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闇 234(ひたすら弁当作りと別れ編)

闇 234(ひたすら弁当作りと別れ編)

2025年07月08日(火) 14時50分04秒

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闇シリーズ

ひたすら弁当作りと別れ編

2025/03/11 tue

2025/07/08 tue

前回の章


仕事が終わって風呂へ入る。
起きてからも風呂に入る。
仕事へ行く前も風呂へ入る。

こんなにも俺って風呂好きだったのか?
いや、風呂栓も隠されず、好きな時にいくらでも湯船に浸かれる自由…、その部分が嬉しいのだ。

仕事明けなど湯船に浸かったまま寝てしまい、出しっ放しの湯がセンサーで消え、水になって初めて慌てて飛び起きる事もあった。

仕事をし、洗濯を済ませ、料理を作る。
あとは風呂へ入る。

俺の生活スタイルはほぼマンションの中だけでほとんど済んだ。
いつもと違う時はめぐみが来ている時くらい。

初めてのガス代の請求が来て驚いた。
ガス代九千七百六十六円に対し、電気代は八千二百三十三円。

電気代よりも、ガス料金の方が高いのである。
キッチンはIHなので、ガスの使用は風呂のお湯を沸かす時くらい。

つまり俺は『ドラえもん』のしずかちゃん並みにお風呂に入っているという事になる。

 写真を見て下さい ・ガス 9766円 ・電気 8233円  電気代よりも、ガス料金の方が高いんです……  キッチンIHなんで、ガスは風呂のお湯だけ  つまり…  俺はドラえもんのしずかちゃん並みにお風呂に入っているという事になるのか?

Posted by 岩上 智一郎 on Saturday, January 12, 2013

まあここまで湯に浸かるのも、今が真冬で寒い時期だからだ。
まだ寒さは続くだろう。

生活スタイルを節約してストレスを溜めるほうが良くない。

バレンタインデーに大雪が降った。
もらったチョコレートはめぐみからの一つのみ。

料理を作っていると、外が何やら騒がしい。

様子を見に行くと目の前の工事中のマンションの前に近所の人たちが数名集まっている。
状況を聞いてみた。

建物の周りを囲う足場の板が外れ、地面に落ちてきたらしい。
建設中のマンションを見上げると、十階ほどの高さの部分の板が一枚分外れている。

詳しく尋ねると夕方頃、外壁の一部が取れ、こんな高さから真下へ落下。
幸い誰も近くを通り掛かっていなかったので、怪我人は出ていない。

 先日14日に降った大雪。  次の写真を見て下さい……。  この写真、今のうちの目の前の作業中現場なんですが、赤〇で囲った部分の外壁が一枚分外れています。  夕方頃、外壁の一部が取れ、こんな高さから真下へ落下したそうなんです……。  幸い誰も近くを通り掛かっていなかったので、怪我人は出ませんでしたが、一歩間違っていたら、大惨事になっていましたね。

Posted by 岩上 智一郎 on Tuesday, January 15, 2013

しかし一歩間違っていたら、大惨事だったろう。

「怪我人出なくて良かったよねー」
「本当だね。雪で寒いから部屋へ戻ろう」

めぐみを促しマンションへ戻る。

雪にちなんで、ホワイトコロッケサンドを作ってみた。
白いパンが売っていたので買っておいたのだ。

「うー、寒い。智一郎さん、お風呂入ってくるね」
「はい、どうぞ」

「うわっ!」
「ん? どうした?」

めぐみが大きな声を出したので近付く。

「また入浴剤増えてる!」
「好きなの使ってゆっくり入りな」

「種類あり過ぎでしょ!」

仕事帰り、毎日のようにピカソへ寄っては入浴剤のバスクリーン系を買い、気付けば何と八種類に増えていた。
リンゴの香りの入浴剤だけ二つ被っていたりする。

地味で平凡な日々をこうして送りながら、平穏だなとちょっとした幸せを感じていた。


昨夜仕事を終え、帰り道を自転車で進みながら、まだ寒いので温かいものを作ろうと決める。

部屋に戻り、クリームシチューを作り始めた。
仕事前から仕込みはしていたので、あとはコトコト煮込みながら味の調整をしていくだけ。

寒かったので、ジャスミンの香りがするバスクリーンを湯に入れ、シチューを温めている間、風呂に入る。
すると浴槽に浸かりながら寝てしまったようで、三時間も湯に浸っていたようだ……。

 昨夜仕事を終え、部屋に戻り、クリームシチューを作り始める。仕事前から仕込みはしていたので、あとはコトコト煮込みながら味の調整をしていくだけ。  寒かったので、ジャスミンの香りがするバスクリーンを湯に入れ、シチューを温めている間、風呂に入...

