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もう恋じゃん、って思ったらオムライスでした。

12月って、なんか空気ぜんぶが恋の気配まといません?

冷たいくせに、どこか甘い顔してくる。
街のイルミネーションなんか特にそうで、
「え?昨日、告白成功した?」ってくらい自慢げに光ってる。

まぶしい。
恋って、まぶしい。

そうこうしてたら、オムライスが食べたくなって。
なんかもう、気づいたら心がそっちに向いてて。
そうなるともう、居ても立ってもいられなくて。
恋って、胃に来るんですよね。

で、昨日、

恋のオムライスを食べてきたんですよ。


【203 cafe】

(岡山市北区問屋町11−206)

マップを頼りに行ったんですけど、
ビルの表か裏にあると思いこんでグルグル回ってたら脇にあった。

ビルの脇に、細い入口。
絶妙に分かりづらい。「知る人ぞ知る」って顔してる。

中に入ると、いきなり階段。無機質な床。コンクリ打ちっぱなしの無口な感じ。でも、その沈黙が逆に語ってるんですよね。ここ、絶対いい店だぞ、って。

最初は素っ気ないのに、じわじわ惹かれるタイプ。
恋の入り口、だいたいこう。

階段を登りきったその先に、もうひとつの扉。
開けた瞬間、空気が変わった。 温かい光がじんわりと目に入って、厨房からはチャカチャカッと音が鳴ってて、これがまたBGMより落ち着く。

全テーブルに自由に書ける「お客様ノート」があった。

店員さんの声もやわらかい。俺の存在を急かさない声。「大丈夫ですよ、ここにいていいですよ」って言ってくる。

棚には本がずらっと並んでて、ソファはふかふか。植物が窓際でゆらゆら。インテリアが、どれもちゃんと馴染んでて、みんな仲良さそう。ああもう、こういう部屋に住みたかった。

ちなみに、2階のカフェは当たりが多い。

これはもう法則。小学校で教えてやってくれ。

店名「203cafe」の由来は、
このお店がビルの203号室だからだという。

半熟玉子のオムハヤシ(1400円)

で、オムライスを頼んだんです。

スープとサラダまで付いてきて、
お迎えしてくれてる感がすごい。嬉しい。

俺は歓迎されるのが大好きだ。


まず、コンソメスープ。

これがまた、優しい。優しすぎる。塩味にかどない。舌の裏にそっと手を添えて「ここから先、美味しいことしか起きません」って導いてくる。

続いて、サラダ。

シャキ、シャキ。出しゃばらないのに仕事するタイプ。
なかでも紫玉ねぎ、こいつが只者じゃない。口のなかがリセットされる。「はい、気を取り直して!」って言いながら、口の中をまっさらにしてくる。次の一口が、毎回、最初の一口になる。

そして主役、オムライス。

デミソース、たっぷり。溺れるかと思った。とろとろ玉子がふわっと乗ってて、スプーンを入れるたび、湯気の中から「待ってたよ」って香りが立ち上がってくる。

コクがすごい。遠慮を知らない深さ。ほんのり酸味が舌に灯って、かすかな苦味が影を落とす。だから、深い。牛肉もジューシー。惜しげもない、満足感。

で、〆にプリンを追加。

少しかための「喫茶店プリン」。バニラアイスがどっしり乗ってて、カラメルが、しっかり苦い。大人の余韻。


「これ、恋かもしれん」とか思ってた自分を、今そっと抱きしめています。実際はオムライスにテンション上がってただけ。

でも、恋よりあったかかったよ。

カロリーって偉大。



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