闇 167(それぞれの決別編)
闇 167(それぞれの決別編)
2024年12月22日(日) 00時13分32秒
2024/12/22 sun
2025/12/27 sta
前回の章
携帯電話に望からのメールが届く。
彼女なりに何日も考えて悩み、それからこのメールを送ってくれたのだろうという内容。
俺は覚悟を持って文面を読まなければいけない。
そうする事がせめてもの礼節。
世間一般の善悪ではなく、己のこれまでの経験から見出した上での善悪を見極める必要性がある。
【ともさんへ】

ともさん謝る事事なんか、ないよ。
大丈夫だよ。
ともさんの考えている事、よく分かったし、私もその通りだなぁと思ったよ。
ともさんの言う通り、もしまた前のような関係になってしまったら、私は子どもたちの事を真正面から笑顔で見れないかもしれない。
…というか、もしかしたらこのように連絡を取りあっている事さえも、今の私にとっては罪悪感を感じてるのかもしれない。
いまは毎朝、夕飯とお弁当を作って子どもたちを学校へ送り出し、そのまま私も片道四十分~一時間かけて職場へ向かい、夕方仕事を切り上げていそいで帰宅。
子どもたちの一日の話を聞きながら夕食をとり、宿題を見たり明日の準備をして、お風呂、寝かせて……。
毎日バタバタと、仕事→家庭。
…と、忙しくしてるけど……。
でも、このルーティンワークが今の私には幸せなのかもしれない。
でもね、ともさんに出逢えた事は、私にとって本当に感謝な事だったよ。
「好きだから、相手が一番いい形を望む」
URLに書いた事は、ともさんの優しさなんだよね。
ありがとう。
うん、俺は望の新しい生活を壊しちゃいけない。
何よりも彼女が本当に望む生活を見守る。
望から過去にもらったメールは、今でも保存してある。
自身の女々しさなのか、果たして未練なのか?
しかしこの行為に関しては誰にも迷惑を掛けていない事だけは事実。
本当に彼女の事が好きで、宝物のように思っていた。
極論を言えば、望が結婚する前…、いや、子供を産む前に知り合いたかった。
でも、人生にたらればは無い。
望
今回のことで、今までもらった智さんからの携帯メールを全部削除してしまいました。
智さんと連絡が取れない時はいつも、今までのメールを読み直していたので、消すことは本当に辛かったよ。
でもその分、私の心の中には、しっかりと思いが刻み込まれた気がします。
夫は、私が他の男性に心奪われていることが相当なショックだったらしく、今までも割りと私を束縛していたのが、エスカレートした感じです。
お酒が大好きで、よく外に飲みに行っていた夫が、この1ヶ月、まったく外出をしなくなりました。
「望は俺のものだ」という、独占欲がとても強くて、私のことをいつもコントロールしようとするところが、私の中では窮屈になってきたのでしょう。
日々の生活や仕事に対して、一つひとつ自分の理想があって、思い通りに行動してほしいと私に求めるのだけど。
私も子供たちを育てながら、この家庭が子供も夫も居心地がよい場所になるなら、と思って自分に与えられたことをいっしょうけんめいやってきたつもり。
だけど、ふと気がついたら「私は最近、心から笑ってないな…」と思った。
なんだか、だんだん、自分らしさが無くなっているような気がして。
夫からの暴力は今のところないけれど、言葉の暴力でたくさん傷ついたんだ。
智さんも知っての通り、私はあんまり言葉が達者でないから、饒舌で理論立てて説明する夫にいつも言いくるめられてしまう。
何か私から意見を言うと、逆ギレされるのがいつも恐くてビクビクしてる。
結婚した時から子供が生まれて今まで、家事も育児もほとんど夫はノータッチで、私が倒れた時くらいかな。
子供たちをお風呂に入れてくれるのは。
