食品の変わった「製法名」を紹介します
先日衝撃の製法名を見かけてしまったのデス。
出たな!
— いつき@食品メーカーの中のひと (@itsuki26_labo) March 14, 2025
食品業界にはびこる謎製法!! pic.twitter.com/bRfntw82fh
「お肉パラダイス製法」!!

お肉パラダイス製法とは?
「噛んだ時に肉のおいしさが口に広がる」という
肉の理想的な状況(=パラダイス)を実現した製法
何度読んでもなぜ肉の理想的な状況がパラダイスなのか理解不能ではありますが、インパクトのある製法名でした。参考小売価格438円、僕が普段通っているスーパーでは358円と、レトルトカレーの中ではちょっと高めの価格帯でしたが、目に留まってしまった部分もありつい買ってしまうほどに。
で、思ったんですよ。
食品業界、オリジナル製法名アピールしすぎでは?? と。
だって別に製法なんて、お客様には関係ないじゃないですか。お客様にとっては、企業が(合法であれば)どんな手段を使っても価格に見合う価値を提供してくれれば良いだけです。となると、製法名って企業のエゴというか自我出しすぎなのでは? と思ったりするんですよね。
少なくとも僕から見ると、他社との差別化を伝えるためのマーケティングの一環としてしか見てなかったりするので。だいたい、作った人にネーミングの権利がないし。
しかし改めて各社見てみると、どこも色んな名前の製法出してるんですよね。
そんなわけで今回は、食品メーカーのファンキーユニークなネーミングを分類しながらしていきたいと思います!
頭カラッポにして読んでね!
あ、分類名は僕の勝手な創作です!!
1.純粋技術型
純粋に技術をネーミングにしたパターンです。ていうか製法ってそれが全てじゃないのか普通さぁ。
①3層ノンフライ製法(ラ王など/日清食品)
外側と内側で異なる小麦粉を使うことにより、もちっとした食感を生み出すノンフライ麵。外側がグルテン少な目、内側がグルテンが多めなので腰がありつつもちっとした食感が作れます。

過激なCMが多い日清食品ですが、こういうところには常識を感じる。
②スーパークリティカル製法(キユーピーゼロ/キユーピー)
9999ダメージが出そうなネーミングですが、ちゃんと食品のネーミングです。超臨界の二酸化炭素を使うことで卵のコレステロールを除く方法です。

マイクロエマルジョン製法も使用
こちらは細かく乳化する技術
超臨界が英語でSupercliticalですね。関係ないけど超臨界流体クロマトグラフ使いたかったなぁ。
③Wエマルション製法(ピュアセレクト コクうま 65%カロリーカット/味の素)
もう一つマヨ系行きましょう。普通のマヨネーズ状の乳化食品はO/W(Oil in Water)型と呼ばれる、水の中に油が浮いている状態ですが、これはW/O/W型(Water in Oil in Water)という、油の中にさらに水が乳化されているという技術です。これによって油を感じる表面積は変わらず、けど油は少ないのでカロリーカット出来るという技術。

図を見ないとわかりにくいよな
どこかの学会でこの製法の話を聞いたけど、乳化剤総当たりっぽいことやってたみたいで、味の素でも泥臭いことやるんだなぁと思った記憶がある。
2.エモさ+技術型
実はこれが一番多いと思う。世はまさに大エモーショナル時代。
①ゴールド・ティードリップ抽出(お~いお茶濃い茶 PREMIUM STRONG/伊藤園)
「お~いお茶 濃い茶」のこだわりである、金色透明なお茶の色とコク深い渋みを一層引き立てる抽出。色+お茶をドリップしました、のネーミング。

急にデザイン性が出てきたな…
……そうか!でもわかるよ、LUXのリッチゴールドセラムのゴールドは多分ホホバ種子油と酢酸トコフェロールの色だけど、ゴールドだと高級感あるもんな!
②FTP製法(森永のおいしい牛乳/森永乳業)
やさしく蒸気でつつみ込む「インフュージョン式殺菌法」を導入した「FTP製法」。FTPはFresh Taste Processの略。アニメーションがあるのでぜひ公式HPからどうぞ。
それにしても……プロセス製法?? 頭痛が痛くなってきたぞ??
なんとなく下で紹介する明治おいしい牛乳の「ナチュラルテイスト製法」とネーミングが被る。まぁ、そんなにパターン出る名前じゃないよね……。
③フレッシュスクイーズ製法(つぶより野菜/カゴメ)
昨年は色んな展示会や店頭でこれ売ってましたねカゴメさん。野菜を細かく切って、網をかけた搾汁機で熱をかけずに「やさしくゆっくりつぶしながら」絞っていく野菜ジュースの技術。

他のにんじんジュースにも使われています。
フレッシュにスクイーズします。わかりやすいというかダイレクトアタック。
④長時間5種の菌増加発酵(ダノン ビオ/ダノン)
一応「という製法です」と書いてあるから製法なんだよ……。
5種の菌が最適なバランスで増殖するのに適した温度や時間を選択し、長時間かけて発酵させることで、なめらかでクリーミーなおいしさをもつヨーグルトに仕上げる製法とのこと。
なんかどうも直訳っぽいと思いません……? となると、海外の食品でもこうした製法名マウンティングバトルが繰り広げられている可能性が……?
3.味/機能こそ至上なのだ型
そしてこれも多い!
わかるけど!
技術どこ行った!
①ナチュラルテイスト製法(明治おいしい牛乳/明治)
わかる! ナチュラルなテイストな!!
生乳を工場に受入れた直後と、酸化が特に進む加熱殺菌前に酸素を追い出すナチュラルテイスト製法で風味変化を抑えるという技術です。

