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災害・停電が起きたとき、会社のITはどうなる?中小企業のBCP×IT対策

「うちはBCPなんて大げさなものは必要ない」
「何かあってから考えればいい」
「そもそもBCPって何のことかよくわからない」

こう思っている経営者の方、日本は世界でも有数の災害大国です。
2016年の熊本地震・2019年の台風19号・2024年の能登半島地震など、大規模な自然災害の発生が続いており、企業には有事の際でも普段どおりの業務が継続できるように、前もって備えておくことが求められています。

災害や停電はいつ起きるかわかりません。そのとき「会社のITが使えなくなる」という事態は、業務停止を意味します。

難しい計画書は必要ありません。この記事では、中小企業が最初に整えるべきIT面でのBCP対策をわかりやすく解説します。

① BCPとIT-BCPとは?

BCP(Business Continuity Plan=事業継続計画)とは、企業が自然災害・大火災・テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法・手段などを取り決めておく計画のことです。

そのうち、ITシステムに特化した計画を「IT-BCP」と呼びます。

中小企業にとってのIT-BCPは、難しく考える必要はありません。
要するに「何かあったとき、会社のデータと通信手段を守る準備をしておくこと」です。

② 災害・停電が起きたとき、ITで何が困るか

実際に何が起きるかをイメージしてみましょう。

データが消える・使えなくなる

オフィスのサーバーや個人PCにしかデータが保存されていない場合、火災・水害・停電でデータが完全に失われるリスクがあります。顧客情報・売上データ・契約書──これらが一瞬でなくなります。

社内システムが使えなくなる

オフィスに設置したサーバーや回線が止まると、業務システム・メール・社内ネットワークが全て使えなくなります。

社員と連絡が取れなくなる

固定電話・社内メールが使えない状況では、社員の安否確認や業務の指示が届きません。「誰がどこにいて、何をすべきか」が把握できない状態が続きます。

取引先・顧客への対応が止まる

電話もメールも使えない状況では、取引先への連絡・顧客への対応が完全にストップします。信頼の失墜にもつながります。

③ 中小企業が今日から始めるIT-BCP対策:4つの基本

基本① データをクラウドに移す──「物理的な被害」からデータを守る

自社に物理的なサーバーを設置すると、オフィスが災害などの被害に遭った際に重要なデータを失うリスクが生じます。クラウドサービスを利用すれば、クラウド上にデータをバックアップできるため、自社サーバーが被害に遭った場合もデータを保護でき、遠隔地から迅速にアクセスできます。 

やること:

  • 業務データをOneDrive・Googleドライブなどのクラウドに保存する

  • 「ローカル保存のみ」のデータがないかを確認する

  • 重要データは定期的にバックアップを取る(クラウド+別の場所にも)

オフィスが使えなくなっても、クラウドにデータがあれば、別の場所から業務を再開できます。

基本② テレワーク環境を整える──「オフィスに来られない」状況に備える

リモートアクセスツールを導入し、テレワークができる環境を整えておくことはBCP対策として効果的です。災害などの緊急事態が発生した際、出勤せずとも業務を行えるため、従業員の安全を確保しながら事業を継続できます。

やること:

  • 社員が自宅のPCやスマホで業務できる環境を用意する

  • VPN・クラウドへのリモートアクセスの設定を事前に済ませる

  • 「テレワークできる状態」を平時から維持する

「災害が起きてからテレワーク環境を準備する」では遅すぎます。
普段からテレワークできる状態にしておくことが、最大のBCP対策です。

基本③ 緊急時の連絡手段を複数用意する──「会社の電話が使えない」に備える

固定電話・社内メールだけを連絡手段にしている会社は、オフィスが使えなくなった瞬間に連絡手段を失います。

やること:

  • チャットツール(ChatworkやTeamsなど)を導入して、スマホからでも連絡できる状態にする

  • 社員の個人携帯番号を会社として把握しておく

  • 安否確認ツール(安否確認サービスなど)の導入を検討する

  • 「緊急時の第一連絡先・連絡方法」を全社員に周知しておく

基本④ バックアップの「3-2-1ルール」を実践する──データ消失ゼロを目指す

データバックアップには「3-2-1ルール」という考え方があります。

3-2-1ルールとは:

  • 3つのコピーを持つ(オリジナル+バックアップ2つ)

  • 2種類の異なるメディアに保存する(クラウド+外付けHDDなど)

  • 1つはオフサイト(オフィス外)に保存する

すべてを一度に実現するのが難しければ、まず「クラウドに保存+定期的に外付けHDDにもバックアップ」から始めるだけでも、データ消失のリスクを大幅に下げられます。

④ BCP対策で「やってはいけないこと」

計画を作って終わりにする

BCPは計画の策定やシステムを導入して終わりではなく、いざという時に効果を発揮するよう、日頃からの訓練や定期的な内容の見直し・改善を行うことが重要です。年1回でも「この設定は今でも機能するか」を確認する機会を作りましょう。

全社員に周知しないまま運用する

いくら良い仕組みを作っても、社員が知らなければ意味がありません。
「緊急時はここに連絡・このツールを使う」を全員が把握している状態を作ることが最重要です。

「うちは大丈夫」と思い込む

BCP対策がないと、災害や火災、テロ攻撃や情報漏えい事故など、想定外の緊急事態が発生した際に、長期間、事業が停止してしまう可能性があります。特に中小企業は、事業停止の期間が長引くと、廃業に追い込まれるおそれがあります。

⑤ 中小企業が参考にできる公的な支援・ガイドライン

BCP対策は一人で考えなくても大丈夫です。
以下の公的リソースが参考になります。

  • 中小企業庁「中小企業BCP策定運用指針」中小企業向けにわかりやすくまとめられたBCP策定のガイドライン

  • 経済産業省「大切なビジネスを守るBCP事例集」:実際の中小企業のBCP事例を業種別に紹介

  • 中小企業基盤整備機構「BCP策定支援」:無料でBCP策定の支援を受けられる制度

まとめ:BCP対策は「難しい計画書」より「今日できる準備」から

IT面でのBCP対策に、難しい計画書は必要ありません。

  • データをクラウドへ

  • テレワーク環境を整える

  • 緊急連絡手段を複数用意する

  • バックアップを取る

この4つを順番に整えるだけで、中小企業のIT-BCPの基本は完成します。

まず今日、「会社のデータがクラウドに保存されているか」を確認するところから始めてみてください。

📖 参考情報

👉 中小企業庁「中小企業BCP策定運用指針」
👉 経済産業省「大切なビジネスを守るBCP事例集」

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