Posted by 岩上 智一郎 on Wednesday, January 16, 2013

キッチンはIHなので、自動で熱が止まる設定になっていたらしく、シチューは焦げ付かずセーフ。
でも、湯に浸かり過ぎたせいか手の先がフニャフニャにふやけていた。

湯船で寝てしまうなんて、仕事で疲れが溜まっているのかな?
たまには休みを取って、めぐみとどこかへ行ってみるか。

 昨日作ったクリームシチュー  また昨夜も、風呂に入ったまま、寝てしまったw  今回は桃の香りにしてみました(風呂の香り)

Posted by 岩上 智一郎 on Thursday, January 17, 2013

気を取り直して餃子を作り始める。

面倒なので皮だけ市販のものを使い、餃子の餡の野菜を刻む。

キャベツや玉ねぎの微塵切りは面倒だが、細かく刻まないと包む時が面倒になる。

挽肉と調味料を入れ、よく混ぜ合わす。

皮の上に餡を乗せ、周りに水をつける。

半分に畳んで隙間ができないよう中の具を閉じ込め、あとはヒダをつけていく。

市販の餃子の皮が三十枚入りなので三十個作る。

フライパンに油を引いて最初は強火で多少焦げ目をつけてから、水を入れて蓋して蒸し焼きする事五分。
うん、中々美味い餃子を作れたようだ。

 今日は餃子を作ってみました。  面倒だったんで、今回皮は市販のものを使いました。 http://cookpad.com/recipe/1517104  自分で作ってみたいって人は、レシピ載せてあるんで、参照程度にどうぞ

Posted by 岩上 智一郎 on Saturday, January 19, 2013

昼にめぐみが来ると言っていたから、残りは冷凍しておくか。


シチューや餃子を弁当にする訳にもいかず、俺はフランスパンを買ってきて菓子パンを作り出した。

シチューフランスパンの完成。

考えてみたら、何故俺は田村の為にこう毎日弁当を作り続けるのか?
いや、深く考えても意味がないか。

彼の家庭の事情へ同情して、俺が勝手に始めた事だ。

気を取り直して自分の為に豆腐チゲ鍋を作る。

腹も膨れたし、外へ出掛けるか。

横浜橋商店街の中をトボトボ歩いていたら、魚屋で素敵なマグロのサクが並んでいるのを発見。
思わず見とれてしまっている自分がいた。

自分の心を癒す為に、マグロしを買おう……。

買ったはいいが、大きなマグロのサク。

まあ今日ぐらい贅沢したっていいか。
たまには自分へのご褒美だって必要である。

そんなわけで作ってみた。

マグロを切り分け、ご飯を炊くと酢飯にする。

二重三重に敷き詰めた贅沢なマグロ丼の完成。
田村の分も作り、店へ持っていく。

 今日ですね…、パチンコ行っちゃったんですね。  そしたらまた、何て言うか…、う~ん、また負けてしまったんですよ。  ええ、そりゃあもう、帰り道は当然がっかりです。  でもですね、横浜橋商店街の中をトボトボ歩いていたら、お魚屋さんで素敵な...

Posted by 岩上 智一郎 on Friday, January 25, 2013

「岩ちゃん、気持ちは有り難いんだけど、弁当で生モノは……」
「買ってきたばかりの新鮮なマグロですよ」

「うーん、それなら食べるけどさ」

コイツ、俺が一円も取らずに毎日弁当を作って持ってきているのに、感謝とかそういう感情無いのか?

抱いた不満をぶつけたところで、オーナーサイドの修さんの同級生である。
揉めたところで俺に得は無いので、我慢して黙って自分の席へ戻った。

仕事帰り戻る方向が同じなので、田村と自転車を並走する。

「今日辺り、岩ちゃんの部屋寄って一杯飲んでいくか」

この男を部屋に上げるのは嫌だな……。

「すみません、今日女が部屋で待っているので」

俺は嘘をついて断り、部屋へ戻った。


仕事をして風呂に入って寝て、起きると横浜橋通商店街で買い物をして料理。

めぐみが来るとそのルーティンが少し崩れるので、たまには商店街にある惣菜屋でコロッケや焼売などを買い、調理の手抜きをした。

買ってきたものを弁当箱に詰め、海老シュウマイ、カレーコロッケ、ソーセージを並べる。
大根の煮込みを作り、エッグポテトサラダを盛り付けた。
ご飯を炊き、しば漬けを添える。

またつい田村の分まで作ってしまった。
気にしてもしょうがない。

職場へ行き、弁当を手渡す。

 今日は大根の煮込みや、エッグポテトサラダなどを色々作りました。 ■お献立■ ・海老シュウマイ ・カレーコロッケ ・ソーセージ ・大根の煮込み ・エッグポテトサラダ ・ご飯 ・しば漬け