だから最近では手伝ってほしい時は倒れて寝込むようにしているよ
以前、アメリカに一ヶ月間旅行した時、ミクが赤ちゃんで、私がミクをだっこして自分の荷物とミクの荷物とベビーカーを押しても夫は手ぶらで知らんぷり。
アメリカで出迎えてくれた私の友だちがすごくあきれて、「のぞみちゃんのだんなさんって酷い人だね」って言ったのを今でも覚えてるよ。
今でも、カフェの買い物とか外に買い物しても、どんなにたくさんの荷物を抱えて重くても持ってくれることはほとんどなし。
それでも私は、夫のことを責めなかったんだ。
辞任しようかと思った時期を乗り越え、新年度計画を立て、建築に向けていろんな人と交渉をしたり情報を集めたり、教会の人との間でもコミュニケーションをとったり。
ストレスを抱えながら、夫はがんばってるんだと思っていた。
でも、私のことをただコントロールしたいのか、大切に思っているのかということがずっとわからなくて、ずっと今まできてしまった。
何か言葉をかけられても、何をされてもまったく愛を感じなくなってきた。
子供がまだ赤ちゃんだった頃は、私がもっといい奥さんで、よく気がついて、もっと夫のことを大切にすれば愛してもらえるのかなと思っていた。
今は正直言うと、いろいろと思ったり考えている自分の気持ちを言うことが難しくなってきた。
心が堅くなってしまったというか。
もう心も体もけっこう疲れてきています。
先日、夫にこのように言いました。
「私は最近あなたに愛を感じないし、伝えたいこともあったけど、もう何も感じなくなってしまった。ポッカリと心に穴が開いてしまった。あなたには本当にがっかりしてしまった」と。
言ってしまった後、いくらそう思っていても、夫のプライドを否定するような言い方はよくなかったなと反省しましたが、でも、今の正直な気持ちです。
智さんとは、逢うべき時に逢ってしまったような気がする。
私にとって、とても大切な存在になってきました。
子供のことを考えると、離婚とはすぐに決断できないけれど、私は子育てをある段階まで終えたら、もう一度考えようと思っています。
岩上智一郎
俺さ、馬鹿だから自分の欲望と言うか本能に忠実に生きてきた。
望を抱いた事に後悔はないし、この女と一緒にいたいって思った。
でも、時折見せる望の悲しそうな顔。
色々考えた。
今だって逢いたいし、逢えば抱いてしまうよ。
だって好きだもん。
でもさ、好きな人が幸せに子供の前で笑顔を見せられる事の大切さを知った。
いや、気付いた……。
望は悲しそうな顔よりも、笑顔がいい。
そして俺はそんな望が好きなんだって。
すっごい辛い選択して、今だってうーんって思うよ、もちろんね。
子供たちが育ち終わり、今の生活が嫌で、その頃まだ俺が独身だったら、いつだっておいで。
大歓迎するよ。
セブンスターに火をつけた。
ゆっくり煙を吐き、消えていくまで目で追う。
「……」
俺は、本当にこの子を好きだったんだなと実感する。
人間楽な方向へ進めるのなら、基本的にそちらへ行ってしまう。
結果それは堕落に繋がる。
きっかけは小説の作家と読者だった。
気付けば不倫という関係になっていた。
もちろん俺は抱きたくて望を抱いた。
望もそんな俺を何度も受け入れた。
旦那に浮気がバレた。
望は離婚を決意、新たな生活を選択する。
まだ小学生の二人の娘がいる望。
成人までってなると、十数年。
まず自分の幼少期を振り返ろ。
何故お袋が俺に虐待をしたのか?
何故三人の子供を捨ててまで、家を出ていったのか?
過去リサーチをするつもりで、様々な異性に質問をした事があった。
シングルマザーという言葉。
俺がガキの頃は無かったものだ。
離婚率が上がっている現在。
そんな表現が当たり前のように使われるようになった。
何故シングルマザーか?
