闇 428(体育館のリング編)
闇 428(体育館のリング編)

2025/12/20 sta
前回の章
二千十七年九月二十一日、木曜日先負。
先週の忌々しい横浜で迎えたバースデー連休以来の休み。
朝には目覚めたが、栄二から借りたゴッドファーザーⅡを大人しく観て過ごす。
内容的には最初のゴッドファーザーのほうが面白かった。
昼になり、栄養補給にカフェアンジーへ向かう。
「すみませーん、ハンバーグを下さーい」
俺が開口一番入るなり注文すると、奥さんのいづみさんがケラケラ笑いだす。
「ちょっと何がおかしいんですか!」
「いや…、岩上さん本当にハンバーグが好きだなと……」
「確かに異論は無いですが、先週の誕生日はフィッシュバーガーにしたじゃないですか。ハンバーグばかりじゃありませんよ」
「今日、良かったらポークジンジャーにしませんか?」
「ポークジンジャー? むー……」
確かにここのポークジンジャーも美味いんだよな。
ハンバーグばかりに目を取られていたが、最近そういえば全然食べていない。
「どうでしょうか?」
「うー、じゃあ今日はポークジンジャーで」
何故今日に限ってハンバーグでは駄目なのだろうか?
あの含み笑いが気になる。
「お待たせしましたー、先日岩上さんお誕生日だったじゃないですか。それで今回特製のポークジンジャーを作りましたので、よろしければお召し上がり下さい」

「ウォー!」
前に見たバージョンよりちょいと豪華に作ってある特製ポークジンジャー。
まさかあの悪夢より一週間後に、こんな素敵な出来事が待ち受けているなんて……。
うん、人間腐らず生きてみるものだ。

ハンバーグもそうだけど、このしょうが焼きの味も俺がいくら逆立ちしたところで真似できそうもない味わい。
「お口に合いますか?」
「うー…、悔しいけど、旨いっすよー!」
ちょっとした敗北感と幸福感に押し潰されながらアンジーを出た。
今度何かお礼をせねばなるまい。
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