Posted by 岩上 智一郎 on Sunday, January 27, 2013

「悪いね、いつも」

そう言いながらも彼は、どんなにホールが忙しくても相変わらずキャッシャー室から出てこない。
徐々に溜まるジレンマ。

田村にホール仕事をやらせる為、一月の月末辺り休みを取ろう。
それでも俺は翌日も弁当を作る。

めぐみは夜の仕事もしているくせに、常に金欠状態で仕方なく一万円程度の金をたまにあげていた。

俺はほとんど自炊するのでそう金を使わない。
部屋の維持費に光熱費、そして日々の食材を買えば済む程度だ。

それでも月三十数万円の給料から、めぐみに五万円ほどの金を渡すと貯金までは中々難しい。
だから彼女が部屋に来ると基本的に部屋で過ごすだけの生活となる。

まあ休みを取ったら、たまにはどこかへ出掛けるか。


魚をまとめて買って冷凍をする。
フライ系は惣菜屋で済ますか。

今日の弁当は鱈を焼いて、鶏肉塩焼き。
グリル調理機は本当に便利だ。
唐揚げを作り、買ってきたアジフライ、キュウリヌカ漬け、しば漬けを添える。
麦ご飯を炊いて完成。

そこまで凝った弁当ではないが、こうしたものを毎日ただ食べるだけの田村。

本日の弁当 ・鱈の焼き魚 ・鶏肉塩焼き ・唐揚げ ・アジフライ ・キュウリヌカ漬け ・しば漬け ・麦ご飯

Posted by 岩上 智一郎 on Wednesday, January 30, 2013

自分から気遣ってたまにはホール仕事するからキャッシャーへ入りなよとかは何も無い。

「田村さん、二月になったら、俺は休みもらいますね。隆さんがキャッシャー入るから、ホール仕事覚えておいたほうがいいんじゃないですか?」

「え、岩ちゃん休むの? まあINとOUTくらいでしょ。あとはドリンクやカップラーメン作るくらいで」

そんなもんじゃないんだけどな、ホール仕事って……。

ヤクザ客相手にホールをこなす事の大変さを何も理解していない証拠だ。
明後日の休み、勝手に苦労すればいいさ。

今日はめぐみが部屋に来る。

仕事から戻ると彼女がいたので、簡単な料理を作る。
食事を済ますとめぐみが申し訳なさそうに口を開く。

「智一郎さん…、ちょっと生活費がまた足りなくて……」

彼女は金を貸してくれとハッキリ言わない。
いつもこんな感じで俺がしょうがないと金を出すのを待っている。

「めぐみも働いているんでしょ? 何でそう常に金が無いんだよ」
「夜の店に着ていく服も自腹で買い揃えるようだし、ここへ来るのもタクシー使って関内から来ているでしょ? 色々とお金が掛かるのよ」

俺は黙って一万円札は渡した。

「いつもごめんね、智一郎さん」

貸すではなく、ただあげている金。

「今日出勤したら、明日は休みだから。そしたらたまにはどこかへ行こうか」
「うん」

お決まりのようにめぐみを抱いて寝る。

起きると銀鮭を焼き、麻婆豆腐を作り、味付けしたフライドチキンを揚げる。
お新香各種は近くの八百屋で安く売っていたので、それを使う。
麦飯を炊いて弁当の完成。

今日の弁当 ※新たな弁当箱を購入しましたw ■お献立■ ・銀鮭 ・麻婆豆腐 ・フライドチキン ・お新香各種 ・麦飯

Posted by 岩上 智一郎 on Friday, February 1, 2013

また田村の分まで作ってしまう。

昼にめぐみはエステの仕事があると出て行くが、少し説教臭い事を言ってしまい、気まずい感じで別れた。
金はもっと大切に使えと説いたつもりだが、彼女が不服そうな表情をしたのでつい説教っぽくなってしまったのだ。

弁当を持って出勤する。

「はい、田村さん、弁当」
「おお、今日は焼き鮭かー。悪いね、いつも」

やはり今日もキャッシャー室から出てこない。
まあ明日苦労すればいいさ。

一卓へ座り、パソコンをいじっていると、一通のメールが届く。

めぐみからだ。

『あれからよく考えたのですが、智一郎さんとはお別れする事にしました。いつも部屋の中で過ごすだけで、デートらしいデートもせず。今日部屋を出る時智一郎さんと口論になりましたが、この人は私の事をあまり好きじゃないんだなと思いました。 塚田めぐみ』

俺が昼間に注意したのをめぐみなりの解釈がこれかよ……。

客のいる前で電話をする訳にもいかないしな。
俺はメールで返す事にした。

『君が別れるのは構わないけどさ、それなら俺から金を持っていくとか止めて欲しかったな。俺も一から苦労して部屋を借りたばかりだし、余裕が無い状況の中めぐみへ金を渡していた訳だしね。それに好きじゃないとか勝手に決めているけど、俺の行動見て何故そう取るのかが不思議だよ。 岩上智一郎』

