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高校生・大学生向け【いわきその先図鑑】子どもの頃から憧れたブランドのデザイナーとして、いわきに貢献したい(株式会社ハニーズホールディングス)

株式会社ハニーズホールディングス 
荒川 さくらさん

いわき市に本社を構え、全国47都道府県に約870店舗を展開するアパレル企業「ハニーズ」。
幅広い世代に親しまれる服は、実はいわきの地で企画されています。

今回お話を伺ったのは、ハニーズの商品企画の最前線で活躍する荒川さくらさん
いわき市で生まれ育ち、東京での短大生活を経て、再び故郷に戻り、子どもの頃からの「好き」を仕事に変えた荒川さんの歩みから、私たちが未来を切り拓くためのヒントを探ります。


中高時代から身近だったハニーズの服

荒川さんにとって、ハニーズは子どものころから身近なファッションブランドでした。
中学時代から市内の店舗に足を運び、ハニーズの服を購入。
かわいらしいデザイン、長く着られる質の良さ、そして何より手に取りやすい価格に魅力を感じていました。

転機となったのは、高校の自由度の高いカリキュラムの中で「ファッション」に関する授業を選択したことでした。専門的な知識に触れる中で、「いつかはハニーズで働きたい」という夢が、具体的な目標へと変わっていきました。
そして、東京の短大へ進学し、「デザイナー」の夢を叶えるため、就職活動で改めてハニーズを調べてみると、そこには入社してすぐに商品企画に関われるという他社にない魅力がありました。

荒川さんは「早い段階で企画に挑戦できることは他のアパレル会社にない良さでした。地元で働けることもあり、ハニーズに入社を決めました」と話します。

荒川さんは服のパーツの設計図を作る「パタンナー」として2年ほど経験を積んだのち念願のデザイナーとなり、商品企画の第一線で活躍しています。

商品企画で重要なリサーチ

現在、荒川さんは15~30歳向けブランド「COLZA(コルザ)」を担当しています。
デザイナーの仕事は、単に服のデザイン画を描くことではありません。その本質は「今、求められているものは何か」を突き詰める徹底的なリサーチにあります。

荒川さんは月に一度、流行の発信地である東京へ市場調査に出かけ、街を行く人々のリアルな着こなし等、最新トレンドを吸収します。
しかし、荒川さんがそれ以上に大切にしているのが、いわき市の本社の近隣にある店舗へのフィールドワークです。

「本社のすぐ近くにある店舗へ月一回足を運び、売り場を確認しながら販売スタッフの方と情報交換をしています。本社の企画部門・物流センター・店舗のすべてがいわき市内にあり、連携できるのがハニーズの強み。特に、お客様と実際に接する店舗の方に、お客様の声や意見を聞くことを大切にしています」

ハニーズの商品企画の進行ペースはスピーディーです。
2週間に1回行われる社内プレゼンテーションでは、各担当者が毎回3〜4つの新商品を提案し、実際に売れそうだと判断されたものだけが商品化へと進められます。

また、オフィスにはミシンがあり、思いついたアイデアをすぐにサンプルとして製作して、社内のスタッフに試着してもらいながら改良を重ねます。
「常に新しいことを考えている」という毎日は、タフでありながら、自分の感性が形になっていく学びに満ちています。

最も印象に残る服は、最初にデザインしたスカート

荒川さんにとって思い入れのある商品は、デザイナーに異動して初めてデザインした「チュールスカート」です。

きっかけは、東京出張で見かけた一着のスカートでした。
「今までにない、ボリューム感のある新しいデザインを作りたい」その一心で、薄手のチュール素材を数段に重ねた複雑な構成を考え出しました。

しかし、前例のないデザインは壁にぶつかります。
素材の重なり方一つでシルエットが大きく変わってしまうため、何度もサンプルを作り直す試行錯誤の日々。さらに当時、ハニーズではチュールスカートは作られておらず、社内プレゼンで採用されるかどうかも不安だったそうです。

それでも、荒川さんの思いが通じ、商品化が決定。
実際の販売も好評で、荒川さんの提案がきっかけとなり、その後も毎シーズン改良を重ねながら、チュールスカートが継続的に作られ続けています。

地方都市・いわきだからこそできる服のデザイン

ハニーズの店舗は、全国47都道府県すべてにあり、都会の最先端トレンドをそのまま持ち込むのではなく、全国の幅広いお客様に「着てみたい」と思っていただける商品を企画することが必要です。
荒川さんは、デザイン部門が地方都市であるいわきにあることをハニーズの強みだと考えています。

通常、アパレル企業のデザイン部門は首都圏にあり、流行りのファッションをすぐそばでとらえることができるというメリットがあります。
ただ、荒川さんは、「いわきにいるからこそ、都会の流行を一歩引いた目線で客観的に見ることができることで、都市部の人にも地方の人にも受け入れやすい商品を企画できることにもつながっている」と話します。

服作りを通じて地元・いわきに貢献したい

短大時代の2年間を東京で過ごした荒川さん。
同級生の多くは首都圏のアパレル企業で働くなか、荒川さんは高校生まで過ごした地元・いわきでの生活に安心を感じています。
また、地元で自分がやりたい仕事ができていることで充実した日々を過ごしています。

荒川さんは、今後ハニーズでの活動を通じて、「地元・いわきに貢献していきたい」という思いを持っています。
いわきにまつわる商品として、ハニーズが長年製作しているのが、いわきオリジナルのアロハシャツ「IWAKIアロハ」です。

いわきを全国にPRしようと、いわき市や一般社団法人いわき観光まちづくりビューローと協力し、18年もの間続く取り組みです。アロハシャツには「フタバスズキリュウ」や「フラガール」などいわきにまつわるものがデザインされ、男性にも人気の商品です。

ほかにもいわきサンシャインマラソンの参加ランナー向けのTシャツもハニーズが毎年デザインしており、荒川さんも、ハニーズのブランド力を使って、いわきの文化やストーリーを伝える服を作っていきたいと考えています。

荒川さんは「全国のお客様に手に取ってもらえる商品を作り、地域に貢献しながらいわきを盛り上げていきたいです」と話します。

荒川さんの人生が示すように、子どもの頃の純粋な「好き」という気持ちと、学校で学んだ感性がつながり、自分だけの「武器」になる日が必ず来ます。
そのためには、身近なものへの興味を大切に育み、自分という可能性を信じて「なりたい姿」を追求し続けること。
荒川さんは今日も、大好きな地元・いわきから、日本中のお客様の毎日を彩るための一着をデザインし続けています。

皆さんも、この「いわきその先図鑑」をヒントに、自分だけの「その先」を探してみませんか。

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