単純だ。
自分で腹を痛めてまで生んだ子を自らの手で育てたいからだ。
つもり俺の両親のケースは非常にレアになる。
普通…、母親は幼い子供を置いて出ていかない。
俺が色々な女から聞いた答え。
それは二通りしかないのだ。
一つは旦那の理不尽な暴力によるもの。
そしてそれが自身の生命を脅かす状況になった場合。
生存本能から子を捨てて逃げ出す行為。
もう一つの事実。
他の男へ走った場合……。
身体だけの不倫ではない。
心まで別の異性に奪われた母親は、親から女…、雌に変身してしまう。
俺のお袋は間違いなく後者だった。
あれほど毛嫌いし、憎悪を燃やした母親。
それなのに望を同じような目にさせてしまっていた現実。
血は逆らえないのか?
親が親なら子も子?
そうじゃない。
流れる遺伝子は一緒でも、環境や自身の考えでそれは変えられるはず。
大切に想うからこその決断。
自身の凄惨な幼少期のような子供を俺の手で作ってはならない。
欲望よりもまずは子供。
それが本来の親なのである。
快楽に溺れるのは気持ちいいし簡単。
ただそれだけを求めたら獣と変わらない。
だから俺はこう生きろと突き付けたのだ。
好きだからこそ距離を置く。
どのぐらい時間が空くかは分からない。
それまでに彼女が新たな出会いがあるかもしれない。
もちろん俺にもそれは言える。
ただ誠心誠意、せめて今は清く生きよう。
座右の銘を思い出せ。
そして把握しろ。
仁義礼智信、厳勇……。
何だか心が痛いなあ。
でも遅くはない。
生きていればやり直しは利くのだから。
品川春美…、ミサキ…、百合子とはまた違った形の終焉。
あれほど愛おしかった望を俺は自分から解放した。
以前群馬の先生に言われた通り、本当に俺は愛に苦しむなあ……。
望という女性を手放した俺に残ったものと言えば、小説しかなかった。
では何をもって小説…、文学と定義するのか?
文章を書いて物語を書けば小説か?
概ね合っているが少し違うと思う。
物書きを名乗るなら、一冊の本にしてこそ初めて小説と言えるのではないだろうか?
過去、自費出版というものを否定した。
簡単にいえば、あれはあくどい出版社のシステムだけであり、本にしたいという作家志望の志を逆手に取って金に変換させた商売だからである。
最初に思い浮かぶのが、新宿歌舞伎町の裏稼業『ゲーム屋』時代にお世話になった番頭の佐々木さん。
外見はパンチパーマで全身刺青入っているし、元ヤクザだから一般人はまず近寄らないだろうけど、本当に優しい人。
歌舞伎町の野良猫に十年間缶詰などの餌をあげ続けた。
一日だけ法事で猫にあげられないから、その時俺に頼んだくらい。

その元奥さんが幻冬舎で発売されている『極道な月』の天藤湘子。
元々は『文芸社』の自費出版で、佐々木さんが金を出して始まった。
湘子さんは奇麗な方で自分の刺青を載せた表紙が話題を呼び、五万部ぐらい売れたそうだ。
当時佐々木さんは、いつも俺に「岩上君、本当に金が掛かって困るよ」と愚痴をこぼしていた。
俺がまだ小説のしょの字も無かった頃の話。
これだけ売れているのに、まだ最初に投資した額が戻っていないというのだから、自費出版って本をどうしても出したいという自己満足の人以外は、悪に過ぎないと思う。
手口が騙しや詐欺と一緒だから。
小説家になりたい奴は、どんな賞でもいい。
絶対に賞を獲って、出版社が出すという形で本にしなきゃいけないと思う。
本当に力があり、素晴らしい作品を書けたなら、いつかは日の目を見る。
だからそれしかありえないのだ。
プロ野球選手にどうしてもなりたいからと、金を詰めばなれるのか?