口うるさく言われたから別れたいという気持ちと、ちゃんと彼女へ好きと言わない俺への気持ちを確認したいのだろうが、別に去るなら去るでいいやという冷めた部分もあった。

確かにデートらしいデートをしなかったのは悪かったかなという気持ちはある。
しかし度々金を無心してくるめぐみに対し、少しだらしない女だなと思っていたのは事実だ。

『智一郎さんの行動見て何故そう取るかって、好きってちゃんと言わないと相手には伝わらないよ。 塚田めぐみ』

俺が好きと言わないからいじけているのか。

めぐみの事は嫌いではない。
しかし会う時は、ほとんど俺が面倒を見ていた。

彼女の依存的な感覚で、まだ何かを追求されても面倒だなと思ったので、俺は携帯電話のアドレスからめぐみの番号やメールアドレスを削除する。

せっかくどこかへ連れて行こうと明日休みにしたんだけどな……。

まあいい。
あえて俺から追うつもりも無い。

二千十三年の一月の終わり。
俺は塚田めぐみとの付き合いを終了した。


休みを取ったはいいが、何の予定も無くなった俺。
たまには地元川越へ顔を出してみるか。

夕方手前までのんびり過ごし、部屋をあとにする。

阪東橋駅からブルーラインで横浜駅へ。
湘南新宿ラインで新宿駅。

着いたら西武新宿駅まで歩き、特急小江戸号で本川越駅。

窓から写る景色。
夕暮れ時の空に雲が横に掛かり、その上は綺麗な青空。
少し面白い風景なので電車内から写真を撮ってみた。

実家には当然顔を出さず、吉岡金物店を継いでいる先輩の吉岡さんところへ顔を出す。

「おう、どうだ横浜は?」
「まあまだ部屋借りて数ヶ月ですからね。落ち着きはしましたが、遊ぶのはこれからですよ」

「俺もおまえが落ち着いたら横浜へ遊びに行くからよ。そしたらいい店連れて行けよな」
「奥さんの許可を得てからならいいですよ」

「ふざんけんじゃねえぞ! おまえ、余計な事をうちのに絶対言うなよな」

「冗談に決まってるじゃないですか。でも、たまに口を滑らせるかも……」
「おまえ、言ったらぶっ殺すからな!」

吉岡さんは面倒見がいい直情的な性格の先輩である。
続いて櫻井商店を営む櫻井さん。
和菓子の伊勢屋の始さん。
大正浪漫通りにある加賀屋のおばさんと顔を出す。

地元での仲のいい面々に対しての顔を見せに帰ったようなものだったな。

めぐみと別れた事で困る事といったら、セックスする相手がいなくなっただけ。
俺の生活には何の支障も無く、また微塵の淋しさも感じなかった。

横浜へ戻ろうとして、ふと里菜の事を思い出す。
自分一人で強がってみたものの、やはり俺は淋しいのか……。

刺青男裕也のガールズバーへ顔を出す。
前より女の子の数が少なくなったなと思いながら、里菜の姿を探す。

俺に気付いた里菜が、すぐ席まで来た。
そのまま彼女を指名して酒を飲む。

「もう来てくれないかと思ってたの」
「あの時おまえが営業電話みたいな事を言うからだ。でも川越にたまたま帰ってきて、横浜へ戻ろうとした時里菜の顔を見たくなってな」

「嬉しい……」

誰もこちらの席を見ている人間がいないのを確認してから里菜の唇を奪う。
彼女はまったくあがらわない。

「なあ、店終わったらどこか飲みに行かないか?」
「うん、いいよ」

この店のオーナーである裕也の顔もあるので、俺は二回延長してから会計を済ました。
外で待っていると十分もしない内に、里菜が出てくる。

「どこ行くの?」

俺は黙ってタクシーを捕まえた。

「正直に言う。凄いおまえを抱きたい。ホテルでいいか?」

しばらく里菜は俺の目を見ながら考えていたが、ゆっくり頷く。
このようにプライベートで会えば、簡単に抱けるのは何となく分かっていた。

ホテルに着くなり彼女の服を脱がせ、全身を愛撫する。
入れようとした瞬間、里菜が口を開く。

「待って!」

「何だよ? やっぱり嫌になったのか?」

「ううん…、だったらここに一緒に来てないでしょ」

「じゃあ、どうしたの?」

「私ね…、結婚してるの……」
「え、何それ? 最初に俺と会った時は独身だって言ってたじゃん」

「うん、その時はそうだよ」
「じゃあ何、最初会ってから今日会うまでの数ヶ月の間に結婚したって事?」

「そう……」

「相手は? まあ、俺の知らない奴だよな……」

タバコに火をつけて里菜との間を取る。
まったく抱く段階になって何て事を言いやがるんだ。

「智一郎さんの知っている人だよ、旦那」

「俺が知ってる? だって今俺はこっちにいる訳じゃないよ? 誰よ? ひょっとしてあの店の裕也とか」
笑いながら言うと、里菜は黙ったまま頷いた。

「ちょっと待ってよ…。何その展開は……」

里菜は俺と初めて会ったあと、オーナーの裕也に口説かれた事、そしてそのあと熱烈なモーションを受けて結婚した事を説明する。
しかしエレベーターも無い四階まで階段で行かなければならない立地条件で、ずっと閑古鳥が鳴いた状態だったらしい。

