闇 411(てっぺいとギンギラギンにさりげなく編)
闇 411(てっぺいとギンギラギンにさりげなく編)

2025/12/05 fry
前回の章
二千十七年六月四日、日曜日友引。
いつものように客が引き、ようやく一服をする。
今日の競馬でもやるか……。
東京のメインレースに、縁起のいい数字4-6へ馬連一万円買う。
時間になれば、今日はこれから休み。
コロポックル真紀美たちと映画鑑賞の翌日から、また新宿歌舞伎町での仕事が続き、また休みがやってくる。
一週間の内で二回休みを取ると、精神的にも肉体的にも楽だ。
普通にサラリーマン生活をしていたら、俺も週休二日制の生活で今と似たような給料をもらえていたのだろうか?
まあ考えたところで意味などないか。
まったくサラリーマン生活をしなかった訳ではないのだ。
結局どこも勤まらなかったからこそ、今このような生活をしている。
現にまだ岡部さんへの借金が五万円残っているくせに、競馬で浮かれて金を突っ込み、どうでもいいようなガールズバーの女にまで余計な金を使う始末。
しかも今日だって日払い分の一万円を賭けてしまった。
少しは自己嫌悪しろ、馬鹿……。
電車の中でうたた寝して目を覚ますと、Uターンしたのか上りになっていて新所沢駅へ到着するところだった。
一旦降りて、下りの電車がまだ来なさそうなの駅の外へ出てみる。
小腹減ったのでうどんでも食べたいなあと駅回りをウロチョロするも見つからない。
携帯電話で調べてみると丸亀製麺があったのでちょっとした距離があるものの行ってみた。
以前横浜時代、丸亀製麺にはいい思い出があったので懐かしい気持ちになる。
結構大きめのかき揚げ天ぷらを乗せて、うどんを啜る。
中々いいんじゃないか。
店のドアを開けようとすると何故か開かない。
そういえば他に客がいないな。
何だろうと思っていると、店員が出てきて十一時からだと言う。
まだそこそこ時間を待つようなので、新所沢駅近くに立ち食いそばぐらいあるだろうと思い向かった。
途中にブックオフがあったので寄ってみる事にする。
プレステーション3用のソフトが異様に安く売られているのを発見。
二百五十円と七百五十円の二つを買って帰った。
千円でゲームソフト二つ購入。
まあどうせクソゲーだろうが……。
駅近くに立ち食いそば屋が見当たらないので、交番にいるお巡りさんに聞いてみる。
「お巡りさーん、この辺に立ち食いそばなかったでしたっけ?」
「あー、あったけど、数ヶ月前に潰れちゃったんだよね」
「え……」
「そこに日高屋あるから、そこへ行ったら?」
そういえばこの警官め、年は俺とそう変わらなそうなのに、何を偉そうにタメ口聞いているのだ?
こっちは敬語で話しているのに……。
「うどんが食べたいんだよ! ラーメンなんて食べてられっか!」
突然大声を出した俺に対し、警官は驚いて固まっていた。
まったく碌なもんじゃないな、あいつ……。
再び帰りの電車に乗る。
今日はせっかく新所沢で降りたのに酷い日だ。
いやいや、そもそも寝落ちした俺が悪いだけ。
それにそこまで最近運は悪くはないか……。
振り返ると変な運気は川越に帰ってきてからある。
ん、いや…、新宿へ赤崎隼人として行きだしてからになるのか?
よく、思い出せ……。
新宿クレッシェンドを書いた岩上智一郎。
鬼畜道を書き、主人公になった神威龍一。
ラッキーハウスでクレッシェンドの主人公の名を語る赤崎隼人。
そして今、大元の核となっていう俺。
じゃあ、今から間に合うレースは……。
二レース、あとはやっぱメインでしょ?
いくら行くの?
四重人格だからその二レースを四つに分ける。
まず二レースだから、千円ずつで二千円でしょ?
次は?
昭和四十六年の4-6は外せないでしょ?
誕生日は?
もちろん買うよ。
じゃあ三連単だとまず当たらないだろうから、三連複で。
いいね、では9-1-3で行くよ。
二レースで二個だから、各五百円ずつ。
それだけ買って寝よう。
そうだな。
俺は携帯電話からその買い目を買い、二千円だけ賭けた。
馬連で二万九千三百二十円の配当。
馬単だと6-4だから馬連でよかったのだ。
しめて十四万六千六百円なりー。
「……」
そんな金など入れていない。
あの時って二千円だけだ……。
あと最近だと競馬以外にもっと凄い事あっただろ?
宝くじ売り場のビンゴ5だ。
イマイチ見方が分からなかったので、仕事帰り宝くじ売る場へ寄ってみる。
たまには普通の宝くじでも買ってみるか。
俺はロト7とビンゴ5を買った用紙を売り場のおばさんへ渡しながら「この二百円のくじ連番で十枚」と新たに購入。
ロトなどはどうせ当たっていないだろうと、くじを受け取り売り場を離れようとした時、おばさんが大きな声でどなっている。
何だ?
金でも足りなかったのか?
こちらを見て何か言っているので、戻ってみた。
「お兄さん! 当たってます! 当たってますって!」
「ん? また五等ですか?」
「何言ってんですか! ビンゴ5ですよ! ビンゴ5!」
何をこの人は興奮しているのだろうか?
売り場のおばさんがレシートを出してくる。
一回大きく息を吸って、大きく息を吐く。
えーと、二等?
「二十八万四千八百円?」
二百円が二十八万……。
そうだ!
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