にする(販売がずっと継続される状態にする)
 代替案やリニューアルが出来るなら考える。 

 続きはまた後日。

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