店の女の子もどんどん辞めていき、残ったのは妻である里菜と経営状態を何も知らない新人が数名だけという状況のところ、突然俺が現れたという訳だ。

とりあえずホテルに来て裸にして中途半端なまま。
ここで里菜を抱こうが抱くまいが変わらない。

淡々と店の事を話す里菜を途中で押し倒し、そのまま俺のをぶち込む。
大きな声で喘ぎながら里菜は俺にしがみつく。

この女なら自然といけるかもしれない。
そう思った時、里菜が耳元で話し掛けてきた。

「お願い…。中に出して……」

思わず腰の動きが止まる。

「いやいや、今おまえを抱いているけど、それだって不倫なのを知ってて抱いた。でもさ、中に出すのはさすがに違うだろ?」
「お願い出して!」

懇願する里菜から離れ、タバコへ火をつけた。

「何でだよ?」
「そしたら離婚も完全に決められるし、色々踏ん切りもつくから……」

本能的に抱き、本能的に抱くのを中断した。
そんな俺の判断は間違っていなかったようだ。

そんな地雷というか泥沼の中に引きずり込まれるのはごめんである。
俺はそう自棄にならず、裕也ともっと色々話し合ったほうがいいと諭しホテルを出た。

そのあとで居酒屋へ入って朝まで里菜と過ごしたが、彼女の携帯電話には何度も着信が入る。

「裕也だろ?」

「うん……」
「何て説明するんだ?」

「……」

「じゃあこうしろ。俺とカラオケ行ったら、寝てなかったみたいでそのままずっと寝てしまい、帰るに帰れなかったと」

「うん……」

時計を確認すると始発が出る時間だった。
俺は里菜と別れ、横浜へ向かう。

何で俺はこう異性とうまくいかないのかな……。


風呂に入りゆっくり寝る。
里菜とのセックスを思い出していた。

あそこで中に出したら待っているのはただの修羅場。
裁判沙汰になったら俺が百パーセント負けるだけ。
俺の判断はあれで良かったのだと自分に言い聞かせる。

小腹が減っていたので料理を始めた。

そういえば買い置きの鮭や手羽元も、まだ冷凍庫にたくさん残っているよな。
似たような弁当になるので、チキンの味付けを変えてみる。

銀鮭焼きにスパイシーカレーフライドチキン、お新香各種、じゃが芋を切って揚げたポテトフライ。
近くの精肉屋で豚トロが安く売っていたのでスタミナ焼きを作る。
ご飯に麦を入れ、麦飯を炊く。

最近このパターンのご飯が多いな。

先日地元へ戻った際、電車から不思議な雲が見えたので、思わず撮影 ■今日の弁当■ ・銀鮭 ・スパイシーカレーフライドチキン ・お新香各種 ・ポテトフライ ・豚トロのスタミナ焼き ・麦飯 ・トマトサラダ

Posted by 岩上 智一郎 on Monday, February 4, 2013

職場へ行くと、田村が早速愚痴をこぼしてきた。

「参ったよ。昨日三十代の若いヤクザ者にがなられたよ。俺にそんな口を利く奴なんて久しぶりだよ」

がなられたとは向こうの方言か何かだろうけど、怒鳴られたという意味合いなのだろう。

「何で、がなられたんですか?」
「ゲームの説明しろとか言ってきて、そういうのは岩ちゃんの仕事じゃん。俺は分からないからさ。そしたらがなりたてて来やがってさー。だから岩ちゃんに休まれると隆君がキャッシャー入るようだから、困るんだよなー」

「……」

仕事なんだから覚えればいいだけの話だろ。
何を抜かしているんだ、コイツ。

ただ飯を毎日もらっている分際で、俺に仕事を休むなとか何を無茶言っているんだ?