プロレスラーになってリングの上で戦いたいと素人がいくら願おうが、金を詰んでも無理だ。
特殊な世界は特別な条件が必須。
それを潜れなければ、プロとは呼べない。
自分で金を出してでも本にしたいという『ズル』は、文学界の劣化に繋がる。
少なくともそんな事がまかり通るシステムは、叩き潰さないといけないのだ。
俺もまだ『新宿クレッシェンド』が賞を取る前、二つの出版社から連絡があった。
時代は書き終えて数作品仕上げた歌舞伎町浄化作戦開始時の二千四年。
自身が管理する裏ビデオ屋摘発で、国や警察という組織に対し対極の位置にいた。
一つは文芸社。
当時文芸社の上十石(かみじっこく)と言う偉そうな編集のオヤジから突然俺にメール来て「新宿クレッシェンドは世に出さなきゃいけない作品です。七百部で二百八十万出して世に出しましょう」と言ってきた。
頭がおかしいのかと思った。
何故普通の書店で一冊千円程度で売っている本に対し、わざわざ一冊当たり四千円も掛けて自費出版しなきゃいけないのか?
それを正直に伝えた。
すると上十石は高飛車な口調で言う。
「売れる作品なんて作るのは簡単なんですよ。名のある作家に流行のものを書かせれば簡単に売れるんですよ! ただね、何であんたみたいな素人に声を掛けたか分かる? 斬新な発想がほしいんですよ」
「おい…、素人と今抜かしたな? 同じ台詞を俺の前で吐けるのか?」
「いやいや、素人さんの意見など、どうでもよくてね」
石原都知事の掲げた正義を気取ったパフォーマンス。
自身が生み出した新宿クレッシェンドをきっかけに世へ躍り出て、国の腐敗を正したい。
狂った思考かもしれないが、そんな歪んた正義感もあった。
その志を金払えば、本にしてやるだと?
「首洗って待ってろや……」
作家という魂を極限まで小馬鹿にした行為。
俺は『文芸社』まで本当に殴り込んだ。
あれほどデカい口を利いた上十石。
ただの冴えないしょぼくれたオヤジだった。
「おいおい、俺を目の前と、電話の時と随分態度違うじゃねえかよ、あ? すみませんなんて口先で言わず、誠心誠意謝ってみろや。売れる本簡単に作れんだろ、おい? 今作ってみろや」
目を見開いて脅す。
自分のこの行動が悪い事だと、自覚しつつも止まらない。
人間の尊厳を軽く見て馬鹿にしやがって……。
必死に懇願しながら土下座する屑。
優越感に浸りたいからこんな事をした訳じゃない。
文学を冒涜し、売れる本は簡単にできると嘯き、我が子新宿クレッシェンドに対し、金を出さば世に出してやると豪語したいのだ。
自費出版をお願いするならまだ分かる。
何故金を出させようとしつつ、ここまでデカい態度を取れるのだ?
人間的に気に食わなかった。
本当に信念があっての言葉なら、電話口の向こうやメールで姿が見えないセーフティーな状況だけでなく、本人を目の前にしても同じ事を堂々と言えるはず。
今思えば警察沙汰にされなかった俺のほうが助かった形になったが、仮にあれで捕まっていたとしても後悔はない腹積もりである。
どうせ、こっちは元々いつパクられてもおかしくない裏稼業にいるのだ。
あの当時の時代背景が俺自身をイケイケにしていた。
もう一つの似たような自費出版系で来たのは、新風舎。
俺の処女作『新宿クレッシェンド』が、当時この会社の賞で一次選考を通過した。
まだ百合子と付き合っていた二千五年の頃。
百合子へ話すと自分毎のように喜んでくれた。
「岩上さん、青山にある当社へ一度是非お越し下さい」
そう連絡あった俺は、浮き浮きしながら青山へ初めて向かう。
やっと我が子を認めてくれる出版社があったと一喜一憂する。
周りを見渡すと、出版社だけあって本棚は多いが、お洒落な図書館のような造り。
そして社内を歩くスタッフを見ながら感じた事。
この会社はそこそこいい女が多い。
編集プロデューサーと名乗る村田彩という女性と話した。
しかし、どうも話の内容がおかしい。
