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だって。時計ばっかり見てるんだもん!

繭「ねぇ。ちょっとその時計見せて」
羽村「これ?これ別に、フツーのだよ」
繭「そう?珍しいじゃない」
羽村「え?どこにでも売ってるけどな」
繭「いくらしたの?」
羽村「これ、学生の時、買ったやつだからさ、ほら」

腕時計を外し、繭に見せる羽村
受け取った繭、腕時計を海のほうへ放り投げる

羽村「な!」

岩の上に投げつけられた腕時計
ガラス面にヒビが入った様子が映る

羽村「何するんだよ!なんでこういうことするんだよ!」
繭「・・・。」
羽村「・・・。」
繭「だって。時計ばっかり見てるんだもん!帰りばっかり気にしてるんだもん!」

TBSドラマ「高校教師」より 脚本:野島伸司

突然の引用ですが、時間にまつわる、僕の好きなドラマのワンシーンです。

東京滞在中は、友人やお世話になった方々と会い、芝居を観たりしています。楽しい時間は瞬く間に過ぎてゆきます。

お席はただいまより2時間とさせていただきます

都内店員さん

そんなのあっという間です。トイレに行く時間さえ勿体ないです。

僕は密かに時計を見ます。

でも、羽村先生のように、帰りの時間を気にしているわけじゃないのです。あと何分、楽しい時間を過ごせるのか、とても気になるのです。

たとえば、下北沢。
今夜は下北沢ザ・スズナリで「good morning N°5(グッドモーニングナンバーファイブ)『破壊、再生、ディストーション』を観てきました(作・演出澤田育子)」。

すごくいい作品でした。ほんとうに観ることができてよかったです。かつて共演した役者仲間の激闘ぶりも拝めました。

この団体は独特で、唯一無二の出し物をします。また、舞台の上手かみて下手しもてに大きめの時計が客席に向けて設置されています。

出し物が始まったら、チラチラチラチラ時計を見ないでほしいんです。役者が気になるんで。役者にはゴキゲンで過ごしてほしいんです。だから、見るなら顔を下げなくてもいいように、このように上手下手かみてしもて時計を設置してますので、これを見るようにしてください

澤田育子氏の前説より

もう、おもしろそうな出し物を予感させますでしょ。

でも、でも。僕にはその時計が寂しかったのです。なぜなら終わる時間がわかってしまうからです。

いいもの見ると救われる

人生を大きく俯瞰したら、あと何年、何十年生きるのかを考える時がたまにあります。

その縮図的なものが例えば、時間の限られた、食事や演劇というものです。

逆算して、あとどのくらい、表現できるかな、と考えます。

悲観ではなくて、逆算してみると、できることが見えてきます。企てが浮かび上がります。やはり、夢ではなく計画というとぼんやりしない気がします。

では、ゼロになるとき、どんな気持ちになっているのでしょうか。それは僕にもわかりません。ここまで読んでくれていたらありがとうございました。あなたのお時間頂戴しました。

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岩渕 敏司 ここまで読んでくださり、ありがとうございます。もしこの記事があなたの心に響きましたなら、応援いただけると嬉しいです! いただいたチップは今後の発信に還元できたらと思います(岩渕)。