この日も当然キャッシャー室へ当たり前のように入ったまま、ホール仕事を一切覚えようとしない。
年を無駄に食ってプライドが高くなっただけの駄目なオヤジ。

俺は週に一度ペースで、休みを取る事を決めた。


八百屋だけで八軒ある横浜橋通商店街。

マンションから出てすぐの八百屋でトマトがとても安く売っていた。
大きなトマトが一山で三百円。
思わず買ってしまう。

トマトサラダを作り、セパレートドレッシングで食べる。

挽肉も買っておいたので、ミートソースを久しぶりに作った。
トマトをふんだんに使ったミートソースはかなり贅沢だ。

地元の幼稚園時代から行きつけだった『ジミードーナツ』へ行きたくなった。
俺のミートソースは間違いなく『ジミードーナツ』がベースになっている。

カレーピラフを仕込んで炊き込み、冷凍してあった餃子を揚げた。

カレーピラフ、ミートソース、揚げ餃子、トマトサラダの弁当。
田村にあげるのが勿体ない出来具合。

まあ今さら自分の弁当だけ持っていく訳にもいかず、仕方なく駄目オヤジの分も持っていく。

 今日は雪が降るらしいですね。  そんな訳で今日はミートソースやカレーピラフを作ってみました。 ■お献立■ ・カレーピラフ ・ミートソース ・揚げ餃子 ・トマトサラダ

Posted by 岩上 智一郎 on Tuesday, February 5, 2013

「岩ちゃん、見掛けによらず料理のレパートリー多いんだなあ。俺も今は下蔭さんの兄貴の家に世話になっているから作れないけど、和食とかプロ並みに美味いんだぜ」

光熱費込み一万円しか払わずに住み込んでいる駄目男が、また減らず口を叩いている。
言うだけなら誰でも言えるからなあ。

家に帰るとまだミートソースが余っているので、イタリアンハンバーグを作る。

チーズも加え、イタリアンチーズハンバーグの完成。

イタリアンチーズ野菜ハンバーグ、豚トロしょうが焼き、お新香各種の弁当。
田村には勿体ない代物だ。

 今日は昨日のミートソースを活かし、イタリアンチーズ野菜ハンバーグを作ってみました  それとですね、ガス代、何と8000円台に!  先月よりも1000円ぐらい安くなりました^^ ■お献立■ ・イタリアンチーズ野菜ハンバーグ ・豚トロしょうが焼き ・お新香各種 ・ご飯

Posted by 岩上 智一郎 on Wednesday, February 6, 2013

翌日は惣菜屋でフライを買う。

トマトソース掛けコロッケに白身魚フライ、豚トロしょうが焼きに、焼きそば。
別の容器にトマトサラダ。

■お献立■ ・トマトソース掛けコロッケ ・白身魚フライ ・豚トロしょうが焼き ・焼きそば ・トマトサラダ ・麦飯

Posted by 岩上 智一郎 on Thursday, February 7, 2013

田村の分まで作る込みで、自分の仕事だと割り切る。

「岩ちゃん美味いんだけどさ、何かこう連日トマトソースじゃ、ちょっと飽きが来ちゃうよな」

だったら無理に食わないでいいよ、屑野郎が……。

それにトマトソースでなくミートソースだ。
何で俺はこんな屑に無償で毎日弁当を作ってやっているのだろう。


野菜が全体的に安く売っていたので、つい大量に買ってしまう。
茄子にじゃが芋、玉ねぎ、大根、人参。

部屋に持ってきてから後悔した。
どうすんだよ、この大量の野菜を……。

とりあえず野菜の天婦羅をちょろっと作ってみた。
天つゆを作り、残ったミートソースでアラビアータにする。

人参や玉ねぎを使った掻き揚げ丼、天婦羅各種、肉団子、お新香各種、パスタアラビアータの弁当。

 今日は野菜の天婦羅を作ってみました ■お献立■ ・掻き揚げ丼 ・天婦羅各種 ・肉団子 ・お新香各種

Posted by 岩上 智一郎 on Friday, February 8, 2013

「おー、今日は何か豪勢だねー。岩ちゃん、隆君から聞いたけど小説家で本出しているんだって?」

「まあ一応は……」

「俺の仙台の時のカジノの話とか今度してあげるから題材にしなよ。俺の今までの人生語ったら、本の一冊や二冊じゃ済まねえぞ」
「いえ、ネタには困っていないので」

「俺のネタのほうが面白いぞ」

だったら自分で勝手に小説でも何でも書けばいいだけだろ、この屑が……。

五十過ぎて人生破綻して、横浜の同級生の兄貴の家に一万円だけ払って住み込み、仕事まで世話してもらっている男の人生なんて、誰が面白いと思うのだ。

本当にコイツはどうしょうもない。


変わらずキャッシャー室に籠もり、他の仕事はどんなに忙しくても一切やらない田村。
そんな男でも俺は弁当を作り続ける。

いけない。
考えるな。
ストレスが溜まるだけだ。

麻婆豆腐、フライドポテト、野菜かき揚げ天婦羅、麦飯の弁当。

マグロ煮付け、マカロニサラダ、焼きうどん、肉じゃがコロッケ、豚トロ麻婆豆腐、シソ若布麦飯の弁当。

マグロのグリル焼き、ハムエッグ、モヤシ炒め、コロッケ、マカロニサラダの弁当。

■メニュー■ ・麻婆豆腐 ・フライドポテト ・野菜かき揚げ天婦羅 ・麦飯

Posted by 岩上 智一郎 on Saturday, February 9, 2013

そういえば前回休んでから一週間以上仕事ばかりしている。

 昨日は久しぶりに外食しました。  横浜の十八番というラーメン屋行ったんですが、評判の餃子を食べてみたところ、味はいまいちでしたw ■お献立■ ・マグロの煮付け ・マカロニサラダ ・焼きうどん ・肉じゃがコロッケ ・豚トロ麻婆豆腐 ・シソ若布麦飯 ・シバ漬け