溶存酸素の影響はこの量の差でもかなり大きい
牛乳は油が多いから、酸化抑制がとっても大事よね。とてもまっすぐなネーミング。
②生麺うまいまま製法(マルちゃん正麺/東洋水産)
多孔質の麵を100℃以上の熱風で生麵の状態から乾燥させることで、湯戻し時に生麺の食感に戻る技術。これは正直すごかった。製法名としてはかなり有名ではなかろうか。

だいたいこういう技術は特許番号と並ぶことが多い
でもよく考えたら生麺うまいまま製法、生麺をうまいまま乾燥させました、みたいな感じかな。まっすぐだね……。
③FineFast製法(マ・マー 早ゆでスパゲティ/日清製粉ウェルナ)
麺の表面に風ぐるま形状の溝を入れることで表面積を増やし、お湯がしみこむスピードを速めることで、茹で時間を短縮しながらもアルデンテ食感を再現できる技術。Fineがどこから来たかわからんけど!

これ、製品がこの形状になってるのわかるからすごいよね
これを話すところじゃないけどこのパスタ、よく口の中で触るとちゃんと縦線感じられるよね。
4.商品名主張型
商品の名前をそのまま製法名にしちゃったやつ。製法とは???
①一番搾り製法(キリン一番搾り/キリンビール)
言い続けていれば理解してくれる。麦汁のろ過工程において、最初に流れ出る一番搾り麦汁だけを使って作る製法。CMとかでもガンガンやってたし、知名度としては高い製法ですよね。実際にはちゃんと(R)が付きます。

どちらかというと製法が商品名になったパターンかもしれん。
②煮あずき製法(あずき/井村屋)
あずきを炊くときに出る煮汁や皮も捨てずに炊き上げ、渋み・えぐみを抑えてあずきの栄養成分を閉じ込める製法。

ちゃんと書いてくれてる気がするがそれでもわからん。
シワ伸ばし??
すごい技術のような気がするが、名前からではさっぱり何をしているのかよくわからない……。
③Jagabeeサクホク製法(Jagabee/カルビー)
じゃがいもまるごとを短冊状にカットし、出来たじゃがいもスティックをじっくり時間をかけてフライする製法。

うん、わからん!!!
サクサクでホクホクなのでしょう。どうしてサクホクになるかが時間しかわからん……。
④-196℃製法(FCI製法)(-196℃/サントリー)
果実をまるごと瞬間凍結することで、果皮に含まれる香りや旨み成分も引き出すことができる製法。

めっちゃCMで見たやつ!
-196℃は液体窒素の沸点とのことなので、液体窒素使ってるのかなぁ。これも技術から商品名が来たパターンな気がする。こっそり横にある(FCI製法)のFCIが見渡す限り出てこなかったのでChatGPT先生に聞いたらFlash Chill Immersionではないかと。ご存知の方教えてください……公表しないので……。
https://x.com/nana_binkanhada/status/1901992621071089771?s=46&t=37emo9RcDF0c2SKg6u87rw
FCI製法、Freeze-Crush-Infusionぽいと!きっとそうだと思います!凍結-粉砕-浸漬、まさに上の写真ですね。この製法名がメインだったら1.に分類してたな。
ななさん、ありがとうございます!
5.変則型
俺は何物にも縛られない……!
わかるようなわかんないようなネーミングはここにしました。
あ、おにパラ製法ここな!!
①ブリューゼロ製法(アサヒゼロ/アサヒビール)
濃厚なビールを一度醸造してから2度の脱アルコール工程を行うことで、アルコール分0.00%を実現する製法。多分ビアリーで培った技術の応用ですね。

これ自体はめっちゃ手間かかってるなぁという感じ。
でもブリューって、動詞だと「醸造する」だし、名詞だとビールそのものよね。醸造ゼロ or ビールゼロ……? 不思議なネーミング。
響きはカッコイイけど。
②やみつきエンドレス製法(プライドポテト/湖池屋)
キタァァァ! こういうの待ってたよ!!
「湖池屋プライドポテト」のおいしさのヒミツである独自のこだわり製法に、新たにコク深い独自のやみつきオイルでの味付けを取り入れることで、これまでにない常習性・やみつき感が加わりました、とのこと。なるほどわからん!

こういう名称ほど手間かかってるよな…
でもいいと思いますこういうの。どんどんやってほしい。
まだまだ紹介しきれていない部分はたくさんありますが、ひとまずこの辺で!
どうだ食品業界、すごいだろ! 色んな意味で!
* * * * *
Xでも日々食品に関する発信をしています!
こちらからどうぞ:https://x.com/itsuki26_labo
記事が気に入っていただけたら、ぜひ「スキ」もお願いします!