「岩上さんの作品を世に出しましょう。共同出版という形で。それでまず金額のほうなんですが……」
「ちょっと待って下さい。俺は悪いけど、自費出版などするつもりまったくありませんよ。本当にいい作品なら、何も作者が金を出す必要などどこにも無いじゃないですか」
「ええ、それはおっしゃる通りだと思います。しかしこのタイミングでなら、お安く経費も済みます。とりあえず見てもらえませんか?」
そう言って出版プロデューサー村田彩は、分厚い書類をテーブルの上に置く。
言われた通り目を通してみた。
「……」
五百部の本を作るのに、俺が二百三十万の費用をまかなうと明記してある。
普通に考えて、本一冊の値段など、千円から二千円ぐらいが相場だ。
それを何故一冊辺り俺が四千六百円も出さなければいけないのだろう。
あの文芸社よりも高いじゃん。
俺はいい切り返し方を思い付く。
「あのさ、俺からも実は提案あってね。君、こういう仕事をしているぐらいだから、小説の一つや二つ書いた事あるでしょ?」
「ええ、あります。だから作者様の気持ちはよく分かりますよ。私は才能の枯渇を自覚し、このように支える側へ周りサポートするのが使命だと考えております」
こうやって何人の作家志望から、金を毟り取って生きてきたのだろう。
一見言っている事は最もらしく聞こえる。
だがやっている事はただの寄生虫だ。
「いやいや、お姉さんの話し方とか聞いていると、さぞかし素敵な作品を書くだなあと思うもん」
「いえ、岩上様の新宿クレッシェンドに比べたら、児戯に等しいです」
「いやいや、そんな事ないって…。まだデータなり印刷したものは残してあるんでしょ?」
「ええ、お恥ずかしながら……」
俺の背中を見ている人間は少なくとも三人はいる。
付き合って応援してくれている百合子。
そしてその娘の里帆と早紀。
恥ずかしい生き方なんぞ、できねえんだ。
「じゃあ俺がそれを本にして世に出してあげるから、今二百三十万出してくれないかな? ちゃんと本にして世に出すからさ」
「え? あの…、いえ…、わ、私は……」
「何で? 君が提示した金額で同じ事ができるんだよ?」
「いや…、私は結構です」
「おい、姉ちゃん。自分でできない事を何故、俺に押しつけようとするんだ?」
「え、あの……」
「ちょっと立ってみ?」
「え、はあ…。これでいいんですか?」
その女が立ち上がったので俺は近付き、いきなり肩で担ぎ持ち上げた。
「ちょっと、何をするんですか?」
女は持ち上げられたまま、俺の背中を両手でポカポカと叩く。
人が金を出すのはいいけど、同じ事で自分が出すのは嫌だと言う恥知らずな女。
どさくさに紛れてケツを触ってやる。
自身の恥を多くの人の前で晒してやった。
もちろんこの事だけはヤキモチ焼きの百合子には、内緒にしないといけない。
「ん? おまえ舐めてっから、これからホテル連れて行ってお仕置きする」
「やめて下さい!」
「おまえさ、自分たちのしている事について、恥を知れ」
この騒ぎで奥からお偉いさん連中が出てきた。
仕方ないので目の前で女を降ろす。
俺は「作家の魂をくだらないトークやマニュアルで切り売りしてんじゃねえよ、ボケ」と言い残し、新風舎を去った。
川越へ戻ると百合子には、過去の文芸社の話を持ち出しあそこと同じ会社だったと説明した。
「智ちんの小説、いつかどこかが分かってくれるから大丈夫だよ」
結果を出せない俺に対し、精一杯を見せてくれる百合子。
もっと頑張らなきゃいけないなあと反省する。
当然の事ながら新宿クレッシェンドは、二次選考で落ちていた。
自費出版会社は魂が無いと思った。
百合子も離れていった。
望も離れた。
それより前にしていた事。
小説だ。
そもそも何故小説を書こうとしたのか?
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