Posted by 岩上 智一郎 on Monday, February 11, 2013

長谷川に週に一度休んでいいか聞くと、現場に出るのが嫌らしく断られた。

■献立■ ・マグロのグリル焼き ・ハムエッグ ・モヤシ炒め ・コロッケ ・マカロニサラダ ・ライス

Posted by 岩上 智一郎 on Tuesday, February 12, 2013

そんな最中、仕事の終わり間際に下蔭さんが店に顔を出す。

「おう、今日これから『長八』行くぞ。修が飲み屋の女呼んで飲んでいるから早番の人間と言っても岩上と田村だけだけど、行って来い」

「下蔭さんは行かないんですか?」
「俺は先に行ってるよ。隆の奴は前から飲んでいるぞ」
「了解しました」

平田と坂本が来て仕事を終える。
俺は田村と一緒に二十四時間営業の長八へ向かう。

「本当は帰りたいんだけどなあ」
田村がボソッと呟く。

「せっかくご馳走してくれるって言うんだから、行かない訳には行かないですよ」
「俺は修の奴が、たまに飲むに行く時付き合わせられるんだよ。だから今日はゆっくり寝たかったんだけどなあ」

この男、俺からは毎日無料の弁当をもらい、プライベートでは同級生からタダ酒かよ……。

色々な意味合いで精神が腐っている。

『長八』へ到着し、小上がりへ通されるとすでにベロンベロンに酔った長谷川の姿が見える。
他に下蔭さん兄弟に飲み屋の女性陣三名。

…と言っても三十代後半の女性二人に、あと一人は明らかに六十代くらい。

「おう、岩上。早くここに座れ!」

長谷川が大声で怒鳴ってくる。
言われるがまま座ると「駆け付け三杯だ。ウイスキーストレートで一気に飲め!」と命令してきた。

普段ストレートで飲む俺には罰ゲームでも何でもない。
飲んでいる間、長谷川は女性陣に向かって「コイツは俺が雇っている部下だから、何でも俺の言う事は絶対だから」と偉そうに喋っている。

「止めなさいよ、隆ちゃん」
「いや、俺は社長だよ? 俺の意見は絶対だから」

酔うと長谷川はとんでもなく質が悪い。

その光景を見ていた修さんが立ち上がり、怒鳴り出した。

「おい、隆テメー! 何を勘違いして偉そうにしてんだ? おまえクビにするぞ?」

「俺は一生懸命やってるのにー」

田村が来てからは、店のお菓子を買って補充程度しかしていない長谷川。
どこが一生懸命働いているのか不思議だが、どうやら修さんには頭が上がらないようだ。

「ふざけんじゃねえぞ、隆! 岩上に今、偉そうにしてたじゃねえか」

「俺、一生懸命…、一生懸命やってんですよーっ!」

傍にいた六十代の女性が長谷川の頭をポンポン叩き慰めている。

「チューして、うーん」

長谷川はその女性へタコのように唇を突き出してキスをせがむ。
目の前で見せられる四十代後半の男と六十代女のおぞましいキス。

それを見て、みんな大爆笑した。


挽肉が安かったので買ってくる。

横浜橋通商店街のいいところは、各店で何かしらの安売りをしている点だ。
ほうれん草も二束で百円とあり得ないほど安い。

以前買ってみた白いパンも購入し、ハンバーガーを作る。

まだトマトが余っていたのでモスバーガーのように大きな輪切りを乗せて、レタスもたっぷり入れた。

 今日はハンバーガーを作ってみました。  豚の細切れ肉を叩いてミンチ状にして、色々な野菜を加えてつくりました。  おわり

Posted by 岩上 智一郎 on Sunday, February 17, 2013


ハンバーグはハンバーガーに使ったので、残りはロールキャベツに使い、おろししょうが焼き、ほうれん草おひたし、銀鮭焼き、目玉焼き、お新香、麦飯で弁当を作ってみた。

■メニュー■ ・デミグラスロールキャベツ ・おろしダレしょうが焼き ・ほうれん草おひたし ・銀鮭グリル焼き ・目玉焼き ・お新香 ・麦飯

Posted by 岩上 智一郎 on Friday, February 15, 2013

「いやー、昨日の隆ちゃんは、あれじゃまるで漫画だよなー」

それを言うなら長谷川を笑う田村も似たようなもので、自覚をしていないのだろう。

遅番にいる平田と坂本がまともで、早番の田村にしろ名義の長谷川にしろ、結構癖があり過ぎる。
長谷川が店にきて、昨日の事をほとんど覚えていないと言うので、どさくさに紛れて俺は休みをもらったと伝える。

「えー、岩ちゃん休むの?」
「隆さん、休んでいいって言ってましたよ」

嘘だけど、別にバレやしないだろう。

「明日じゃあれだから、せめて明後日にしてよ」
「分かりました。明後日休み頂きますね。あと週に一回は休んでいいとも言っていましたよ」

「えー、俺そんな事言ったっけ?」
「酔ってましたけど、ハッキリ何度も言っていましたよ」

これで田村も最低週に一度はホールに出るようだ。

翌日は肉じゃが、ミニハンバーグ、ほうれん草のバター炒め、ネギ焼き、麦飯の弁当を作る。

 今日のお弁当 ■献立■ ・肉じゃが ・ハンバーグミニ ・ほうれん草のバター炒め ・ネギ焼き ・麦飯

Posted by 岩上 智一郎 on Monday, February 18, 2013

今日出れば、半月ぶりの休み。

田村は家に送金義務があるから休めないとブツブツ言っていたが、そんなもの俺の知ったこっちゃない。


ゆっくり風呂に浸かり眠る。

昼くらいになり目を覚ます。

特に何の用事も無い休みだったので、買ってあった食材を無駄にするのも勿体ないので、つい料理を始める。

銀鮭のカマ焼き、シマホッケの粕漬け焼き、コロッケ、エビフライ、肉じゃが、ハンバーグにスパゲティ、そしてほうれん草バター炒め。
普段料理に金を使うくらいなので、金はそこそこ余裕があった。

久しぶりに歌舞伎町へ行き、昼キャバに行く。

川越でも行くか。

地元では先輩の吉岡さんが付き合ってくれ飲みに行き、そのあと一人でキャバクラをハシゴしながら朝まで飲む。

始発で帰ろうとするが、寒過ぎて避難する為途中にあった漫画喫茶で倒れこむように寝た。

目覚めて財布を見ると、二十万ぐらいあったはずが、残り四万円にしか残っていない。
またどうでもいい無駄遣いをしてしまったのか……。

本川越駅でジャッキーチェンのDVDを六枚買い、珍しく洋服を買って、横浜に戻る。
さて、また今日から仕事の始まりか。

作り置きした弁当で食事を済ませた。

豚トロのスタミナ炒め、ソーセージグリル、ジャーマンポテト、お新香各種、アジフライ、銀鮭カマ焼き、バターじゃがカレーバジル風味の弁当を作る。

2013/02/23 ■献立■ ・豚トロのスタミナ炒め ・ソーセージグリル ・ジャーマンポテト ・お新香各種 ・アジフライ ・銀鮭カマ焼き ・バタじゃがカレーバジル風味 2013/02/24 ・大根と豆腐の味噌煮込み ■献立■ ・大根と豆腐の味噌煮込み ・ジャーマンポテト ・四日間じっくり煮込んだビーフカレー ・豚トロスタミナ炒め (・お新香各種) (・梅シソワカメ麦ご飯)

Posted by 岩上 智一郎 on Sunday, February 24, 2013

職場へ行くと、また田村が愚痴をこぼしてきたが、俺の知った事ではない。

「隆君がホールをやればいいのにさ。岩ちゃんが休みの時しか現場に入らないんだから。俺はキャッシャー専門なんだから」

この駄目オヤジは何を抜かしているのだろうか?
第一何がキャッシャー専門なのだ?

俺の休みの度、ホール仕事をやってヤクザ客に怒鳴られればいいのだ。
楽ばかりしようとするから、まるで成長がないのである。

最低限週に一度くらい、普段の俺の大変さを味わえばいい。


六日出れば休みのサークルは、幾分か俺のストレスを軽減した。

身勝手な田村と常時仕事を共にしていくには、このぐらい許されるだろう。

あの男は俺が毎日手間を掛けて弁当を作ってやっているのに、感謝がまるでない。
それでいてキャッシャー室へ入りっ放しで楽ばかりする始末。

働いた分しか給料が出ない裏稼業のシステムで、早々休みばかり取れないが、月に一度くらい連休を取っても罰は当たらないはずだ。

風呂へ浸かり、日々の疲れを癒す。

布団に入り、目を閉じるとすぐ睡魔に襲われた。

目を覚ますと、左手の甲に謎の引っ掻かれた傷跡が二本ついている。

何だ、こりゃ?

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